コンタクトセンターのオペレーション支援AI「MooA®」が新機能提供開始、生成AIで業務自動化と「顧客の声」活用を強化

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コンタクトセンターのオペレーション支援AI「MooA®」が新機能提供開始、生成AIで業務自動化と「顧客の声」活用を強化

モビルス株式会社は、コンタクトセンターのオペレーション支援AI「MooA®(ムーア)」において、生成AIを活用した新機能3種を2025年11月13日より順次提供開始すると発表しました。これらの新機能は、オペレーターの回答記録や分析作業、FAQなどのナレッジ更新を自動化し、コンタクトセンターの応対業務を支援します。

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開発背景:コンタクトセンターが抱える課題

コンタクトセンター業界では、採用難や人材育成の遅れによる慢性的な人手不足が深刻化しています。また、オペレーターが参照するFAQ(よくある質問)やマニュアルは、検索性の低さや情報の分散により、十分に活用されていない現状があります。

さらに、企業の製品・サービス改善に役立つ貴重な「顧客の声(VOC:Voice Of Customer)」が日々蓄積されているにもかかわらず、その多くが十分に活用されていません。従来のCRM(顧客管理システム)では、主要な問い合わせ理由のみが記録されがちで、詳細な顧客の声を拾い上げることが困難でした。応対記録の入力負担や精度のばらつきも、多角的なVOC分析を妨げる要因となっています。

これらの課題を背景に、モビルスは生成AIによる応対記録の自動要約・分類・分析、そしてナレッジの自動更新を実現する新機能を開発しました。

AI Workstyle Lab編集部より:
人手不足や情報管理の課題は、多くの企業で共通の悩みです。AIがこれらの定型業務を自動化することで、オペレーターはより複雑な問題解決や顧客との深いコミュニケーションに集中できるようになります。これは、従業員のエンゲージメント向上にもつながるでしょう。

オペレーション支援AI「MooA®」とは

「MooA®」は、モビルスが独自開発するオペレーション支援AIです。コンタクトセンターのオペレーターやスーパーバイザー(SV:管理者)の業務をサポートするAIシステムで、生成AIを活用した音声認識機能やデータ生成機能などを通じて、ACW(平均後処理時間)の削減、コンタクトセンター業務の効率化、そして顧客体験(CX:Customer Experience)の向上を実現します。

新機能の詳細

オペレーターダッシュボード「MooA CommNavi®」

「MooA CommNavi®」は、AIがリアルタイムで音声を認識し文字起こしを行い、生成AIが話者特定、文脈理解、要約を通じてオペレーターの回答を支援するダッシュボードです。今回、以下の二つの新機能が搭載されます。

  1. 要件特定や深掘りに最適化したトークスクリプトのテンプレート機能

    この新機能は、オペレーターが会話を進めながら、問い合わせ要件の特定や深掘りを効率化し、要約の精度を高めるトークスクリプト機能です。オペレーターは、要件特定のテンプレートを用いて問い合わせの要件を特定し、その後、要件に特化したテンプレートで情報を整理することで、迅速かつ円滑な回答やSVへの引き継ぎが可能になります。

    これにより、オペレーターはテンプレートに沿って効率的に応対記録や要約を完了でき、経験に依存しない応対品質の均一化と業務効率化が期待されます。

    トークスクリプトのテンプレート機能

    AI Workstyle Lab編集部より:
    トークスクリプトのテンプレート化は、特に新人オペレーターの育成や、応対品質の標準化に大きく貢献します。AIが会話の流れをサポートすることで、オペレーターは自信を持って対応できるようになるでしょう。

  2. ダッシュボードオプション「コールリーズン分類」

    「コールリーズン分類」は、生成AIが1件の問い合わせに含まれる複数のコールリーズン(問い合わせ理由)を自動で分類する新機能です。生成AIが自動でコールリーズンから不正確なデータを取り除くデータクレンジング(欠損、誤り、重複、表記の不統一などを修正・削除し、データの質を向上させること)を行うことで、オペレーターの要件入力や分析作業の負担を軽減します。

    多角的にVOCを分析するダッシュボードを活用することで、コールリーズンから利用者の潜在的なニーズや課題を理解し、的確なVOC把握が可能になります。ダッシュボード上では、応対時間の長さや問い合わせの傾向などから多角的に分析し、生成AIが自動で改善点、FAQドラフト、問い合わせ削減案を提示します。

    コールリーズン分類ダッシュボード

    これにより、担当者は分析・洞察に集中でき、製品やサービス改善につながる課題の発見、利用促進案などの「改善提案」を考える時間を増やすことができます。例えば、応対時間の短い問い合わせが多い場合は、チャットボットやFAQなどの自己解決を促す問い合わせ導線の整備を検討できるようになります。一方、複雑な応対が必要な場合は、AIエージェントや有人対応へ接続する導線の改善を通じて、顧客対応の強化につなげられます。

    コールリーズン分析から改善点を自動提示

    AI Workstyle Lab編集部より:
    顧客の声を多角的に分析し、具体的な改善策をAIが提示してくれるこの機能は、企業のサービス改善サイクルを加速させる強力なツールです。VOCの適切な活用は、顧客満足度向上だけでなく、新たなビジネスチャンスの発見にもつながる可能性があります。

