リーガルテック、半導体R&Dの「未発明領域」を可視化するAIプラットフォーム「IPGenius」を提供開始

背景：R&D現場の課題とAIによる解決
活用事例：AIが研究ノート・議事録を横断解析し、技術の核心を抽出
AI IPGeniusの主な特徴
AI Workstyle Lab編集部の解説
活用効果：研究現場にもたらす変革
今後の展開

背景：R&D現場の課題とAIによる解決

製造業の研究開発現場では、研究ノート、試作ログ、会議資料、実験レポートなど、多種多様な非構造データが日々蓄積されています。しかし、これらの資料を横断的に参照する作業は高い負荷を伴い、担当者によって把握範囲が異なるケースも少なくありません。また、過去の成果物から技術的示唆や発明の種を抽出する作業は時間を要し、属人化（特定の個人に業務が集中し、他の人が内容を把握しにくい状態）の課題が指摘されることもあります。こうした状況に対し、社内データを安全に解析し、技術情報を体系的に整理できる環境の必要性が高まっていました。

活用事例：AIが研究ノート・議事録を横断解析し、技術の核心を抽出

半導体メーカー（企業名非公開）の研究開発部門では、「AI IPGenius on IDX」を活用し、研究ノート、会議議事録、試作ログ、過去の技術資料を投入しました。AI IPGeniusはこれらの資料を横断的に解析し、以下のような情報を整理しました。

技術的な改善点
新規性があり得るポイント
類似テーマとの構造的つながり
過去の検証結果との関係性

研究者は抽出された論点を起点に議論を行い、テーマの検討や既存資料の再整理に役立てました。また、抽出データを同社の「MyTokkyo.Ai」と連携させ、類似技術を即時に検索できる体制を構築した点も、運用面で効果があったとされています。

AI IPGeniusの主な特徴

「AI IPGenius」は、研究開発の効率化を支援する複数の機能を備えています。

非構造データ解析: 研究ノート、技術メモ、実験レポート、過去議事録などの非構造データを一括して処理し、技術的要点を抽出します。
技術ポイント抽出: 課題・解決手段・効果といった観点から技術要素を整理し、発明候補の検討を支援します。
類似技術検索: MyTokkyo.Aiと連携することで、抽出された技術要素をもとに、関連技術をスムーズに検索できます。
共有ファイル解析: 複数ファイルを同時に選択し、AIに対して横断的な質問が可能です。チーム間で共有された資料の把握にも利用できます。

AI Workstyle Lab編集部の解説

AIが研究開発の現場でどのように役立つのか、今回の事例から具体的なイメージが掴めたのではないでしょうか。特に注目すべきは、研究ノートや議事録といった「非構造データ」をAIが解析し、そこから技術的な示唆や発明のヒントを抽出する点です。これまで人間の手作業では膨大な時間と労力がかかっていた作業が、AIの力で劇的に効率化されます。これにより、研究者はデータ探索にかける時間を削減し、より本質的な「考える」作業に集中できるようになります。また、AIが客観的に情報を整理することで、属人化の解消や部門間のナレッジ共有も促進され、組織全体の研究開発力が向上する可能性を秘めています。AIは単なるツールではなく、研究者の強力なパートナーとして、新たな発見やイノベーションを加速させる存在となるでしょう。