AIがセキュリティ運用を変える：FastTriage 400社突破が示す、人材不足時代の新たな解決策

AIによるSOC運用支援サービス「FastTriage」β版が導入実績400社を突破

株式会社サイバーセキュリティ総研は、SOC（Security Operation Center）運用のためのAIエージェント「FastTriage」のβ版が、2025年12月18日時点で導入実績400社を突破したことを発表しました。このサービスは、セキュリティ人材不足の解消とアラート対応時間の大幅な削減を目指しています。

背景：サイバー攻撃の高度化と深刻なセキュリティ人材不足

近年、サイバー攻撃は巧妙化・高度化しており、EDR（Endpoint Detection and Response）などのセキュリティ製品の導入が進んでいます。しかし、これらの製品から日々発報される大量のアラートの分析・対応には高度な専門知識が求められ、多くの企業で以下の課題が顕在化しています。

• セキュリティ専門人材の不足: 情報システム部門の担当者がセキュリティ運用を兼務するケースが多く、専門知識が不足しがちです。

• アラート疲れ: 大量のアラートに対応しきれず、重要な脅威を見逃すリスクがあります。

• 対応の遅延: 一次分析に時間がかかり、インシデント対応が遅れることがあります。

このような状況から、セキュリティ運用の効率化と高度化を両立させるソリューションが強く求められていました。

サービス概要：「FastTriage」とは

「FastTriage」は、EDRをはじめとするセキュリティ製品が検知したアラートを、AIが自動的に分析・解説するSOC運用支援サービスです。主な特長は以下の通りです。

1. 専門知識不要のわかりやすい解説: セキュリティ運用経験がない情報システム担当者でも理解できるよう、検知されたアラートの内容を平易な言葉で解説します。「何が起きたのか」「どの程度危険なのか」を即座に把握できます。
2. 具体的な対応手順の提示: アラートごとに「今すぐ行うべき対応」を優先順位とともに提示します。これにより、初動対応の迷いを排除し、迅速なインシデント対応を実現します。
3. 一次分析の自動化による時間削減: 従来、SOC運用監視担当者が手動で行っていた一次分析とレポート作成をAIが代替します。検知後すぐに解析結果が確認でき、インシデントアラートへの対応時間を削減します。

今後の展開：機能拡張とサービス強化

株式会社サイバーセキュリティ総研は、今後以下の機能開発を進め、より包括的なセキュリティ運用支援サービスへと進化させていく予定です。

• 対応製品の拡大: 多様なEDR製品、SASE・ファイアウォールなどのネットワークセキュリティ製品、IDS/IPS認証基盤（Active Directory、IDaaSなど）のログ連携に対応します。

• 相関分析の高度化: 複数のセキュリティ製品からのアラートを横断的に分析し、複合的な脅威を検知します。

• 自動処置機能の実装: 緊急度が高いインシデントについては、事前に設定したポリシーに基づき、AIが自動的に初動対応（隔離、通信遮断など）を実行します。

会社概要

• 社名: 株式会社サイバーセキュリティ総研

• 代表者: 代表取締役 山口 啓

• 所在地: 福岡県福岡市中央区大名２丁目６−１１ FUKUOKA GROWTH NEXT内

• 設立: 2023年2月

• 事業内容: EDR運用監視サービス、SOC運用支援、セキュリティコンサルティング、AIによるセキュリティ運用自動化ソリューション

• 公式サイト: https://csri.co.jp

AI Workstyle Lab編集部コメント

「FastTriage」の導入400社突破は、セキュリティ運用におけるAIの貢献が現実のものとなっていることを明確に示しています。今後は、対応製品の拡大や相関分析の高度化、さらには自動処置機能の実装により、より広範なセキュリティ脅威への対応が期待されます。しかし、AIによる自動化が進む一方で、誤検知のリスク管理や、AIが判断できない複雑なインシデントへの最終的な人間の介入のあり方など、技術的・倫理的な課題も同時に深掘りしていく必要があります。人とAIが協調する、より安全なデジタル社会の構築に向けた今後の進化に注目しています。

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