プログラミング不要でAIアプリ開発！オープンソース「Giselle」の機能、活用事例、料金を徹底解説

誰でもAIアプリを作れる時代へ：ビジュアルAIアプリビルダー「Giselle」

AI技術の進化は目覚ましく、その活用範囲は広がる一方です。しかし、最新のAIモデルを使いこなし、複数のモデルを組み合わせてワークフローやカスタムAIアプリを構築するには、高い技術的ハードルが存在していました。株式会社ROUTE06が開発した「Giselle」は、この課題を解決するために、プログラミング知識がなくてもドラッグ＆ドロップの直感的な操作でAIアプリを構築・実行できるプラットフォームとして誕生しました。

Giselleは、Apache License 2.0のもとでオープンソースとして公開されており、世界中の個人や企業が自由に利用・改変・再配布できます。これにより、エンジニアだけでなく、デザイナー、プロダクトマネージャー、マーケター、営業、バックオフィスなど、あらゆる職種のプロフェッショナルが、自身の業務に合わせたAIアプリを迅速に作成し、活用できる環境が提供されます。

Giselleの主要機能

Giselleは、複雑なAIタスクを業務として「完走させる」ための実行基盤として設計されており、以下の主要な機能を提供しています。

1. ビジュアルノードエディター
   フローチャートのようにノードをドラッグ＆ドロップで配置・接続するだけで、AIワークフローを視覚的に設計できます。プログラミング経験がなくても、複雑なAI処理を簡単に構築することが可能です。

2. 長時間タスクも快適に実行
   作成したAIアプリは、構築環境とは分離された実行専用環境ですぐに利用できます。長時間にわたるAIアプリの進捗状況をリアルタイムで確認でき、複数のアウトプットや長文の結果も見やすく表示されるため、日々のAIアプリ利用が快適になります。

3. マルチモデルAIコラボレーション
   OpenAI（GPT-5.2）、Anthropic（Claude Opus 4.5）、Google（Gemini 3 Flash）など、世界最先端のAIモデルを単一のワークフロー内で自由に組み合わせることが可能です。これにより、各モデルの特性を活かした役割分担や、処理の安定性、出力品質を意識した設計が可能となり、複雑なタスクでも一貫した結果を得ることができます。

4. GitHub連携による自動化
   GitHubでのIssue、Pull Request、コメントなどの操作をトリガーにAIアプリを自動実行できます。コードの変更意図を踏まえたレビュー、関連するIssueとの紐付け、ドキュメント生成、Issueの分類・対応など、開発ワークフローに深く統合された自動化を実現します。

5. カスタムナレッジの活用
   自社のPDFやドキュメント、GitHubリポジトリのコード・Issue・PRなど、組織が保有するデータをナレッジとしてAIアプリに組み込むことができます。これにより、一般的なAIでは対応が難しい、組織固有の情報に基づいた回答や処理が可能です。また、GitHubリポジトリをカスタムナレッジとして活用することで、ソースコードから仕様書などのドキュメントを作成するリバースエンジニアリングにも応用できます。RAGやVector Storeといった高度な技術を、専門知識なしで活用できます。

Giselleの活用シーン

Giselleは多岐にわたる業務領域での活用が期待されています。具体的な活用例は以下の通りです。

• ソフトウェア開発
  カスタムAIレビューBot、PRD・要件定義書の生成、技術ドキュメントの自動更新

• リサーチ・分析
  市場分析、競合調査、技術デューデリジェンス、複数ソースの統合分析

• コンテンツ制作
  ブログ記事・チュートリアル作成、SNS投稿のマルチプラットフォーム同時生成

• ナレッジベースQ&A
  社内ドキュメントやGitHubリポジトリを活用した質問応答

• プロダクトマネジメント
  ユーザーストーリー生成、仕様作成、機能優先順位付け

• カスタマーサポート
  FAQ対応、問い合わせ内容の分類・回答案の作成

• コンサルティング
  提案資料の作成、業界分析レポートの生成

Giselleの料金プランと今後の展開

Giselleには、無料の「Free」プラン、月額20ドルの「Pro」プラン、そして「Team」「Enterprise」プランが用意されています。オープンソース版はセルフホスティングで無料で利用可能です。

株式会社ROUTE06は、今後もGiselleの機能改善を継続的に進めていく方針です。具体的な今後の展開としては、作成したAIアプリのAPI提供やMCP対応、AIアプリの安全なサンドボックス実行、SlackやGoogle Workspaceなど外部サービス連携の拡充、対応言語・リージョンの拡大、エンタープライズ向けセキュリティ機能の強化、より高度なマルチエージェント連携機能などが挙げられています。

Giselleは、Product Huntでもローンチされており、世界中のユーザーからのフィードバックを取り入れながら、さらなる進化を目指しています。

• サービスサイト: https://giselles.ai

• Product Hunt: https://www.producthunt.com/posts/giselle

• GitHub: https://github.com/giselles-ai/giselle

株式会社ROUTE06について

株式会社ROUTE06は、2020年1月24日に設立された、人とAIの協創によってプロダクト開発を再定義するスタートアップです。AI駆動開発プラットフォームとして、要件設計「Acsim」、AIエージェント構築「Giselle」、データベース設計「Liam」などを提供しており、設計・実装・運用の全工程に対応することで、開発のスピードと品質の革新を目指しています。

• コーポレートサイト: https://route06.com/jp

AI Workstyle Lab編集部コメント

Giselleのオープンソース化は、AI導入のハードルを大きく下げる画期的な動きです。特に中小企業やスタートアップにとって、高額な開発費用をかけずに、自社の業務に特化したAIアプリを迅速に構築できる点は大きなメリットとなるでしょう。ドラッグ＆ドロップという直感的な操作性により、エンジニア以外の職種でもAI活用を推進しやすくなり、業務効率化や新たなサービス創出に繋がる可能性を秘めています。今後は、コミュニティによる機能拡張や多様な連携サービスの登場が、ビジネスにおけるAI活用の幅をさらに広げると期待されます。

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