ブレインパッド、衛星データソリューション「Orbital Sense」に地理空間分析AIエージェントを搭載

株式会社ブレインパッドは、衛星データソリューション「Orbital Sense(オービタル・センス)」に、地理空間分析AIエージェント機能を実装したことを発表しました。この新機能は、AIとの対話を通じて地理空間データの検索、多角的な分析、意思決定の支援を会話形式で実行します。
今回の実装により、直近のホルムズ海峡の情勢で注目が高まる「再生可能エネルギー」の普及に不可欠とされる「系統用蓄電池」の用地選定が加速され、再生可能エネルギーの活用推進につながる新たなユースケースが提供されます。
背景:高まる再生可能エネルギーへのニーズと用地選定の課題
現在、中東・ホルムズ海峡を巡る地政学的な緊張感が高まっており、日本の原油輸入の90%以上がこの海域を経由していることから、供給網の寸断や不安定化は深刻なリスクとされています(1)。このような状況を受け、経済産業省が第7次エネルギー基本計画で発表している通り、再生可能エネルギーの活用は国の重点政策です(2)。
しかし、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは天候や時間帯により発電量が変動するため、その特性への対応や、需要を上回る電力を蓄える仕組みが不可欠です。その中核を担うのが系統用蓄電池であり、その普及が重要視されています。系統用蓄電池の導入拡大は、余剰電力の有効活用を通じて、再生可能エネルギーの出力制御の回避にも寄与すると期待されています。
一方で、系統用蓄電池の設置には「変電所との距離」や「土地の起伏」など、複雑な地理的条件をクリアする必要があります。ブレインパッドのヒアリング調査では、用地選定を「Googleマップ等を活用した目視」で実施している企業が一定数存在し、相当な労力と工数がかかっていることが明らかになりました。
この課題に対し、「Orbital Sense」に新たに実装された地理空間分析AIエージェント機能を活用することで、チャット形式でAIと対話しながら、スピーディーに候補用地の絞り込みを実現することが可能となります。
「Orbital Sense」を活用した系統用蓄電池向け大規模用地選定のイメージ
用地選定の担当者がチャット欄に「用地選定に必要な情報」を入力すると、「Orbital Sense」は以下の流れで用地選定の作業を進めます。
- 候補エリアの探索: 衛星画像や地理データを分析し、候補エリアを抽出します。
- 条件による選別: 標高、傾斜、方位、送電網からの距離、土地利用規制などの条件を重ねて絞り込みます。
- 判断材料の提示: 候補リスト、地図上の可視化、比較の観点が分かる形で情報が整理されます。

左側に表示されるチャット画面に、探したい用地の条件を入力します。

検索条件に該当する箇所にピンが立ちます。チャット欄では、AIエージェントがどのように考えて用地を選定したのかを確認できます。
Orbital Senseの地理空間分析AIエージェント機能の技術的特徴
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自然な会話で条件の絞り込みができる「対話型AIエージェント機能」を搭載
チャット形式で、AIに会話の文脈を理解してもらいながら用地選定を進めることができます。AIは対話の中で、「今の条件に、さらに変電所からの距離を追加して」「さっきのエリアは除外して」といった追加・変更にも柔軟に対応し、ユーザーの意図を汲み取りながら最適な候補地を絞り込みます。 -
衛星データと地理空間データを横断して解析し、データ収集・分析工数を大幅に削減
衛星画像に加え、「地形・土地利用・変電所/送電設備との距離」などの地理空間データを横断して解析します。これにより、従来は目視や手作業で実施されていた「検索・抽出・重ね合わせ・比較・可視化」といった工程が自動化され、初期検討のスピードが向上します。 -
判断に必要情報が不足している場合でも、AIが自律的に情報を補い、用地選定をサポート
判断に必要な情報が不足している場合は、公開情報の調査やデータの加工・集計をAIが自律的に実行し、情報を補うことが可能です。最終的なアウトプットは、比較表や地図データなど、そのまま社内検討に使える形式で整理されます。
PoCパートナー募集要項
ブレインパッドは、本機能のさらなる発展のため、PoC(概念実証)パートナーを募集しています。
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募集期間: 2026年5月末まで(応相談)
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実施期間: 個別相談
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参加費用: 無償
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対象企業: 下記に該当する企業より数社を予定
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再生エネルギー用地を開発されているエネルギー企業
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大規模な土地開発を推進されている不動産企業
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店舗用地を探索されている小売企業
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PoC実施内容: 具体的な活用方法に関するディスカッションの場を設定し、フィードバックに基づき製品の修正/アップデートが検討されます。
ブレインパッド 執行役員 押川 幹樹氏のコメント
株式会社ブレインパッド 執行役員 アナリティクスコンサルティング担当 押川 幹樹氏は、Orbital Senseで活用されているLLM(大規模言語モデル)を使ったマルチモーダル検索技術のポテンシャルを最大限に引き出すためには、地理情報だけでなく、複数の情報レイヤー、特に各企業独自の情報をいかに取り込んで活用できるかが重要であると述べています。
同氏は、「Orbital Sense」の公開後、さまざまな業界から問い合わせがあり、これまで多大な時間が費やされていたリサーチ作業を大幅に効率化できる可能性が見えてきたとコメントしています。また、本発表で挙げられたユースケース以外にも、地理条件に影響を受けるほとんどの経済活動に本技術が適用できる可能性があると考えており、興味を持った企業との連携を進めていきたい考えです。
ご参考情報
1 経済産業省「中東情勢を踏まえた燃料油・石油製品の安定供給確保」
2 経済産業省「我が国の省エネルギー・新エネルギー政策の動向」
株式会社ブレインパッドについて
ブレインパッドは2004年創業のデータ/AI活用のリーディングカンパニーです。近年は「分析/コンサルティング/SI」「人材育成・教育」「SaaS」の三位一体のビジネスモデルを武器に、企業のIT力向上を支援する「データ活用の民主化と内製化支援」に注力しています。金融・小売・メーカー・サービスなど幅広い業種を対象に1,400社を超える支援実績を持ち、データの力をビジネス創造と企業価値向上につなげる取り組みを行っています。
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本社所在地: 東京都港区六本木三丁目1番1号 六本木ティーキューブ
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設立: 2004年3月
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代表者: 代表取締役社長 CEO 関口 朋宏
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資本金: 597百万円(2025年6月30日現在)
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従業員数: 589名(連結、2025年6月30日現在)
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事業内容: データ活用を通じて企業の経営改善を支援するプロフェッショナルサービス、プロダクトサービス
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公式サイト: https://www.brainpad.co.jp/
AI Workstyle Lab編集部コメント
ブレインパッドの「Orbital Sense」に搭載された地理空間分析AIエージェントは、これまで多大な時間と専門知識を要した用地選定プロセスを劇的に変える可能性を秘めています。特に再生可能エネルギー分野での活用は、国の重要政策とも合致し、その普及を加速させる強力なツールとなるでしょう。不動産開発、小売店舗の出店戦略、物流拠点の最適化など、地理情報が意思決定に不可欠なあらゆるビジネスにおいて、このAIエージェントは大幅な効率化とコスト削減をもたらし、結果として新たな収益機会の創出にも貢献すると考えられます。AIとの対話によって、専門知識がなくても高度な分析が可能になる点は、多くの企業にとって大きなメリットとなるはずです。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

