国産PaaS「hanamii」が示す日本のデジタル未来:資金調達が加速するデータ主権とAIデプロイの民主化

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HANAMII株式会社、国産PaaS「hanamii」の本格展開に向け資金調達を実施

沖縄発スタートアップのHANAMII株式会社は、独自開発する国産PaaS「hanamii(ハナミー)」の本格展開を加速するため、著名なエンジェル投資家・経営者複数名を引受先とする資金調達を実施したことを発表しました。

「hanamii」は、さくらインターネットのクラウド基盤を活用し、生成AI時代におけるアプリケーションのデプロイ(サービス公開)を非エンジニアにも開放することを目指しています。調達した資金は、「hanamii」の機能強化、開発・事業体制の拡充、そして国内企業や公共領域への提供加速に充当される予定です。

HANAMII株式会社のWebサイトはこちらです。

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資金調達の背景にある日本のデジタル課題

データ主権と国産比率への高まる要請

クラウド活用が拡大する現代において、データの所在(データ主権)、国内法令への準拠、サプライチェーンにおける国産比率といった観点は、企業や自治体、公共領域での調達要件として重要度を増しています。しかし、これらの要件を満たしつつ、現代のビジネススピードに対応できる「数秒でサービスを公開できる」軽快なデプロイ体験を両立するプラットフォームは、国内では限られているのが現状です。

拡大し続ける「デジタル赤字」

「国産比率」への関心が高まる背景には、日本経済全体の構造的な課題、いわゆる「デジタル赤字」があります。日本のデジタル関連収支は、2024年に約6.7兆円と過去最大を更新し、2014年と比較して3倍以上に拡大しました。特にクラウドサービスを含む「コンピュータサービス」分野の赤字は、2024年に約2.5兆円となり、10年でおよそ3倍超のペースで急拡大しています。この赤字は、インバウンドによる旅行収支の黒字を上回る水準に達しており、2035年には年間18兆円規模にまで拡大する可能性も指摘されています。

国内クラウド市場における海外ビッグテック依存

この主な要因の一つは、クラウド/PaaS領域における海外大手テクノロジー企業への強い依存です。国内のIaaS・PaaS市場では、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureの3社が大きなシェアを占めており、日本の企業や自治体がデジタル化を進めるほど、海外事業者への支払いが膨らむ構造となっています。この状況は、データ主権や経済安全保障に関わる国家レベルの課題として認識されており、国産クラウド基盤の整備と、その上で日本の企業・自治体・クリエイターがアプリケーションを高速に公開・運用できる環境を育成することが、「デジタル消費国」から「デジタル生産国」への転換を支える重要な取り組みであるとHANAMII株式会社は考えています。

拡大し続ける日本の「デジタル赤字」

生成AI時代の「デプロイのラストワンマイル」という課題

生成AIや大規模言語モデル(LLM)の普及により、非エンジニアでもプロトタイプやアプリケーションを生み出せる時代が到来しました。しかし、作成した成果物を実際に世の中へ公開する「デプロイ」という最終段階は、依然として高い専門性を要する領域として残されており、多くの非エンジニアやビジネスサイドの担当者にとって大きな障壁となっています。

HANAMII株式会社は、これらの課題に応えるべく、「国産基盤の上で、世界水準のスピードでアプリケーションを公開できる環境を提供すること」と、「生成AI時代における『デプロイのラストワンマイル』を、非エンジニアにも開放すること」の2つをミッションに掲げ、沖縄県名護市で設立されました。

国産PaaS「hanamii」の特長

「hanamii」は、「日本の空に咲くクラウドプラットフォーム」をコンセプトに独自開発された国産PaaSです。生成AI・LLMの発展という時代の潮流を捉え、非エンジニアによるプロダクト開発・リリースを強力に支援するとともに、プロユースにおいても既存の海外PaaSに劣らない高品質なサービス・基盤として開発・提供されています。

「hanamii」の主な特長は以下の通りです。

  • 平均45秒の高速デプロイ: 最適化されたビルドパイプラインとインフラにより、アプリケーションの本番公開までの待ち時間を最小限に抑えます。

  • 100%日本国内でのデータ管理: すべてのデータは日本国内のデータセンターで管理され、個人情報保護法をはじめとする国内法令に準拠しています。データ主権を重視する業態や企業にも安心して利用できる設計です。

  • さくらインターネットのクラウド基盤を採用: バックエンドには、さくらインターネット株式会社の「さくらのクラウド」を採用しています。国内調達が必要な案件や、データ所有権・保存場所を国内にするべき業態・企業・公共領域にも、高速かつ信頼性の高いデプロイ環境を提供します。