AIナレッジシステム「MooA KnowledgeBase®」

「MooA KnowledgeBase®」は、コンタクトセンターで日々蓄積される応対ログやFAQ、マニュアルなどの情報を生成AIが自動で照合・更新し、常に最新状態のナレッジを維持できるAIナレッジシステムです。今回、以下の新機能が搭載されます。

  1. 生成AIによる新規FAQ候補の自動作成・更新機能

    「MooA KnowledgeBase®」は、「MooA CommNavi®」のAIがリアルタイムで文字起こしした応対ログや、アーカイブされた音声応対データ、有人チャットのテキスト応対ログなど、「企業と利用者のリアルなやり取り」から、自動的にFAQ候補を生成します。

    さらに、生成されたFAQ候補は、既存のナレッジデータと比較され、「新規追加すべきか」「既存のナレッジを更新すべきか」をナレッジ管理者に提案するモビルス独自の突合ロジックによって、KCS(Knowledge-Centered Service:ナレッジを構造化し、共有・再利用することで問題解決の効率を高めるフレームワーク)に基づくナレッジ管理プロセス運用をAIで支援します。これにより、ナレッジマネジメントにおける品質と効率化の両立を実現します。

    また、生成AIソリューションを活用したい企業向けに、既存のFAQや操作マニュアル、トークスクリプトをRAG(検索拡張生成:大規模言語モデルによるテキスト生成に外部情報の検索を組み合わせる技術)に活用可能な「AI-Ready」(AIが効果的に活用できる状態を指し、特に「AI-Readyなデータ」とは、AIが正しく理解・活用できる形に整理・整備されたデータのこと)形式に移行するためのアノテーション(データにラベルやタグといった注釈を付与する作業)にも対応しています。

    新規FAQ候補の自動作成・更新機能

    「MooA KnowledgeBase®」でナレッジマネジメントを実践することで、様々なチャネルでナレッジを活用できます。例えば、「MooA CommNavi®」と連携することで、対話中にオペレーターが自然文検索で回答候補を即座に参照できる環境を整備可能です。また、ノンボイスソリューションのチャットボット「MOBI BOT®(モビボット)」との連携により、RAG形式のセルフサポートチャネルの構築も可能になる予定です(2026年1月より順次対応)。

    AI Workstyle Lab編集部より:
    常に最新のナレッジを維持することは、顧客対応の品質向上に不可欠です。AIが自動でFAQ候補を生成し、既存ナレッジとの突合を提案してくれることで、ナレッジ管理者の運用負荷が大幅に軽減され、より戦略的なナレッジマネジメントが可能になるでしょう。

今後の展望

モビルスはこれまで、有人チャット「MOBI AGENT®(モビエージェント)」やPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard:クレジットカード情報保護のための国際セキュリティ基準)に準拠したセキュア・コミュニケーション機能「Secure Path®(セキュアパス)」、そしてオペレーション支援AI「MooA®」の開発・運用を通じて、コンタクトセンターの業務効率化に取り組んできました。

今後は、2026年以降に「スーパーバイザー向けのリモートモニタリング機能」「PDF、Excel等のアノテーションツールの拡充」「MOBI AGENT連携」などのサービス提供を予定しています。生成AIを中心としたソリューション群を進化させることで、オペレーターの業務効率化にとどまらず、VOCの高度活用による企業全体のCX品質向上と収益性向上を目指していく方針です。

モビルス株式会社について

モビルス株式会社は、クライアントの顧客体験(CX)のブランディング設計を通じて、企業価値と経営収益向上に貢献する企業です。新しいテクノロジーを取り込んだオペレーション支援生成AIサービス「MooA®」や、顧客コミュニケーションのノンボイス化・デジタル化を推進する有人チャット、ボイスボットなどのSaaS(Software as a Service)ソリューション「モビシリーズ」を開発・提供しており、モビシリーズは500社以上に導入されています。

モビルスでは、「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」をミッションに掲げ、テクノロジーによる企業のCX向上を目的に「CX-Branding Tech. Lab(https://mobilus.co.jp/lab/)」を運営し、調査レポート、セミナー開催、登壇、実証実験を通した研究開発などを企画・発信しています。

会社名:モビルス株式会社
代表者:石井智宏
所在地:東京都品川区東五反田2丁目22番9号 住友不動産大崎ツインビル西館9階
設立:2011年9月
上場市場:東京証券取引所 グロース(証券コード:4370)
事業内容:コンタクトセンター向けSaaSプロダクト(モビシリーズ)などのCXソリューションの提供
公式HP:https://mobilus.co.jp

この記事の情報
記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

ChatGPTやAIツールを中心に、AI時代の「学び・働き方・キャリア」をアップデートする情報を発信。
AI Workstyle Labは、AIと共に進化する働き方を提案するメディアです。
AI Workstyle Lab編集部は、人間の編集者が監修し、150本以上の記事をChatGPT × 校正AIで制作しています。

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