AIと地域創生の融合:クオンとC&R社の提携が描く「関係人口」増加の未来

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AIとプロフェッショナルの融合で地域創生を加速

本提携は、クオンが保有するファンコミュニティ育成の国際特許技術と、C&R社の広範なプロフェッショナルネットワークおよび地域創生に関するノウハウを融合させることを目的としています。これにより、両社が共同で推進するAIファンコミュニティモール「JAPAN共創BASE りろかる」の事業を加速させ、地域創生における新たな価値創出を目指します。

近年、地方では人口減少や少子高齢化、地域社会の担い手不足が喫緊の課題となっています。このような背景から、地方への移住だけでなく、地域と多様に関わる「関係人口」の増加を促す施策が強化されています。今回の提携は、C&R社のプロデュース力や国際的イベントのプロジェクトマネジメント力と、クオンのAIファンコミュニティ構築・運営の知見を組み合わせることで、「関係人口」増加を通じた地域創生を実現することを目指しています。

参照:総務省令和7年版 地方財政白書|第3部 1 新たな地方創生の展開

各社の地域創生への取り組み

C&R社は、クリエイターをはじめとするプロフェッショナルの知見を活かし、地域の魅力発信や地域創生に貢献してきました。具体的には、長崎県の軍艦島ツアーの企画・プロデュース協力、福島県南相馬市の神事「相馬野馬追」のライブ配信企画・運営、2025年大阪・関西万博における「Resolution of LOCAL JAPAN展」の企画・運営支援など、多岐にわたる活動を展開しています。

一方、クオンは1996年の創業以来、累計300以上の企業や自治体のオンラインコミュニティを手がけてきました。ビッグデータ分析の国際特許を含む複数の特許技術とAI技術を駆使し、生活者との関係構築や課題解決を支援しています。茨城県鹿嶋市でのコミュニティでは、市民人口を超える65,485人が参加し(2025年9月時点)、参加者の意見が市の政策に反映される対話型の運営が続けられています。この取り組みにより、ふるさと納税額が3年で18倍に増加するなど、関係人口の声が経済的成果につながる好例として注目されています。

共同事業:AIファンコミュニティモール「JAPAN共創BASE りろかる」

C&R社とクオンは、共同事業として2025年10月にAIファンコミュニティモール「JAPAN共創BASE りろかる」をプレオープンしています。「りろかる」は、日本全国の生活者、プロフェッショナル、企業をつなぎ、日常的に地域とつながるファン(関係人口)を増加させるオンラインプラットフォームです。現在、8つの地方コミュニティと「りろかるの輪」コミュニティがあり、8.8万人以上が参加しています。コミュニティを開設した企業や団体は、生活者のデータ分析も行い、マーケティングに活用することが可能です。この取り組みは国内だけでなく、クオンが2024年8月に立ち上げた「日本、大好き!コミュニティ」とも連携し、タイ王国を皮切りにASEAN各国へ展開される予定です。

JAPAN共創BASE りろーかるのウェブサイト画面

「りろかる」には、北海道から九州までの全国8エリアのローカルコミュニティに加え、企業、団体、自治体のコミュニティ「りろかるの輪」が存在します。2025年12月15日時点での参加者数は8.8万人以上で、誰でも無料で参加し、好きな地域やプロフェッショナル、地元企業と交流できます。地元企業や団体、自治体は、月額37,500円(税抜/41,250円[税込])で小型コミュニティを開設でき、AIとの対話を通じて生活者との交流、ファン育成、データ分析が可能です。

サービス名「りろかる=Re:Local」には、「地域ともう一度つながる(Reconnect)」「魅力を見つけ直す(Rediscover)」「新しい価値を一緒につくる(Remix)」という3つの意味が込められています。地域とつながり、魅力を再発見し、未来につなぐ共創の拠点として、新しい地域創生が期待されています。

「りろかる」のコミュニティトップはこちらからご覧いただけます。
https://www.beach.jp/community/RELOCAL-JAPAN/index

各社のコメント

株式会社クリーク・アンド・リバー社の取締役 後藤野人氏は、日本の地域に眠る無数の物語や営みに光を当てるC&R社の活動と、クオンとの提携によるファンコミュニティ事業の加速について言及しました。AIを活用しつつも、主役は全国の一人ひとりであり、AIやファンコミュニティは人と人、地域と地域、企業と企業を結ぶ触媒となるとの信念を表明しています。

クオン株式会社の代表取締役 武田隆氏は、C&Rグループとの提携を大変心強く感じていると述べました。地域創生において、一時的な来訪や消費にとどまらない“関係人口”の育成が不可欠であるとし、C&R社のプロフェッショナルネットワークとプロデュース力、そしてクオンのAI・データ分析を活用したファンコミュニティ運営ノウハウが融合することで、「りろかる」が新しい社会インフラへと進化することに確信を示しています。

クオンの主要特許技術

クオンは、ファンコミュニティの構築と運用において、国際特許を含む複数のビッグデータ分析技術を10か国で保有しています。主な特許は以下の通りです。

    • SPFF(ファンの影響を解明)

      • 特許番号:第5600370号

      • 概要:ファンになった人々が過去に参加していたイベントを特定します。

    • VoI(影響を与える声)

      • 特許番号:第5815168号

      • 概要:ファン化に影響を与えた声を特定します。

    • UGPL(集合知を生成)

      • 特許番号:第5891340号

      • 概要:様々な課題に対する多様な解決法をコミュニティの声から抽出します。

    • AAA(売上とファンの拡張)

      • 特許番号:第6009126号

      • 概要:ファンの声がインターネットに拡散し、関心を持った人々がコミュニティに参加する循環システムです。

    • 近くのサークル

      • 特許番号:第6906610号

      • 概要:あるグループに参加している人が、他に参加しているグループを推奨します。

    • ムスボ

      • 特許番号:第7588281号

      • 概要:全自動でコミュニティの司会進行をするマルチリンガルAIです。

    • 利休 Whisper Chat

      • 特許番号:第7684528号

      • 概要:ユーザー同士が小声で囁き合うと秘密の会話空間が生まれます。

AI Workstyle Lab編集部コメント

AI Workstyle Lab編集部は、今回のクオンとC&R社の資本業務提携が、地域活性化における個人ユーザーの体験を大きく変える可能性を秘めていると見ています。「JAPAN共創BASE りろかる」は、無料で地域や企業とつながれるプラットフォームであり、これまで地域との接点が少なかった方々にとって、まさに“第2の地元”を見つけるきっかけとなるでしょう。AIがファン育成やデータ分析をサポートすることで、個人の興味や関心に合わせた情報提供や交流が期待でき、よりパーソナルな体験が実現されるはずです。一方で、多様な情報が交錯する中で、個人が安心して参加できるようなプライバシー保護や、情報過多にならないための工夫が、今後の発展において重要なポイントになると考えられます。

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