CIOの役割と求められるスキルの変化
AI活用の拡大に伴い、CIOに求められるスキルセットも大きく変化しています。技術的専門性は引き続き重要ですが、AI導入を組織に定着させるためには、リーダーシップ、ストーリーテリング、チェンジマネジメントといったスキルが不可欠です。実際、94%のCIOが、AI利用を拡大させるためにスキルの拡張が必要だと回答しています。
CIOの役割は、従来の「技術基盤の準備」にとどまらず、「組織全体の変革の推進」へと広がっています。経営陣の意見をまとめ、導入戦略を策定し、AIを日常業務に組み込む役割を担うようになってきているのです。
技術面での優先事項も変化しており、昨年はデータクリーンアップやガバナンスが中心でしたが、今年は自律型ワークフローの構築、基幹プラットフォームへのAI統合、AIの安全な拡大に注力しています。
顧客接点部門との連携強化と具体的な成果
CIOは、顧客接点部門、特にサービス部門と連携する時間を増やしています。これは、AIエージェントがすでに測定可能な成果を生み出しているためです。データとセキュリティの懸念を踏まえ、CIOはAI投資を安全かつ責任ある形で拡大させるために、信頼できるプラットフォームや統合システムへの依存を強めています。
SalesforceのCIO、ダニエル・シュミット氏は、「CIOはAIに対する期待を行動へと移し、自律型AIを組織の中で現実的かつ測定可能な形で拡大させています。業務の流れにAIを組み込み、あらゆるステップに信頼を築くことが、より速く、より自信をもって前進する力になるのです」と述べています。
事例紹介
-
デブライ大学(DeVry University):オンプレミスから信頼できるSaaSプラットフォームへの移行により、自律型AIを迅速に活用。SalesforceのAIエージェントを学業指導や学生支援の業務フローに組み込むことで、インフラ刷新だけでなく、同僚の勤務時間を年間500時間以上削減する成果を上げています。詳細はデブライ大学の事例(英語)をご覧ください。
-
Adobe Population Health:Agentforceを臨床業務の流れに組み込むことで、年間100万ドル以上の時間を削減し、医療チームに何千時間もの時間を取り戻すことに成功しています。Adobe Population HealthのCIO、アレックス・ワデル氏は、「これこそが自律型AIがもたらす本当の価値です。システムを増やすことではなく、人のための時間を生み出すことなのです」とコメントしています。詳細はAdobe Population Healthの事例(英語)をご覧ください。
調査結果の詳細
CIOはためらいの段階から実装の段階へと移行
-
昨年、CIOの43%が「自社はAIで競合より先行している」と感じていましたが、今年は61%に増加しています。
-
AIの全社的な導入は2024年以降282%(11%から42%)増加しています。
-
AI予算はほぼ倍増しており、CIOはそのうち30%を自律型AIに充てていると回答しています。
-
また、CIOの96%が、自社では現在すでに自律型AIを利用している、もしくは今後2年以内に利用する予定があると回答しています。
企業全体でAIに対する自信が向上
-
CIOの75%が、1年前と比べて現在の自分の役割により自信を持っていると回答しています。
-
CIOの97%が、1年前よりAIについて理解が深まったと回答しています。
-
CIOは、自社が2024年と比べて、今年はさまざまなAI要素で大きく改善していると評価しており、その内容には以下が含まれます:
-
従業員のスキルセットの向上(+43%)
-
AIの成功指標/KPIを特定する能力の向上(+33%)
-
CIOは単なる技術リーダーではなく、変革のリーダーとして台頭
- CIOは、自律型AIの導入によって自身の役割と重要性が高まった結果、他の経営幹部よりもCEOと最も緊密に連携していると回答しています。

-
また、CIOの94%が、AIエージェントの活用により自身のスキルセットを拡張する必要性が高まったと回答しています。
-
CIOは職場で、従来想定されていなかったスキルの習得にも取り組んでおり、特にハードスキルよりソフトスキルの強化に注力しています。
-
自律型AIへの備えとしてCIOが向上させた主なスキルは以下のとおりです:
-
61%のCIOが、リーダーシップスキルを向上させています。
-
57%のCIOが、ストーリーテリングおよびナラティブ構築のスキルを向上させています。
-
55%のCIOが、チェンジマネジメントおよびコミュニケーションスキルを向上させています。
-
サービス部門がAI実証の場に
- CIOの65%が、自律型AIの導入により顧客サービス部門とこれまで以上に緊密に連携していると回答しており、これは他のどの部門よりも高い割合です。

- CIOは、自律型AIにおいて、最も優れたユースケースを持ち、最も熱意が高く、最も準備が整っており、最も導入が進んでいる部門として、顧客サービスを第1位に挙げています。

