ユースファクトチェック選手権2025世界大会、北海道チームが快挙
2025年12月13日、株式会社Classroom Adventureと日本ファクトチェックセンター(JFC)は、アジア各国のファクトチェック機関と共同で、12歳から24歳の若者を対象とした国際的な情報検証大会「GenAsia 2025(ユースファクトチェック選手権)」の世界大会をオンラインで開催しました。この大会には、日本、台湾、タイ、モンゴル、インドの各国予選を勝ち抜いた24チームが参加し、生成AIによるディープフェイク画像やSNSで拡散される災害デマなど、巧妙な偽情報を見抜くスピードと正確さが競われました。
激戦の末、日本代表の「YAYO-SAN」(北海道大学・札幌大谷大学)が優勝を果たしました。

AI時代の必須教養「ファクトチェック」を知的eスポーツへ
生成AI技術の飛躍的な進歩により、「もっともらしい嘘」が瞬時に作られる時代が到来し、2025年には政治や自然災害におけるAIによる偽情報拡散が社会問題となりました。このような状況下で、情報の真偽を見極めるスキル、すなわちメディア・情報リテラシーは次世代の必須教養となっています。
本大会は、ファクトチェックを単なる受動的な「偽情報の指摘」から、真実を探求する「知的なeスポーツ」へと昇華させることを目指しています。参加者はゲーム感覚で楽しみながら、社会を守るための実践的な検証スキルを習得できると期待されています。なお、本大会は2024年よりGoogle社からClassroom Adventureが主催を引き継いでいます。

世界を惑わす「最新の偽情報」に挑む
世界大会では、実際に世界中で観測されている偽情報のトレンドを反映した、難易度の高い課題が出題されました。参加者は検索エンジン、画像解析ツール、統計情報などを駆使し、以下の問題に挑みました。
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偽ニュース画像の検証: 「英国王が米大統領にゴルフ対決を挑んだ」とする偽ニュース画像の元記事を特定し、画像内のテキストが改ざんされていることを暴く課題が出されました。

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動画生成AIの検出: 「Sora」や「Runway」などで生成されたと見られる動画群の中から、物理法則の破綻や地理的な整合性のなさなどを根拠に、AI生成動画を特定する課題も出題されました。




大会結果と今後の展望
熱戦の結果、上位入賞チームは以下の通りです。
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優勝: 🇯🇵 YAYO-SAN(日本 / 北海道大学・札幌大谷大学)
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2位: 🇹🇼 Do I Look Like Google?(台湾)
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3位: 🇹🇼 sumimasen(台湾)
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4位: 🇹🇼 golu golu(台湾)
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5位: 🇯🇵 TDU(日本 / 東京大学・米ミネルバ大学)
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6位: 🇯🇵 BulletClub The Judgement(日本 / 琉球大学・北海道大学)

入賞チームは、高い検索スキルに加え、チーム内の役割分担が機能し、圧倒的なスピードで正解にたどり着きました。特に台湾チームが上位を独占したことは、同国におけるメディアリテラシー教育の浸透と、日常的な偽情報への危機感の高さを示す結果と言えるでしょう。入賞チームには賞金総額30万円の副賞が授与されます。



「ユースファクトチェック選手権」は来年度以降も継続的な開催が予定されており、2026年には参加国をさらに拡大し、より大規模な国際大会へと進化することを目指しています。AI技術の進化に伴い偽情報はより巧妙化していくため、それに対抗する「人間の知性」と「テクノロジー」を融合させた教育プログラムの提供が続けられます。
次回の開催情報やエントリー開始時期については、公式SNSおよびWebサイトにて随時発表される予定です。
大会概要
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大会名: GenAsia Challenge 2025(ユースファクトチェック選手権 世界大会)
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開催日: 2025年12月13日(土)
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形式: オンライン(Zoomおよび検証プラットフォームを使用)
主催・パートナー
主催:
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株式会社Classroom Adventure
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日本ファクトチェックセンター (JFC)
各国開催パートナー:
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中華民国(台湾): 台湾ファクトチェックセンター
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モンゴル:Mongolian Fact‑Checking Center (MFCC)
- URL: https://mfcc.mn/
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タイ:Cofact
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インド: DataLeads
関連リンク:
- GenAsia Challenge 公式サイト: https://www.genasiachallenge.com/jp
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回のユースファクトチェック選手権は、AIが生成する偽情報が社会に与える影響の大きさと、それに対抗する人間の情報検証能力の重要性を改めて浮き彫りにしました。ファクトチェックが「知的なeスポーツ」として若者に普及していくことは、将来的に社会全体の情報リテラシーを高める上で非常に意義深い動きです。しかし、AIによる偽情報は今後さらに巧妙化していくため、技術的な対策と並行して、教育プログラムの継続的な改善と普及が不可欠です。本大会の継続的な開催と参加国の拡大は、AIと人間の知性を融合させた新たな情報検証の未来を描く上で、重要な一歩となるでしょう。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

