SORACOM Fluxとは？カメラ・GPS連携でIoT自動化を推進する新テンプレートとAI活用を徹底解説

現場業務に直結する新テンプレートを拡充

今回のアプリテンプレートの拡充により、カメラ、GPS、ボタンといったデバイスと連携する多様なIoT自動化アプリケーションが手軽に構築可能になりました。

ソラカメ連携による動画解析と通知

新テンプレートの一つである「ソラカメで動画の解析と通知」は、ソラコムクラウドカメラサービス「ソラカメ」で取得した動画を生成AIで分析し、その結果に応じて通知を行う自動化アプリケーションを構築できます。静止画では捉えにくい状況も動画で前後の状況を含めて記録できるため、AIが分析に適したフレームを選択し、効率的な状況把握や検知を実現します。ソラカメを利用したテンプレートとしては、このほかにも「ソラカメで人数検知して可視化と通知」などが提供されています。

LTE-MボタンとGPSマルチユニット連携

SORACOM IoT ストアで提供されているリファレンスデバイスと連携するテンプレートも拡充されています。

• LTE-Mボタンでソラカメにリアルタイムアクセス: セルラー通信対応のボタンデバイスをシャッター代わりに使用し、撮影した画像を生成AIで分析して結果を通知する仕組みを構築できます。例えば、駐車場の利用状況を知りたい時にボタンを押すことで撮影し、AIに画像内の車両台数を分析させ、テキストで通知を受け取ることが可能です。

• GPSマルチユニットで位置情報を判定して通知: GPSデバイスから取得した位置情報をもとに、指定した座標から一定範囲の内外を判定し、その結果を通知するジオフェンシングのユースケースを実現します。位置情報から1kmメッシュの天気予報情報を取得して通知する「GPSマルチユニットでパーソナル天気予報」も提供されています。

高度な画像解析を実現する「バウンディングボックス」機能

SORACOM Fluxの新機能として、画像解析を伴う自動化をより高度化する「バウンディングボックス」機能が利用可能になりました。この機能では、画像内の特定のエリアを枠（バウンディングボックス）で指定し、その枠内のみをAIに分析させることができます。複数の枠の設定も可能で、カメラを活用した特定の棚の在庫推定や、特定エリアにおける人物検出など、より精度の高い画像解析システムを構築できます。

提供されるテンプレートの詳細

SORACOM Fluxでは、業務の自動化とSORACOMの運用支援に役立つ14種類のテンプレートが提供されています。これらは、IoTアプリケーションのワークフローを自動作成し、最小限のパラメーター設定で利用開始できます。

業務の自動化を支援するテンプレート

• 温湿度センサーから熱中症リスク計算し多言語でチャットにお知らせ

• ソラカメで人数検知して可視化と通知

• ソラカメで異常の検知と通知

• ソラカメで動画の解析と通知

• pingによるデバイス死活監視

• LTE-M ボタンでソラカメにリアルタイムアクセス

• RTSP対応カメラで人数検知して通知

• GPSマルチユニットでパーソナル天気予報

• GPSマルチユニットで位置情報を判定して通知

SORACOMの運用を支援するテンプレート

• IoT SIMデータ通信量の通知

• SAMユーザーMFAチェックアプリ

• IoTプラットフォームSORACOMの利用料金の通知

• ソラカメの定期スリープと定期起動

• ソラカメの画質設定を定期更新

• ソラコム利用料金の通知

SORACOM Fluxは、ユーザーからのフィードバックや最新の生成AIサービス動向を踏まえ、今後も機能アップデートを継続し、現場のデジタル化と自動化を推進していくとのことです。

関連リンク

• SORACOM IoT テンプレートギャラリー: https://iot-template-gallery.soracom.jp/

• SORACOM Fluxウェブサイト: https://soracom.jp/services/flux/

• SORACOM Fluxユーザーガイド: https://users.soracom.io/ja-jp/docs/flux/

• ソラコムコーポレートサイト: https://soracom.com

AI Workstyle Lab編集部コメント

今回のSORACOM Fluxのテンプレート拡充は、IoTとAIの融合が現場にもたらす具体的なビジネス価値を明確に示しています。プログラミング不要で高度な画像解析や位置情報に基づく自動化が可能になることで、製造業における品質管理、小売業での在庫管理、さらには物流での動態監視など、多岐にわたる領域で業務効率化とコスト削減に直結するでしょう。特に、生成AIによる動画解析は、これまで見過ごされがちだった現場の「気づき」をデータ化し、新たな改善サイクルを生み出す可能性を秘めていると分析しています。中小企業から大企業まで、現場主導でDXを推進する上で、非常に強力なツールとなり得ると考えられます。

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