小中高生クリエータ支援プログラム『未踏ジュニア』、2025年度スーパークリエータ認定者を発表
一般社団法人未踏は、小中高生クリエータを対象とした支援プログラム『未踏ジュニア』において、2025年度スーパークリエータ認定者14名を発表しました。このプログラムは、独創的なアイデアと卓越した技術を持つ17歳以下の若い才能を支援することを目的としています。

未踏ジュニアの背景と成果
プログラミング教育の普及に伴い、IT技術への高い関心と技能を持つ若い世代が増加しています。このようなクリエータを支援し、活躍の場を提供することは、社会にとって大きな価値があります。経済産業省所管の情報処理推進機構(IPA)が運営する「未踏IT人材発掘・育成事業」は、25歳未満を対象に多くの起業家や研究者を輩出してきましたが、小中高生が提案書を洗練させる機会が少ないという課題がありました。
この課題に対し、一般社団法人未踏は2016年に『未踏ジュニア』を立ち上げ、17歳以下の若いクリエータを支援しています。これまでに120件以上のプロジェクト、150名以上のクリエータを採択・支援してきました。2018年以降は毎年100件以上の応募が続いており、若い才能の発掘と育成に貢献しています。

2025年度の採択プロジェクトとスーパークリエータ認定
2025年度の未踏ジュニアでは、143件の応募の中から15プロジェクトが採択され、約6ヶ月間にわたる支援が実施されました。その成果を発表する「成果報告会」が11月3日にGMO Yours・フクラスで開催され、特に顕著な成果を上げた14名のクリエータが『未踏ジュニアスーパークリエータ』として認定されました。採択倍率は9.53倍に上り、高い競争率の中で選ばれたプロジェクトの質の高さが伺えます。
注目すべきスーパークリエータ認定プロジェクト
AI Workstyle Lab編集部では、特にAIを活用したプロジェクトに注目しました。これらのプロジェクトは、AIが私たちの仕事や生活にどのように役立つか、その可能性を示唆しています。
UmiNavi — 個人開発者のための水中ドローン向け自己位置推定システム
松本 慎太郎氏による「UmiNavi」は、水中ドローン向けの自己位置推定システムです。水中での正確な位置把握は、ドローンの自律的な運用やデータ収集において不可欠な技術であり、将来的な水中インフラ点検や海洋調査など、様々な分野での活用が期待されます。

Fudey – Sensory Calligraphy
三田村 美桜氏の「Fudey」は、書道を「見るだけではない、感じて学ぶ」新しい体験を提供するプロジェクトです。デジタル技術と伝統文化の融合は、学習方法に新たな可能性をもたらします。

おしゃべりなタスクボード – アナログ的な操作で子供の自己管理を補助できる、忘れ防止装置
久保 晃市氏が開発した「おしゃべりなタスクボード」は、アナログ的な操作で子供の自己管理を助ける忘れ防止装置です。デジタル管理に不慣れな層でも直感的に利用できる工夫が凝らされています。

Mathmosis – 数学学習支援AIを搭載したタブレット向けアプリ
南 大地氏の「Mathmosis」は、数学学習支援AIを搭載したタブレット向けアプリです。AIがユーザーの解答を分析し、個別最適化されたフィードバックを提供することで、学習効率の向上が期待できます。
AI Workstyle Lab編集部解説:AIによる個別学習支援は、教育分野におけるAI活用の典型例です。生徒一人ひとりの理解度や学習スタイルに合わせたサポートは、従来の教育では難しかったパーソナライズされた学習環境を実現します。これにより、数学だけでなく多様な分野で、より効率的かつ効果的な学習が可能になるでしょう。AIは、学習者の「わからない」を「わかった!」に変える強力なパートナーとなり得ます。

Paper CAD – ミニチュア建物を簡単に設計するための2D/3D統合CAD
宮崎 航大氏の「Paper CAD」は、ミニチュア建物を簡単に設計できる2D/3D統合CADソフトウェアです。複雑な設計作業を簡素化し、ものづくりの敷居を下げる可能性を秘めています。

S.M.S.|太陽集光変換ユニット:電力・熱・光の屋内伝送システム
加藤 正宗氏の「S.M.S.」は、太陽集光変換ユニットによる電力・熱・光の屋内伝送システムです。再生可能エネルギーの効率的な利用は、持続可能な社会の実現に貢献します。

Gen5 – 自然言語とGUIの融合による柔軟な画像編集エディタ
船橋 一汰氏と中村 承太郎氏による「Gen5」は、自然言語とGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を融合させた画像編集エディタです。テキスト指示で画像を編集できるため、直感的で効率的な作業が可能です。
AI Workstyle Lab編集部解説:自然言語処理(NLP)とGUIの融合は、ユーザーインターフェースデザインの未来を拓くものです。複雑な操作を言葉で指示できるようになることで、専門知識がない人でも高度なクリエイティブ作業が可能になります。これはデザイン、マーケティング、コンテンツ制作など、多岐にわたる仕事の現場で生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。AIが人間の意図をより深く理解し、作業を代行する未来は、すでに始まっていると言えるでしょう。

