各賞の概要と受賞成果
丹羽保次郎記念論文賞
この賞は、東京電機大学の初代学長である故丹羽保次郎博士の功績を記念し、1977年より電子通信工学関連分野の若手研究者の優れた論文に授与されています。今年で49回目を迎え、東京大学や京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学など、多くの大学から受賞者が選出されています。今年度は7篇の応募の中から、厳正な審査の結果、以下の3篇が受賞しました。
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宮武 悠人氏(東京大学大学院工学系研究科)
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受賞論文:Photonic Matrix-Vector Multiplication With Low-Insertion-Loss and Non-Volatile Ge₂Sb₂Te₃S₂ Intensity Modulators
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受賞事由:不揮発動作可能な相変化材料を用いた光位相シフタを提案し、光行列演算回路への適用と動作実証に成功。電子回路の性能を凌駕する光演算回路実現の基礎研究として評価されました。
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三上 杏太氏(京都大学大学院工学研究科)
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受賞論文:High-Mobility 4H-SiC p-Channel MOSFETs on Nonpolar Faces
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受賞事由:炭化ケイ素によるpMOSFETを非極性面に設けることで、従来の2倍の移動度を実証。性能向上要因の解明とFinFETへの設計指針提示が高く評価されました。
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紙浦 欣輝氏(九州大学大学院システム情報科学府電気電子工学専攻博士課程)
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受賞論文:300-GHz Beam-Steering Wireless Communication Enabled by 4-Array InGaAs UTC-PD on SiC Substrate and Optical Phased Array
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受賞事由:SiC基板上にUTC-PDアレイを集積したテラヘルツ帯ビームステアリング回路を構成し、動作実証に成功。未開拓周波数帯を利用する無線通信システムやセンシングへの応用が期待されます。
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教育賞および教育奨励賞
本学における独創的で特色ある教育、顕著な教育成果を挙げた教員等の業績を表彰するものです。今年度で33回目を迎え、これまでに64件が表彰されています。

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教育賞 受賞業績(1件)
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業績標題:AI・ゲーミフィケーション・クリエイティブ表現を融合した理工系学生向け英語学習システムの開発と実践
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受賞者:宍戸 真 教授(システムデザイン工学部 英語教育系)
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受賞理由:AI発音評価、音声認識チャットボット、ゲーミフィケーション、生成AIによる視覚表現といった複数の先端技術を組み合わせた独創的な英語学習システムを開発。理工系学生の学習特性に適した授業実践を行い、TOEICスコアや発話能力、学習意欲の向上に貢献しました。学外からも高い評価を得ており、大学全体への波及も期待されています。
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教育奨励賞 受賞業績(1件)
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業績標題:ChatGPTを用いた英語学習
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受賞者:瀧村 裕子 講師(理工学部 英語教育系)
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受賞理由:英語ライティングを通じて「学生が自律的に書き、修正し、内省する力」を育成する目的で、ChatGPTを活用した授業実践を実施。初稿作成からAIによる校正、ピア・レビュー、教員フィードバックまで体系的な学習プロセスを構築し、学習者に寄り添った教育手法の有効性が認められました。
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若手論文賞
全学的な研究力支援を目的とし、学会誌等に発表された論文のうち、独創性が豊かで優秀な論文の著者を対象とする賞です。今年度より若手研究者には「若手論文賞」として名称変更されました。
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受賞業績(1件)
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受賞者:饗庭 天暉(東京電機大学 先端科学技術研究科 先端技術創成専攻 博士課程3年)
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受賞論文:Structural Health Monitoring Using Time-Augmented Response Spectrum and Deep Learning
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受賞事由:構造ヘルスモニタリングにおいて、応答スペクトルに時間情報を付加したランニング応答スペクトルという手法を提案。この3次元情報と深層学習を組み合わせることで、構造物の異常検知とその判断根拠の可視化を実現しました。この論文は世界最大級の国際会議ASME PVP 2024で発表され、2025年の同会議で若手技術者による優れた技術論文に贈られる「Clay Rodery Outstanding Technical Paper from an Early Career Engineer Award」を受賞しています。
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発明賞
東京電機大学の教職員、学生・生徒が生み出した発明、考案、または意匠のうち、実用的価値が高く、社会的に有用であり、本法人にとって有意義とみなされる特に優れた発明者を表彰するものです。今年度で26回目を迎え、これまでに37件が表彰されています。
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受賞業績(2件)
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発明者:小林 亘(東京電機大学 総合研究所 特別専任教授)
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発明名称:「モデル生成装置、冠水確率予測装置、モデル生成方法、モデル生成プログラム、冠水確率予測方法、冠水確率予測プログラム、冠水確率予測システム、及び学習済みモデル」(特願2024-186061)
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受賞事由:降水確率のように浸水・冠水の確率を予測するシステムを開発。2025年8月には高知県いの町および株式会社石垣と実証実験を開始する覚書を締結しており、自治体との連携による社会実装を目指しています。このシステムは「AREA RAIN」として、冠水予測の特許と表示システムを活用しています。
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発明者:萌出 大道(理工学研究科 電子工学専攻 1年)、池 優輝(理工学部 理工学科 電子工学系 4年)
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(指導教員)大越 康晴(理工学部 理工学科 電子情報・生体医工学系 教授)
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発明名称:「液状物の発酵又は醸造の状態を評価する電極、センサ及び解析装置」(特願2025-137386)
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受賞事由:日本酒などの発酵状態評価における課題を解決するため、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)電極を用いることで、装置の小型化と短時間で高精度な発酵状態評価手法を確立しました。食品産業から医療・健康分野まで広く応用可能であり、品質管理や技能継承、国際展開を支える基盤技術としての貢献が期待されます。
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学校法人東京電機大学学術振興基金について
学校法人東京電機大学学術振興基金は、同法人が設置する各校における教育および研究活動の助成、学内外の科学技術に関する優秀・顕著な研究への援助を通じて、科学技術の振興に寄与することを目的としています。特色ある教育や研究活動、奨学援助、国際交流などの奨励に資する事業を展開しています。
今回の授賞式に関する詳細は、東京電機大学のウェブサイトでも確認できます。
AI Workstyle Lab編集部コメント
東京電機大学が表彰した研究や教育の成果は、ビジネス分野にも大きな示唆を与えます。例えば、AIを活用した英語学習システムは、企業のグローバル化を支える人材育成の効率化に繋がるでしょう。また、深層学習を用いた構造ヘルスモニタリングは、インフラ点検のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させ、コスト削減と安全性の向上に貢献する可能性があります。冠水確率予測システムや発酵状態評価技術も、それぞれ防災や食品産業における精密な品質管理を実現し、新たなビジネスチャンスを生み出す基盤技術となることが期待されます。これらの先端技術が実社会でどのように展開され、新たな働き方や価値創造に繋がるか、今後の動向が注目されます。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

