調査サマリー:UXの取り組みは二極化、生成AIが課題解決の糸口に
今回の調査では、以下の点が主なサマリーとして挙げられています。
-
「ソフトウェア開発においてUXに取り組んでいる・予定がある」企業が前回調査より12%減少し、41%となりました。
-
企業がUXに取り組まない理由として、「効果や目的がわからない」が40%と最も多く、取り組み企業と未導入企業との間で二極化が進んでいる可能性が示唆されています。
-
UXの取り組み効果は「使い勝手の向上」(42%)が最も多く、ユーザーの解約防止といった「守りのUX」から、より積極的なユーザー体験を提供する「攻めのUX」への転換がうかがえます。
-
UXに課題を感じている企業のうち、24%が生成AIを活用して課題を解決しようとしていることが明らかになりました。
調査概要
本調査は、2025年9月9日から12日にかけて、インターネット調査として実施されました。国内在住のソフトウェア・システム開発に携わる会社員700名が有効回答者となっています。調査機関は株式会社クロス・マーケティングです。
ソフトウェア開発におけるUX取り組み状況の現状
「所属企業のソフトウェア開発においてUXに取り組んでいる・予定がある」と回答した企業は、前回の53%から41%へと大幅に減少しました。この結果から、過半数の企業において、ソフトウェア開発の現場でのUXへの取り組み優先度が必ずしも高くない現状が浮き彫りになっています。

UXに取り組まない理由と企業間の二極化
UXに取り組む予定がないと回答した企業にその理由を尋ねたところ、「効果や目的がわからない」が40%と最も多く、次いで「取り組み方がわからない」(24%)が続きました。これは、UXの効果や価値を認識し、継続的にリソースを投入できる企業と、投資対効果や中長期的な事業成果との関係性を明確化できず、取り組みを控える企業との間で二極化が進んでいる可能性を示しています。

「守りのUX」から「攻めのUX」への転換
UXに取り組んでいる企業への調査では、「使い勝手の向上」(42%)が最も多い効果として挙げられました。次に「顧客満足度の向上」(30%)が続き、ユーザー体験の向上に直結する項目が上位を占めています。一方で、昨年調査で1位だった「既存顧客の解約防止」は今回17%と大幅に後退しました。
この変化は、企業がユーザーからのネガティブな評価を防ぐ「守りのUX」から、ユーザーの期待を超える体験を提供する「攻めのUX」へと、求める効果が転換していることを示唆しています。

生成AIを活用したUX課題解決への期待
UXの取り組みに課題を感じている企業に対し、その解決策を尋ねたところ、「各部門で対応策を検討」が44%と最多でした。これは、UX課題が特定部署だけでなく全社的な課題として捉えられ、複数部門での協働推進が始まっていることを示唆しています。
今回の調査で初めて登場した「生成AI活用」という回答は24%にのぼり、人材やコスト不足といった企業の喫緊の課題を解決し、生産性向上を実現する手段として、生成AIへの期待が高まっていることがわかります。

調査結果のまとめと今後の展望
今回の調査では、UX未導入・未実施企業の割合が増加し、UX先進企業と未導入企業との間で二極化が進んでいる実態が明らかになりました。今後、ソフトウェア開発におけるUXをさらに推進するためには、UXがビジネスにもたらすインパクトや効果を定量的に示し、企業の事業戦略に組み込むことが重要となるでしょう。
本調査の全編レポートは、以下のリンクより詳細をご覧いただけます。
SHIFTのUI/UX関連サービス
株式会社SHIFTは、ソフトウェアの品質保証で培ったノウハウを活かし、企画段階からリリース後の改修まで、開発プロセスの全般をカバーするUXソリューションを提供しています。人間中心設計専門家をはじめとするUXのエキスパートが、最適なユーザビリティのあり方や改善手法を提案しています。

主な支援事例としては、大手アパレル企業のECサイトリニューアルにおけるCVR(コンバージョン率)改善、大手IT企業のB2B業務システムにおけるUI/UX改善、大手家電メーカーのお問い合わせサイト運用効率化などが挙げられています。これらの事例では、データ分析とUX評価を組み合わせた仮説構築と検証、ペルソナ・シナリオ作成を通じた顧客体験意識の改革、ABテストによる入電率削減といった成果を上げています。
株式会社SHIFTについて
株式会社SHIFTは、金融機関の基幹システムからECサイト、スマートフォンアプリ・ゲーム検証まで、幅広い分野でソフトウェアの品質保証・テストサービスを提供し成長してきました。現在は、「無駄をなくしたスマートな社会の実現」を目指し、ビジネス構築からシステム企画、開発、運用、セキュリティ、マーケティング、DX推進まで、ITに関するあらゆるビジネス課題の解決を支援しています。
-
社名:株式会社SHIFT
-
本社所在地:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー
-
代表取締役:代表取締役社長 丹下 大
-
設立:2005年9月
-
コーポレートサイト:https://www.shiftinc.jp/
-
サービスサイト:https://service.shiftinc.jp/
AI Workstyle Lab編集部コメント
株式会社SHIFTの調査は、ソフトウェア開発におけるUX投資の二極化を示唆しています。UXの重要性を認識しながらも、その効果を明確にできない企業にとって、生成AIは大きなビジネスチャンスをもたらすでしょう。生成AIを活用すれば、ユーザーデータの分析やプロトタイプ作成、A/BテストといったUX改善プロセスを効率化し、少ないリソースでも高品質なユーザー体験を提供できるようになります。これにより、顧客満足度の向上だけでなく、開発サイクルの短縮やコスト削減、ひいては収益向上にも繋がる可能性があります。ビジネスにおけるAIの具体的な活用事例として、今後さらに注目される分野です。
「AIニュースは追っているけど、何から学べばいいか分からない…」 そんな初心者向けに、編集部が本当におすすめできる無料AIセミナーを厳選しました。
- 完全無料で参加できるAIセミナーだけを厳選
- ChatGPT・Geminiを基礎から体系的に学べる
- 比較しやすく、あなたに合う講座が一目で分かる
ChatGPTなどの生成AIを使いこなして、仕事・収入・時間の安定につながるスキルを身につけませんか?
AI Workstyle LabのAIニュースをチェックしているあなたは、すでに一歩リードしている側です。あとは、 実務で使える生成AIスキルを身につければ、「知っている」から「成果を出せる」状態へ一気に飛べます。
講師:栗須俊勝(AI総研)
30社以上にAI研修・業務効率化支援を提供。“大阪の生成AIハカセ”として企業DXを牽引しています。
- 日々の業務を30〜70%時短する、実務直結の生成AI活用法を体系的に学べる
- 副業・本業どちらにも活かせる、AI時代の「稼ぐためのスキルセット」を習得
- 文章・画像・資料作成など、仕事も趣味もラクになる汎用的なAIスキルが身につく
ニュースを読むだけで終わらせず、
「明日から成果が変わるAIスキル」を一緒に身につけましょう。
本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

