ロボット基盤モデルの研究開発と実証の重要性
近年、生成AIや大規模基盤モデルの進展により、ロボティクス分野では多様な環境やタスクに対応可能な「ロボット基盤モデル」の研究開発が加速しています。サービスロボットを社会に導入していくためには、実際の環境で多様な動作データを蓄積し、それに基づいてモデルを高度化することが不可欠です。
松尾・岩澤研究室は、遠隔操作と学習を組み合わせたロボット制御の研究を進めており、2025年夏にも日本科学未来館で遠隔操作ロボットに関する実証実験を実施し、一般来館者からのフィードバックと制御データを収集しました。
参考:
東京大学 松尾・岩澤研究室、日本科学未来館でサービスロボットの実証実験を開始
今回の実証実験では、前回の取り組みを発展させ、家庭環境を想定した空間でロボットによる家事代行サービスの体験と評価を行います。家庭内は家具の配置や物品の種類・置かれ方が多様であり、人との距離も近くなることから、安全性や心理的な受容性が重要な検証項目となります。本実証実験を通じて、技術的性能だけでなく、利用者の受容性や安心感に関するデータも収集されます。
「未来を体験! ロボット・ハウスキーパー」の具体的な体験内容
本実証実験では、家庭の中を再現した空間が用意され、遠隔操作ロボットによる家事代行サービスを体験できます。来館者は、家事を行うロボットと同じ空間に滞在しながら、その働きぶりを「家事代行サービスの利用者」の視点で評価します。
主な体験は以下の2つです。
体験① 遠隔操作ロボットの家事を審査しよう!
リビングなどを模した空間で、オペレーターが遠隔操作するロボットが掃除や片付けなどの家事を行います。来館者はロボットの動きを見ながら、「どのくらい日常の家事の助けになりそうか」「自宅にあったら任せたいか」といった観点で評価します。

体験② ロボット家事代行アプリを使ってみよう!
将来、ロボットがある程度自律的に家事をこなすことを想定し、スマートフォンアプリを使ってロボットにタスクを依頼したり、進行状況を確認したり、結果を評価したりする体験を行います。サービスUI(ユーザーインターフェース)のわかりやすさや、利用時の安心感・信頼感などに関する評価を収集します。

本実証実験で蓄積されるデータやフィードバックは、暮らしの中でロボットが継続的に活躍するための「ロボット基盤モデル」の研究開発に活用されます。
※今回の実験で使用される遠隔操作ロボットは、トヨタ自動車株式会社未来創生センターの生活支援ロボットHSRです。
開催概要
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イベント名: 未来を体験! ロボット・ハウスキーパー
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開催期間: 2026年3月18日(水)〜3月31日(火) 10:00〜17:00
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3月24日(火)は休館日です。
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会場: 日本科学未来館 1階 コミュニケーションロビー
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対象: どなたでも(体験①は未成年の場合、保護者同伴)
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参加には同意書の記入が必要です。未成年の場合は保護者の方の記入が必要となるため、保護者の方と一緒にご参加ください。
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参加費: 無料
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常設展・ドームシアターのご鑑賞には別途料金が必要です。
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参加方法:
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体験①:当日会場にて整理券を配布します。
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体験②:直接会場にお越しください。
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詳細は未来館Webサイトをご覧ください。
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主催: 日本科学未来館、一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)、東京大学
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協力: トヨタ自動車株式会社 未来創生センター
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実証実験代表者: 松嶋達也(東京大学 大学院工学系研究科 特任助教、一般社団法人AIロボット協会 CTO)
東京大学 松尾・岩澤研究室 ロボティクス研究ユニットについて
松尾・岩澤研究室では、実世界と相互作用する実機を通じて「知能とは何か」を解き明かすことを目指し、ロボティクス研究を積極的に推進しています。研究室には、ロボットアームやモバイルマニピュレータといった実機に加え、各種シミュレータ、VRデバイス、マルチモーダルセンサなど多様なハードウェア環境を整備し、仮想環境から実環境に至るまで幅広い検証が可能な研究インフラを構築しています。
研究開発コミュニティとしては、学内外の学生・研究者が参加する「TRAIL(Tokyo Robotics and AI Lab)」も運用され、現在では50名規模に拡大しています。ロボカップでは国内大会・世界大会共に上位入賞を果たすなど、実践的な技術力とチーム力を備えた研究体制が形成されています。
また、2025年4月より、AIとロボティクスの融合を体系的に学ぶ教育講座「Physical AI講座」も開講し、次世代の研究者育成と応用研究の加速にも力を入れています。これまでの研究成果はICRAをはじめとするトップ国際会議に採録されており、基礎から応用に至るまで幅広い領域で成果をあげています。
今後の展望
本実証実験で得られたフィードバックやデータセットを基に、より多様な環境に適応可能なロボット基盤モデルが構築され、家庭内や小売店舗などのサービス領域での実証実験が予定されています。この取り組みは、AI技術の最先端研究とロボティクスの現場知見を融合し、日本の産業におけるAIロボット導入を目指すものです。
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回の実証実験は、AIロボットの社会実装に向けた重要なステップを示しています。家庭環境という複雑で多様なタスクが存在する空間でのデータ収集は、ロボットが真に役立つ存在となるための基盤モデル構築に不可欠です。利用者からの直接的なフィードバックは、技術的な性能向上だけでなく、心理的な受容性や安心感といった、人間とロボットが共存するために欠かせない要素を浮き彫りにするでしょう。今後は、収集されたデータがどのようにロボット基盤モデルに反映され、さらに汎用性の高いAIロボットへと進化していくのかが注目されます。また、実証実験を通じて明らかになる安全性や倫理的な課題への対応も、今後の社会実装を加速させるための鍵となるはずです。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

