ディープテックで未来を拓く「J-TECH STARTUP 2025」認定企業が決定
一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ(TEP)は、ディープテック分野のシード・アーリー期のスタートアップ4社を「J-TECH STARTUP 2025」に認定したことを発表しました。これに伴い、2026年2月24日には「第10回 J-TECH STARTUP SUMMIT」が開催されます。
AI Workstyle Lab編集部解説: ディープテックとは、科学的な発見に基づく先端技術を指し、AI、量子コンピュータ、バイオテクノロジーなど多岐にわたります。社会課題の解決に大きな影響を与える可能性を秘めており、私たちの働き方や生活を大きく変えることが期待されています。

成長著しいディープテック・スタートアップを支援するTEPの取り組み
TEPは2009年より、TX(つくばエクスプレス)沿線を中心にディープテック・スタートアップの支援を行っています。「J-TECH STARTUP」認定事業は2016年から毎年実施され、「事業の革新性」「経済的な発展」「社会的影響力」「事業の実行力」の4つの観点から評価が行われます。
過去9年間で61社を認定し、認定後の資金調達額は累計450億円超、新規雇用は累計556名に達していることが報告されています。
「J-TECH STARTUP 2025」認定企業4社を紹介
今回選出されたのは、ベンチャーキャピタルなどからの出資前の企業を対象としたシード枠から1社、出資を受け資本金3億円以下・従業員50名以下の企業を対象としたアーリー枠から3社の計4社です。AI医療機器、量子センサー、カーボンエネルギー、アグリテックなど、多様な技術分野のスタートアップが選ばれました。特に、株式会社カーボンクライオキャプチャーは「大学・研究機関発スタートアップ賞」を受賞しています。
【シード枠】
株式会社Type-I Technologies
量子科学技術研究開発機構(QST)で培われた(ナノ)量子センサー技術を基盤に、既存センサーでは到達できない高感度かつ微細なセンサー開発を目指しています。超高感度リキッドバイオプシーシステム(量子リキッドバイオプシー)の開発を通じて、健康長寿社会の実現に貢献するとしています。
AI Workstyle Lab編集部解説: ナノ量子センサーは、従来のセンサーでは検出困難な微細な変化を捉えることが可能です。これにより、例えば早期がん診断など、医療分野でのAIによるデータ解析の精度を飛躍的に向上させ、私たちの健康管理に新たな道を開く可能性があります。

【アーリー枠】
株式会社カーボンクライオキャプチャー
NIMSで開発された世界最安のCO2吸収除去材を活用し、経済合理性のあるCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage:二酸化炭素の回収・利用・貯留)技術を提供するテック企業です。東南アジアの高濃度CO2含有天然ガス田からのLNG生産、石炭やメタンからの水素製造、ビール製造等のバイオ発酵プロセスからのCO2回収と高純度化に利用できるプラントを開発し、有価物であるメタン、水素、CO2の安定提供に貢献し、これらの新たなバリューチェーン構築を目指しています。
AI Workstyle Lab編集部解説: CCUS技術は、地球温暖化対策の重要な柱の一つです。CO2回収・利用・貯留のプロセスを最適化するためにAIを活用することで、エネルギー効率の向上やコスト削減が期待でき、持続可能な社会の実現に大きく貢献するでしょう。

輝翠株式会社
2021年創業のアグリテックスタートアップ企業です。これまで自動化ソリューションが普及してこなかった屋外果樹農業分野を最初の貢献ターゲットとして、運搬や草刈りの軽労化に貢献するAIロボットを企画・製造・販売し、農業や建設分野で経営の持続性を支えています。社名の「輝翠(きすい)」には、農業や地方から輝く未来を創造するというミッションが込められています。
AI Workstyle Lab編集部解説: 農業分野におけるAIロボットの導入は、労働力不足の解消や生産性の向上に直結します。AIが作物の状態を分析し、最適な作業をロボットに指示することで、より効率的で精密な農業経営が可能となり、食料問題の解決にも寄与すると考えられます。
URL: https://kisui.ai/

