NiCE、2025年第3四半期にクラウド売上高13%増を達成し通期見通しを上方修正：AI戦略とCognigy買収が成長を

NiCE（NASDAQ: NICE）は、2025年9月30日に終了した第3四半期の業績を発表し、クラウド売上高が前年比13%増加したことを報告しました。AIの年間経常収益（ARR）も前年比49%増（Cognigyを除く場合は43%増）と大きく伸長しており、同社は2025年通期の売上高見通しを上方修正しています。

2025年第3四半期財務ハイライト
AIファースト戦略とCognigy買収が成長を牽引
- AI Workstyle Lab編集部より
2025年通期見通しの上方修正
NiCEについて

2025年第3四半期財務ハイライト

NiCEの発表によると、2025年第3四半期の主な財務実績は以下の通りです。

売上高: 7億3,200万ドル（前年同期比6%増）
クラウド売上高: 5億6,290万ドル（前年同期比13%増）
GAAP営業利益: 1億6,080万ドル（前年同期比14%増）、営業利益率22.0%
Non-GAAP営業利益: 2億3,090万ドル（前年同期比5%増）、営業利益率31.5%
GAAP希薄化後EPS: 2.29ドル（前年同期比23%増）
Non-GAAP希薄化後EPS: 3.18ドル（前年同期比10%増）
営業活動による純現金収入: 1億9,050万ドル（前年同期比20%増）

これらの数値は、同社の事業が堅調に成長していることを示しています。

AIファースト戦略とCognigy買収が成長を牽引

NiCEのCEOであるスコット・ラッセル氏は、「第3四半期は非常に好調に推移した」と述べ、その要因として「AIファースト戦略の継続的な実行と卓越した市場展開の成果」を挙げています。特に、CX AIおよびセルフサービス事業の強い勢いがクラウド売上高の成長を支えているとのことです。

また、会話型およびエージェント型AIの市場リーダーであるCognigyの買収を完了したことも、今回の発表の重要な要素です。ラッセル氏は、Cognigyの統合が持続的なオーガニック成長をさらに強化するとし、NiCEのCXoneプラットフォームがAI、コンテキストに基づくエンゲージメントデータ、そして自動化を統合したリアルタイムプラットフォームを提供することで、顧客体験における可能性を再定義していると強調しています。

AI Workstyle Lab編集部より

NiCEの好調な業績は、AIがビジネスにおいて具体的な成果を生み出している現状を明確に示しています。特に注目すべきは、AIを活用した顧客体験（CX）の強化とセルフサービス事業の拡大です。

会話型AIやエージェント型AIは、コンタクトセンター業務の効率化だけでなく、顧客からの問い合わせに対して迅速かつパーソナライズされた対応を可能にします。これにより、顧客満足度の向上とオペレーターの負担軽減を同時に実現できるでしょう。また、AIを組み込んだセルフサービスは、顧客が自己解決できる範囲を広げ、企業はリソースをより複雑な問題解決に集中させることが可能になります。

Cognigyの買収は、NiCEがこの分野でのリーダーシップをさらに強化しようとする明確な意思表示です。AIと自動化を組み合わせたリアルタイムプラットフォームは、企業が顧客との接点をより戦略的に管理し、データに基づいた意思決定を促進するための強力なツールとなるはずです。ビジネスパーソンにとって、このようなAI技術の進化は、顧客対応の質を高め、業務プロセスを最適化する新たな機会を提供するといえるでしょう。

2025年通期見通しの上方修正

NiCEは、2025年通期のNon-GAAP売上高見通しを29億3,200万ドルから29億4,600万ドルの範囲に引き上げています。これは中間値で2024年通期に対し7%の成長となる見込みです。また、Non-GAAP完全希薄化後1株当たり利益（EPS）の見通しも12.18ドルから12.32ドルの範囲に更新しており、中間値で2024年通期に対し10%の成長となる見込みです。

これらの更新された見通しには、Cognigyの買収日以降から年末までの予想業績が含まれています。

NiCEについて

NiCE（NASDAQ: NICE）は、「人を第一に考えるAI」を通じて世界を変革することを目指している企業です。AIを搭載したプラットフォームは、顧客とのやり取りを先を見越した安全で賢い行動へと自動化し、個人や組織が新たな発想で行動を起こせるよう支援しています。NiCEのプラットフォームは、150か国以上の組織から信頼されており、幅広い業界で採用されています。