  • 生成AI時代のデプロイを強力に支援: GitHubリポジトリ連携による自動デプロイに加え、ビルド済みファイルのドラッグ&ドロップ公開など、多彩なワークフローに対応しています。AIが開発したプロトタイプ・ソースコード・プロダクトをスムーズに公開でき、従来は非エンジニアにとって困難だった「デプロイ」というサービス公開までの最終段階をしっかりと支援します。

これらの特長を基盤に、「Calm. Fast. Trusted.」をキーワードとして、「hanamii」は落ち着いた体験、速さ、信頼の三つを兼ね備えた、日本品質のクラウドプラットフォームを目指しています。

HANAMII株式会社の設立母体

HANAMII株式会社は、異なる領域を持つ2社のジョイントによって生まれたスタートアップであり、この点が大きな特長です。「日本品質のクラウドプラットフォーム」という事業テーマは、両社がこれまで培ってきた知見と実績の融合なくしては実現し得ないものです。

  • 株式会社みらいスタジオ(スタートアップスタジオ)
    多数のスタートアップを創出・支援してきたスタートアップスタジオです。事業仮説の検証、プロダクトマーケットフィットの探索、チームビルディング、資金調達戦略に至るまで、ゼロイチでの事業立ち上げに関する深い知見を有しています。HANAMII株式会社の設立、初期プロダクト開発、事業立ち上げをスタジオとしてリードしています。
    https://miraistudio.co.jp/

  • 株式会社HANATABA(自治体DX/プロダクト開発)
    自治体DXの推進、および行政・公共領域を中心とするプロダクト開発の実績を持つ企業です。「国内要件」「データ主権」「公共領域での調達要件」といった、「hanamii」が解決を目指すテーマに対して、現場に根ざした実践知と開発力を提供しています。
    https://hanataber.co.jp/

これら2社がそれぞれの強みを持ち寄り、「スタートアップとしての速度」と「公共領域の要件に対応できる堅牢さ」を両立するために設立されたのがHANAMII株式会社です。この成り立ち自体が、「hanamii」というプロダクトの設計思想に直結しています。両社の代表が議論を重ねて設立され、それぞれの最高技術責任者(CTO)も動員する強固な体制によって事業推進が行われています。

著名エンジェル投資家からの期待の声

今回の資金調達ラウンドでは、資金面での支援に加え、卓越した経営力、ネットワーク、実績を持つエンジェル投資家・経営者の方々から投資を受けました。これにより、経営やプロダクト・マーケットに対するフィードバック、および各自が持つアセットを組み合わせながら、「hanamii」の本格展開が目指されます。

麻生 要一 氏(株式会社アルファドライブ 代表取締役社長 兼 CEO/琉球アルファドライブ 代表)

麻生 要一 氏

「私自身、同じ沖縄県名護市で琉球アルファドライブを運営し、この地からのスタートアップ創出と新規事業支援に取り組んでいます。HANAMIIが名護を拠点に国産PaaSで勝負する挑戦は、『地域から日本全体の競争力を押し上げる』という、私たちが信じる仮説そのものを体現する事業です。これまで1500件を超える新規事業に伴走してきた経験から見ても、hanamiiが向き合う『データ主権』『デジタル赤字』『デプロイの民主化』は、日本社会にとって避けられない課題です。同じ地域の仲間として、全力で応援しています。」

越智 聖人 氏 (hojoudata合同会社 代表社員)

越智 聖人 氏

「AIによって開発のボトルネックは『作ること』から『運用すること』へと移行しています。しかし多くの企業はこの変化に対応できていません。hanamiiはデプロイとインフラ運用を一体化することで、事業化のスピードと再現性を大きく引き上げるプロダクトです。こうした開発・運用基盤の整備が、企業の継続的な学習と改善を支えることにもつながると考えています。エンタープライズ領域での導入・展開に関与し、事業として成立する形での社会実装を後押ししていきます。」

深津 貴之 氏(THE GUILD 代表)

深津 貴之 氏

「これまで『発信』を一部の人の特権から、すべての人のものへと開いていくことに挑戦してきました。生成AIによって誰もがアプリを作れる時代に、hanamiiは同じことを『デプロイ』という最後のハードルで実現しようとしています。しかもその基盤に国産クラウドを据え、体験の民主化とデータ主権という、本来両立の難しい2つに真正面から向き合っている。AI時代のプロダクトを支えるインフラとして、hanamiiの成長を楽しみにしています。」

松本 一哉 氏(株式会社MBBR 代表取締役社長/公認会計士)