人工心臓に応用するためのシンクロナスリラクタンスモーターの開発
張 契洙氏のプロジェクトは、人工心臓に応用するためのシンクロナスリラクタンスモーターの開発です。医療分野における革新的な技術開発は、人々の命を救う可能性を秘めています。

aikyo – 相互につながるAIキャラクターを作成するバックエンドフレームワーク
野田 蒼馬氏と安田 陽真氏による「aikyo」は、相互につながるAIキャラクターを作成するためのバックエンドフレームワークです。バーチャルキャラクター開発の基盤となる技術であり、エンターテインメントやコミュニケーション分野での応用が期待されます。
AI Workstyle Lab編集部解説:AIキャラクターは、顧客対応、教育、エンターテインメントなど、様々なビジネスシーンで活用が進んでいます。このフレームワークは、AIキャラクター同士が連携し、より複雑で人間らしい対話や行動を可能にする基盤を提供します。これにより、AIが単なるツールではなく、自律的なパートナーとして機能する未来が近づいています。AIキャラクターを効果的に業務に組み込むことで、企業は顧客体験の向上や業務効率化を実現できるでしょう。

TalkBoost – 吃音者の発話の自発性を促進し、積極的に話すことを支援するアプリ
後藤 潤樹氏の「TalkBoost」は、吃音者の発話の自発性を促進し、積極的に話すことを支援するアプリです。コミュニケーションの課題を技術で解決しようとする試みは、社会的な包摂性を高める上で非常に重要です。
AI Workstyle Lab編集部解説:AIは、個人の特性や課題に寄り添い、生活の質を向上させる支援技術としての側面も持っています。このアプリは、音声認識や分析技術を活用し、吃音を持つ方々のコミュニケーションをサポートします。このようなAIの活用は、多様な人々が社会で活躍できる環境を整えるために不可欠であり、ビジネスにおけるダイバーシティ&インクルージョン推進にも繋がる視点と言えるでしょう。

KIGO -ろう者と健常者の間の心理的な壁を越える装置-
山下 桃子氏の「KIGO」は、ろう者と健常者の間の心理的な壁を越える装置です。コミュニケーションの障壁を取り除くための技術は、共生社会の実現に向けた重要な一歩となります。

Neureka! – 教材生成とAI学習パートナーによる理解支援サービス
大平 直輝氏の「Neureka!」は、教材生成とAI学習パートナーによる理解支援サービスです。AIが学習コンテンツを生成し、個別の学習パートナーとして機能することで、よりパーソナルな学習体験を提供します。
AI Workstyle Lab編集部解説:AIによる教材生成は、教育コンテンツ作成の時間とコストを大幅に削減し、常に最新の情報に基づいた学習を提供することを可能にします。また、AI学習パートナーは、生徒の質問に即座に答え、理解度を深める手助けをします。これは、教育現場における教師の負担軽減だけでなく、生涯学習や企業内研修など、あらゆる学習機会においてAIが果たす役割の大きさを示しています。AIは、知識習得の効率を最大化する強力なツールとなるでしょう。

上記以外にも、以下のような優れたプロジェクトがスーパークリエータに認定されています。
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三田村 美桜氏:Fudey – Sensory Calligraphy
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船橋 一汰氏 / 中村 承太郎氏:Gen5 – 自然言語とGUIの融合による柔軟な画像編集エディタ
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野田 蒼馬氏 / 安田 陽真氏:aikyo – 相互につながるAIキャラクターを作成するバックエンドフレームワーク
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山下 桃子氏:KIGO -ろう者と健常者の間の心理的な壁を越える装置-
各プロジェクトの詳細については、未踏ジュニアのWebサイトから確認できます。成果報告会の様子は、公式YouTubeチャンネルやWebサイトでも公開されています。
未踏ジュニアの未来と次年度の募集
未踏ジュニアは、若いクリエータたちが技術とアイデアを形にする貴重な機会を提供しています。2026年度の未踏ジュニアは、2026年3月10日ごろの「未踏の日」に募集が開始される予定です。応募を検討している方は、事前に『応募の手引き』を確認することをお勧めします。
AI Workstyle Lab編集部解説:これらの若い才能が開発するプロジェクトは、未来のAI技術の方向性を示唆しています。小中高生のうちからこのような実践的な開発経験を積むことは、将来AIエンジニアや研究者として活躍するための大きなアドバンテージとなるでしょう。AIを仕事で活用したいと考える方々にとっても、これらの若きクリエータたちの発想や技術は、新たなインスピレーションを与えてくれるはずです。未来のイノベーションを担う彼らの活躍に、引き続き注目していきたいです。
一般社団法人未踏について
一般社団法人未踏は、経済産業省所管の情報処理推進機構(IPA)が運営する未踏事業の修了生を中心に設立されました。創造的人材を多角的に支援し、業界横断的なネットワークを構築することで、ITを中心としたイノベーションを加速させることを目的に活動しています。

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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

