AIエージェント導入を阻む「3つの壁」とAgensの解決策
企業におけるAIエージェントの活用が拡大する一方で、エンタープライズ環境での本格導入はいくつかの課題に直面していました。その主な原因は以下の「3つの壁」に集約されます。
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接続の壁:SaaS、基幹システム、データベースなど、多様なシステムのAPI接続設定に要する時間と手間。
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構築の壁:ワークフローの設計・保守に必要な専門人材の不足。
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統制の壁:監査ログ、権限管理、承認フローの未整備による情報システム部門の懸念。
Agensの最新バージョンは、「Skills」「Execution」「Control」の3層アーキテクチャを通じて、これらの課題を同時に解決することを目指しています。
Agens Skills — 接続・拡張する
Agens Skillsは、200以上のSaaSや基幹システムにMCP(Model Context Protocol)経由でノーコード接続を可能にします。Gmail、Slack、Salesforce、kintone、freee、SmartHRといった日本企業が日常的に使用するツールに対応し、共通MCPゲートウェイにより全エージェントの接続先を一元管理します。OAuthトークンやAPIキーなどの認証情報は暗号化された認証情報金庫で安全に保管されます。
Agens Execution — 実行する
本アップデートの中核となるのが「Agens Execution」です。自然言語での指示から必要なツールを自動で発見し(Tool Search)、実行計画をコードとして自動生成(Plan & Code)します。生成された計画はサンドボックス内で一括実行(Sandbox Execute)され、従来のワークフローツールで必要だった手動でのフロー設計が不要になります。
| 項目 | 従来(n8n / Dify等) | Agens Execution |
|---|---|---|
| 構築 | フロー設計が必要 | 自然言語で指示するだけ(構築ゼロ) |
| ツール接続 | 手動でAPI設定 | 動的ツール発見(自動特定) |
| 実行方式 | 逐次処理 | 自動組み立て+一括実行 |
| 変更対応 | フロー変更のたびに人間が修正 | 指示を変えるだけで自動再構成 |
Agens Control — 統制する
Agens Controlは、企業がAIエージェントを安全に運用するための統制機能を提供します。承認ワークフロー、WAF/DLP(機密情報の自動マスキング)、5年間の監査ログ保存(J-SOX対応)、RBAC/ABAC権限管理、エージェントID管理などが含まれます。閉域網やセルフホスト環境へのデプロイにも対応し、金融、製造、医療といった規制産業での運用も可能です。
特に「承認境界」設計は、日本企業の承認文化に適合しています。「何を自律実行し、何で人間の承認を求めるか」の境界を事前に定義することで、既存の業務ルールを壊さずにAI活用を進めることができます。例えば、データの読み取りやドラフト生成は自律実行し、基幹システムへの書き込みや社外メール送信などは承認必須とする運用が可能です。
利用イメージ
Agensは部門横断で様々な業務領域に対応します。
例:請求書の自動処理(経理・財務)
ユーザーが「メール添付の請求書PDFを読み取って、社内規定との整合性をチェックし、問題なければSAP Concurに登録データを準備して、経理担当にSlackで承認依頼を送って」と指示すると、Agensが以下のプロセスを自動実行します。
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Gmailから請求書PDFを取得
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PDF解析・社内規定との照合
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SAP Concur登録データの準備(承認待ち)
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経理担当へSlackで承認依頼を送信
基幹システムへの書き込みは承認後に実行されるため、誤登録のリスクなく安全に自動化が進みます。その他、月次レポートの自動生成、インシデント初動の自動化、在庫アラートと発注準備、採用パイプライン管理、社内問い合わせの自動応答などへの活用が期待されます。

対応プラットフォーム
Agensはモデル非依存のプラットフォームであり、既存のAI基盤からAgensのMCPサーバーURLを接続するだけで利用を開始できます。
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対応LLM:Claude、GPT、Gemini、Llama、Mistral
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対応フレームワーク:LangChain、LangGraph、Crew AI、OpenAI Agents SDK、Google ADK
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対応ワークフローツール:n8n、Dify、Copilot Studio、Google Workspace Studio
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接続先SaaS/システム:Gmail、Slack、Teams、Salesforce、HubSpot、Google Drive、SAP、Jira、GitHub、PostgreSQL、freee、SmartHR、kintone 等 80以上
お問い合わせ: https://www.homula.jp/contact
代表コメント
株式会社homula 代表取締役の福地 峻氏は、「AIエージェントの価値は『質問に答える』から『業務を実行する』フェーズへ移行しています。しかし、エンタープライズ環境では接続・構築・統制の壁が依然として高く、多くの企業がPoC段階で止まっています。Agens Executionは、ワークフロー設計という最大のボトルネックを解消し、現場のビジネスユーザーが自然言語で指示するだけで業務タスクを完了できる世界を実現します。日本企業の承認文化に適合した統制機能と組み合わせることで、安全に、かつ速やかにAIエージェントの本番導入を進められる基盤を提供してまいります」と述べています。
株式会社homulaについて
homulaは、エンタープライズ企業向けにAIエージェントの戦略策定からPoC、実装、運用、内製化までを一気通貫で支援する「コンポーザブルAIアーキテクト」です。特定のツールに縛られず、n8n、Dify、LangGraph、MCPなどを要件に応じて最適に組み合わせ、LLM-Native FDE(Forward Deployed Engineer)モデルにより、少人数で大きな成果を実現しています。自社プロダクト「Agens」と導入支援サービスを組み合わせたワンストップ支援を提供しており、累計資金調達額は3.2億円です。
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回のhomulaによる「Agens」の大幅刷新、特に「Agens Execution」機能の搭載は、企業におけるAIエージェントのビジネス活用に大きな転換点をもたらす可能性を秘めています。従来、AIエージェント導入の障壁となっていたワークフロー設計の複雑さを自然言語による指示で解消することは、IT部門だけでなく、現場のビジネスユーザーが直接AIを活用できる道を開くでしょう。これにより、経理、営業、人事など多岐にわたる部門で、定型業務の自動化や意思決定支援が加速し、企業全体の生産性向上に貢献することが期待されます。承認プロセスを組み込むことで、ガバナンスを保ちながらも迅速な導入と運用が可能となり、実務レベルでのAI活用がより一層現実的になるのではないでしょうか。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