株式会社CYBO
「細胞データでつくる未来」を掲げ、大量の細胞を精密に検査する細胞解析プラットフォームを開発するスタートアップです。細胞標本を高速に3Dデジタル化する装置「CYBO Scan」や、各種細胞標本を解析するAIソフトウェアを製品化しています。さまざまな現場ニーズに即した細胞解析AIソリューションを提案し、医療を起点に、食品や環境エネルギーなど多様な分野への応用を目指しています。
AI Workstyle Lab編集部解説: 細胞データをAIで解析することは、病気の早期発見や新薬開発の加速に不可欠です。高速3Dデジタル化とAIソフトウェアの組み合わせは、研究者の作業効率を向上させ、これまで見過ごされてきた細胞レベルでの微細な変化を捉えることを可能にし、医療診断や研究開発の質を大きく高めるでしょう。
URL: https://www.cybo.jp/

「第10回 J-TECH STARTUP SUMMIT」開催概要
認定企業の事業プレゼンやパネルディスカッションが行われる「第10回 J-TECH STARTUP SUMMIT」は、2026年2月24日(火)にTokyo Innovation Base(有楽町)で開催されます。
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日時: 2026年2月24日(火)14:00~17:30(ブース・デモンストレーション&ネットワーキング~17:30)
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会場: Tokyo Innovation Base (Sushi Tech Square2階)
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東京都千代田区丸の内3-8-3
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JR山手線・京浜東北線「有楽町駅」京橋口より徒歩1分
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東京メトロ有楽町線「有楽町駅」D9出口すぐ
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東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」1出口より徒歩3分
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主催: 一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ
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共催: 一般社団法人日本能率協会
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参加申込: リアル開催(事前のチケット申込が必要)
イベントでは、認定企業によるプレゼンテーションに加え、「大学・国研発スタートアップの持続発展的成長を目指して」をテーマとしたパネルディスカッションが予定されています。
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登壇者:
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古川保典様(株式会社オキサイド 代表取締役会長)
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神長 輝一 様(株式会社Type-I Technologies 代表取締役)
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一ノ瀬 泉様(株式会社カーボンクライオキャプチャー 代表取締役)
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尾﨑 典明(一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ 副代表理事)
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本イベントは、起業を目指す方、技術系スタートアップ、ディープテック領域の研究者、投資家など、幅広い層にとって貴重な機会となるでしょう。
AI Workstyle Lab編集部解説: リアル開催でのネットワーキングは、新たなビジネスチャンスや共同研究の可能性を探る上で非常に有効です。直接企業とコミュニケーションを取ることで、技術の理解を深め、将来の協業に繋がる具体的な一歩を踏み出すことができるでしょう。
ディープテック支援の加速とTEPの役割
ディープテック分野は、AI、宇宙技術、ロボティクス、量子コンピュータ、バイオテクノロジー、クリーンエネルギー、ナノテクノロジーなど多岐にわたり、近年世界的に成長が著しい領域です。日本政府も2023年度から「ディープテック・スタートアップ支援事業」を開始し、総額1000億円規模の支援を行うなど、育成に力を入れています。
TEPは、政府の動きに先駆けて2009年よりディープテックに特化した支援活動を継続してきました。スタートアップ、大学・研究機関、地域行政、大企業、投資家、メンターなど、多様なステークホルダーとのネットワークを構築し、日本有数のディープテックエコシステムの構築に貢献しています。

AI Workstyle Lab編集部解説: ディープテックは、長期的な視点と多額の投資が必要な分野です。政府やTEPのような支援組織がエコシステムを構築し、スタートアップを多角的にサポートすることは、日本のイノベーションを加速させ、国際競争力を高める上で不可欠です。AI技術の進化がディープテックの発展をさらに後押しし、未来の社会を形成する重要な要素となるでしょう。
まとめ
「J-TECH STARTUP 2025」に認定された4社のディープテック企業は、それぞれの分野で革新的な技術を展開し、未来の社会課題解決に貢献することが期待されます。2026年2月24日に開催される「第10回 J-TECH STARTUP SUMMIT」は、これらの有望なスタートアップと直接触れ合い、ディープテックの最前線を体感できる貴重な機会です。ご興味のある方は、ぜひ会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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