- この結果はSalesforceの最新のエージェンティック エンタープライズ インデックスと一致しています。Agentforceの利用データによると、2025年上半期においてAIエージェントが主導した顧客サービスでの対応件数は平均で22倍に増加しています。
組織におけるAIの拡大に不可欠な部門横断連携と、依然として残るギャップ
-
81%のCIOが、AIエージェントの導入により、人事、財務、営業などの他部門とこれまで以上に緊密に連携する必要性が高まったと回答していますが、現在それを実行できているのは半数未満です。
-
93%のCIOが、職場におけるAIエージェントの成功には、日々の業務の流れに統合されていることが不可欠だと回答しています。
-
61%のCIOが、既に利用している信頼できるベンダーへの投資を優先すると回答しており、APACのライフサイエンス業界に絞ると、「AI関連技術を広範なテクノロジーエコシステムに適切に統合すること」がAIエージェントの世界で必要とされる重要な進歩だとされています。
最大のボトルネックとして残るデータへの信頼
-
自社におけるAIに関する最大の懸念はデータセキュリティとプライバシーであり、それに次いで信頼できるデータの不足が挙げられています。
-
しかし、自律型AIの導入によりチーフデータオフィサーとより緊密に連携していると回答したCIOは35%にとどまり、IT予算のうちデータセキュリティに充てられているのはわずか14%です。
-
また、データガバナンスが組み込まれたAIの投資に対して、完全に自信を持っているCIOは、わずか23%に過ぎません。

詳細情報として、今年の調査結果のインサイトを昨年の結果と比較するには、こちら(英語)をご参照ください。
Salesforceについて
Salesforceは、あらゆる規模の企業がエージェンティック エンタープライズへと変革することを支援する企業です。人とAIエージェント、アプリケーション、データを信頼性の高い単一のプラットフォームへ統合することで、これまでにない成長とイノベーションを実現しています。詳細はsalesforce.com/jpをご覧ください。Salesforceのコーポレートサイトにある「ニュース&インサイト」では、日本向けの最新情報が紹介されています。詳細はsalesforce.com/jp/news/をご覧ください。
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回の調査結果は、AIが単なる技術検証の段階から、企業全体の変革を推進するフェーズへと移行していることを明確に示しています。特に、CIOにリーダーシップやチェンジマネジメントといったソフトスキルが求められるようになった点は注目に値します。AIエージェントの活用が顧客サービス部門で顕著な成果を上げているように、今後は各部門がAIを日常業務に深く統合し、具体的なビジネスインパクトを生み出すことが期待されます。信頼できるデータ基盤の構築と部門横断的な連携を強化することが、AIによる収益向上や効率化を実現する上で不可欠となるでしょう。
ChatGPTなどの生成AIを使いこなして、仕事・収入・時間の安定につながるスキルを身につけませんか?
AI Workstyle LabのAIニュースをチェックしているあなたは、すでに一歩リードしている側です。あとは、 実務で使える生成AIスキルを身につければ、「知っている」から「成果を出せる」状態へ一気に飛べます。
講師:栗須俊勝(AI総研)
30社以上にAI研修・業務効率化支援を提供。“大阪の生成AIハカセ”として企業DXを牽引しています。
- 日々の業務を30〜70%時短する、実務直結の生成AI活用法を体系的に学べる
- 副業・本業どちらにも活かせる、AI時代の「稼ぐためのスキルセット」を習得
- 文章・画像・資料作成など、仕事も趣味もラクになる汎用的なAIスキルが身につく
ニュースを読むだけで終わらせず、
「明日から成果が変わるAIスキル」を一緒に身につけましょう。
無料セミナー参加者限定|生成AI活用に役立つ12個の特典を見る
- 特典01|業務効率化プロンプト集50選
業務でそのまま使えるプロンプトを50個厳選し、日々のタスクを一気に効率化できます。 - 特典02|爆速で学ぶ!ChatGPT実践ワークブック
ChatGPTを仕事に落とし込む具体テクニックをワーク形式で習得できます。 - 特典03|シングルライン(一行)プロンプティング習得ガイド
一行でAIの性能を引き出す“効くプロンプト”の使い方が短時間で理解できます。 - 特典04|たった1行で成果を出すシングルライン実例集
実務で使われている一行プロンプトの成功例を多数収録しています。 - 特典05|ChatGPTで仕事が変わる!最強の実践ガイド
AI時代の「ラクして成果を出す」働き方を体系的に学べる一冊。 - 特典06|プロンプト改善キラーテクニック大全
回答を“神回答”に変える改善テクニックをまとめています。 - 特典07|この一冊で丸わかり AI業務効率化ガイド
業務をどこまでAIに任せるかが一目でわかる自動化ガイド。 - 特典08|ChatGPTで激変する 問題解決の新常識
思考・企画・リスク整理など、問題解決にAIを使う方法を解説。 - 特典09|仕事も趣味も丸投げ!汎用プロンプト大全
どんな場面でも使える万能プロンプト集を多数収録。 - 特典10|AI導入チェックリスト 業務改革編
AI導入で押さえるべき重要ポイントを簡潔にまとめています。 - 特典11|AIビジネススタートガイド
AIを活用した小さなビジネスの始め方をステップ形式で解説。 - 特典12|ChatGPT トラブル解決の極意
AI活用時のトラブルを素早く解決する具体策をまとめています。
「AIニュースは追っているけど、何から学べばいいか分からない…」 そんな初心者向けに、編集部が本当におすすめできる無料AIセミナーを厳選しました。
- 完全無料で参加できるAIセミナーだけを厳選
- ChatGPT・Geminiを基礎から体系的に学べる
- 比較しやすく、あなたに合う講座が一目で分かる
本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

