モビルス、AIボイスボット「MOBI VOICE」と「ZENRIN Maps API」連携で住所認識精度を大幅向上

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モビルス株式会社は、同社が提供するAIボイスボット「MOBI VOICE(モビボイス)」が、株式会社ゼンリンデータコムの「ZENRIN Maps API」との連携を開始し、新機能「ゼンリン住所データベース連携オプション」の提供を開始したことを2025年11月6日に発表しました。この連携により、ボイスボットによる通話音声からの住所認識精度が大幅に向上し、コンタクトセンターの業務効率化と利用者の満足度向上に貢献すると期待されています。

ZENRIN DataCom MOBILUS

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連携の背景とコンタクトセンターの課題

近年、コンタクトセンター業界では、オペレーターの人手不足が深刻化しており、業務効率化や省人化が喫緊の課題となっています。このような状況下で、電話応対を補完・代替する手段として、AIボイスボット(AIを活用して電話応対を自動化するシステム)の導入が進んでいます。

ボイスボットは、繁忙期や夜間・休日でも自動対応を可能にし、利用者の待ち時間短縮や24時間365日の受付体制を実現します。しかし、従来のボイスボットには、複雑な地名やマンション名、特殊な読み方をする地名の認識に課題がありました。例えば、「青島(あおしま)」を「チンタオ」と誤って読み上げたり、「百々町(ドウドウチョウ、ドドチョウなど)」のように地域によって読み方が異なる地名に対応できなかったりするケースがありました。これにより、利用者との認識の不一致が生じ、通話が中断されたり、オペレーターによる手動での確認作業が必要となったりするなど、後処理業務の負担が増大していました。

モビルスは、これらの課題を解決するため、「ZENRIN Maps API」の導入を決定し、「MOBI VOICE」との連携に至りました。

新機能「ゼンリン住所データベース連携オプション」の概要

今回の連携により、「MOBI VOICE」はゼンリンが保有する日本全国の詳細な住所情報と、地域ごとの正しい地名の読み方に関するデータベースへ直接参照できるようになりました。これにより、ボイスボットは高い精度で住所情報を認識・特定できるようになります。

主な改善点

  • 正確な住所認識: 利用者との通話音声から得られた郵便番号や番地の数字情報のみで、マンション名を含む住所をゼンリン住所データベースから特定できます。日本の難読地名や地域特有の読み方にも対応し、利用者への復唱・確認で音声認識の不一致を防ぎます。
  • 業務効率化と負担軽減: 利用者との認識に齟齬が生じる度にオペレーターが対応後に実施していた確認作業や音声認識の辞書登録が不要になります。これにより、後続処理にかかる工数が削減され、オペレーターはより付加価値の高い業務に専念できるようになります。

これまでの住所認識とオプション適用後の比較

このオプション機能の利用には、「MOBI VOICE」のビジネスプラン以上と生成AIオプション(有償)契約が必要です。

AI Workstyle Lab編集部解説

今回のモビルスとゼンリンデータコムの連携は、AI技術の実用的な進化を示す好例と言えるでしょう。コンタクトセンターにおける住所認識の精度向上は、単なる業務効率化に留まらず、顧客体験(CX)の質を大きく向上させる可能性を秘めています。

特に注目すべきは、AIが複雑な地名やマンション名といった、これまで人間が介在しなければ難しかった細かな情報まで正確に認識できるようになった点です。これにより、ボイスボットが提供するサービスの信頼性が向上し、利用者はよりストレスなく問い合わせを完結できるようになります。オペレーターは定型的な確認作業から解放され、より複雑な問題解決や、きめ細やかな顧客対応といった、人間にしかできない高付加価値な業務に集中できるため、全体の応対品質向上にも繋がるでしょう。

AIを仕事で活用する上で重要なのは、AIが得意な「パターン認識」や「データ処理」を最大限に活かし、人間が得意な「共感」や「創造性」といった領域にリソースを集中させることです。今回の連携は、まさにその理想的なAIと人間の協業モデルをコンタクトセンターで実現する一歩と言えます。

各サービスについて

AIボイスボット「MOBI VOICE(モビボイス®)」

「MOBI VOICE」は、電話での問い合わせ対応をAIで自動化するボイスボットシステムです。ピーク時のあふれ呼対応や24時間365日稼働により、顧客体験(CX)向上に貢献します。また、オペレーション支援AI「MooA®(ムーア)」と連携することで、対応内容を要約し、CRM(顧客管理システム)などへのデータ連携をスムーズに行い、ACW(平均後処理時間)の削減も可能です。

法人向け ゼンリン地図・位置情報開発ツール「ZENRIN Maps API」

「ZENRIN Maps API」は、地図コンテンツや位置情報機能をWebサイトやアプリケーションに実装するための開発ツールです。株式会社ゼンリンおよび株式会社ゼンリンデータコムが提供しており、詳細な地図情報と豊富な位置情報機能を提供しています。

モビルスは、今後も生成AIなどの先進技術活用や外部サービスとの連携を強化し、コンタクトセンターのさらなる効率化と顧客体験(CX)の向上に貢献していく方針です。

この記事の情報
記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

ChatGPTやAIツールを中心に、AI時代の「学び・働き方・キャリア」をアップデートする情報を発信。
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