日本の岡山大学とタイのタマサート大学医学部が、AI（人工知能）医療機器開発における国際連携を強化しています。これは、先進的な医療技術の普及と、より良いヘルスケアシステムの構築を目指す、国境を越えた画期的な取り組みです。AI Workstyle Lab編集部としても、このような国際的な協力が、医療分野におけるAI活用の可能性を大きく広げると注目しています。
世界を視野に入れた岡山大学の医療イノベーション
国立大学法人岡山大学は、地域の中核を担うだけでなく、グローバルな視点での研究活動を推進しています。文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業（J-PEAKS）」に採択されるなど、その研究力は国内外で高く評価されています。特に医療分野においては、SDGs（持続可能な開発目標）への貢献を意識し、イノベーション創出に力を入れている点が特筆されます。
同大学が展開するBIZENプログラムは、大学の研究成果と産業界の技術力を結びつけ、新たな医療機器を生み出すためのオープンイノベーションプログラムです。このプログラムは、医療現場のニーズに応える革新的な製品開発を加速させることを目的としています。
- 岡山大学病院: https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
- BIZENプログラム: http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/bizen/
タイ・タマサート大学医学部との連携強化
2025年9月9日、岡山大学病院の内田大輔准教授（特任）をリーダーとする訪問団が、タイのバンコク近郊に位置するタマサート大学医学部を訪問しました。タマサート大学は1934年設立の歴史ある国立大学で、国際的な研究・教育活動に積極的な姿勢を見せています。今回の訪問は、両大学間の協力関係をさらに深める重要な機会となりました。
訪問中、タマサート大学の研究・イノベーション担当副学部長であるThipaporn Tharavanij教授をはじめとする教員から、同大学の研究や技術革新に関する取り組みが紹介されました。これに対し、岡山大学側からはBIZENプログラムや医療機器開発の活動が説明され、さらに参加企業からはAIを活用した診断支援システムなどの先端医療技術が披露されました。
AI Workstyle Lab編集部では、AIを活用した診断支援システムが、医師の診断能力を補完し、より迅速かつ正確な意思決定を支援する重要なツールとなると考えています。今回の意見交換では、具体的な技術協力の可能性についても活発な議論が交わされ、未来の医療現場におけるAIの役割が具体的に検討されたことは、今後の展開に大きな期待を抱かせます。
国境を越えたオープンイノベーションが医療の未来を共創
この国際連携は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）が支援する「令和6年度優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点強化事業」の一環として実現しました。AMEDは日本の医療研究開発を推進する国の機関であり、その支援のもと、オルバヘルスケアホールディングス株式会社およびタイオルバヘルスケア株式会社といった企業も協力しています。この産学官連携の枠組みは、国境を越えたオープンイノベーションを推進する模範的な事例と言えるでしょう。
今後の展望とAI医療機器の可能性
今回の意見交換を通じて、両大学間の友好と信頼関係は一層深まりました。今後、以下の具体的な取り組みが期待されています。
- 共同研究や技術協力のテーマ検討
- 学術交流プログラムの展開
- 医療機器開発やデジタルヘルス分野でのさらなる連携
これらの取り組みが実を結べば、タイの医療現場に日本の先端技術が導入され、現地の患者さんの治療に貢献するとともに、日本にとっても新たな医療機器開発の知見や市場が広がる可能性があります。AI医療機器は、国境を越えて病と闘う大きな力となり、より多くの人々に質の高い医療を届けるための鍵となるでしょう。
岡山大学は「地域中核・特色ある研究大学」として、また岡山大学病院はその医療拠点として、地域そして世界の健康と福祉に貢献し続けています。今回のタイ・タマサート大学医学部との連携は、その活動が国際的な広がりを見せている証です。AI Workstyle Lab編集部としても、AI医療機器がもたらす革新が、より多くの人々に届く日を心から楽しみにしています。
関連リンク
- 岡山大学: https://www.okayama-u.ac.jp/
- タマサート大学（英語）: https://tu.ac.th/en
- 岡山大学病院新医療研究開発センター: https://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/
- 岡山大学研究・イノベーション共創機構: https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
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