松本 一哉 氏

「公認会計士として20年近く、スタートアップから上場企業まで幅広いステージの企業に伴走してきました。複数の上場企業で社外監査役を務める立場から強く感じるのは、『日本のデジタルインフラが国内に残り続けること』の戦略的な重要性です。デジタル赤字が拡大するなか、hanamiiが国産基盤の上でスピードと信頼性を両立しようとしている挑戦は、企業ガバナンスや公共領域の調達要件の観点からも意義深いものだと捉えています。北九州を拠点に起業家支援に携わる一人として、沖縄・名護発のHANAMIIを、同じ西日本の仲間として応援しています。」

渋谷 修太 氏

渋谷 修太 氏

「『地方にこそイノベーションの種がある』と信じ、新潟から東証グロース市場への上場に挑んできました。沖縄・名護を起点に国産PaaSで世界を狙うHANAMIIには、自分ごとのように強い共感を覚えます。モバイルアプリ開発の現場に長く携わってきた立場から見ても、『作ったものを素早く、安定的に届ける』というデプロイ体験の刷新は、大きな価値をもたらす挑戦です。地方から世界へ届くプロダクトへと育っていく未来を、全力で応援しています。」

志水 文人 氏

志水 文人 氏

「大企業での新規事業開発経験や、ヘルスケア領域でのスタートアップ創業・EXITの経験を踏まえ、HANAMIIが捉えている課題感や目指す世界観に強く共感しています。これから多くの起業家や大企業が新規事業・プロダクトを作り世界を変えていくにあって、hanamiiの思想や機能性およびポジションは非常に重要だと思っており、投資もさせていただきました。応援しています!」

矢澤 慎之介 氏

「生成AIで作ったものをすぐに動かせる時代になり、デプロイ体験そのものが変わりつつあります。同時に、データを国内に置きたいというニーズを超え、インフラを含めすべて国内で完結させたいというニーズも確実に高まっています。hanamiiはその両方を正面から取りにいくサービスだと思っています。リクルート時代の同僚であるHANAMII代表取締役会長 兼城の熱量にも背中を押され、出資を決めました。その挑戦を全力で応援します。」

代表からのメッセージ

代表取締役会長 兼城 駿一郎 氏

兼城 駿一郎 氏

「共同代表の柴田とは沖縄で出会って約6年になります。互いにスタートアップや自治体の支援をしつつ、自らも起業家かつエンジニアとして多くのプロダクトを生み出してきました。その中で感じていた課題感と、日本が立たされている危機的状況について熱く議論したのが北海道だったというのも印象的です。北海道から沖縄まで、日本という素敵な場所を起点に世界に花開いていくプロダクトの基盤になれるように尽力してまいります。今回の資金調達ラウンドでは、当初の想像を遥かに超えた素敵な投資家の皆様に参画いただきました。HANAMIIの目指す世界観や捉えている課題についてお伝えした際に、すぐに『それはやるべきだ』『応援している』という力強い後押しをいただきました。私たちHANAMIIでは株主もユーザーもみんなファミリーであると捉えており、そのようにお伝えもしています。ファミリーで一丸となって、目指す世界を実現できるように頑張ります!」

代表取締役社長 柴田 啓祐 氏

柴田 啓祐 氏

「今回のラウンドでは日本のIT・スタートアップ業界を牽引する力強い皆様からご出資をいただきました。『日本のデータ主権を守り、開発者の生産性を解放する』という私たちの静かで熱いビジョンに共感し、多大なるご期待と支援をお寄せいただいた投資家の皆様に、心より深く感謝申し上げます。また、hanamiiは決して私たちだけの力で成り立っているわけではありません。インフラ基盤として強力な連携体制を築いてくださっているさくらインターネット様をはじめ、日頃からフィードバックをくださる開発者の皆様、そして『日本に安心して使えるデプロイ環境が欲しい』と切実な声を届けてくださった企業の皆様の支えがあってこそ、本日の発表を迎えることができました。この場を借りて、hanamiiを支えてくださるすべての皆様に厚く御礼申し上げます。現在、生成AIによるコード生成の劇的な進化により、これまで数ヶ月かかっていたシステム開発が数日に短縮される『AI大量ソフトウェア時代』が到来しています。ソフトウェアの需要と供給が幾何級数的に増大し、誰もが作り手になれる時代において、『開発したものを数秒で世界に公開できる』デプロイ環境の重要性はかつてなく高まっています。しかし、日本の開発現場には大きなジレンマがありました。優れた開発者体験を提供する海外プラットフォームは、医療・金融・官公庁などが求める厳格な国内データ保管要件を満たすことが難しく、日本の商習慣や為替変動(円安)リスクへの対応にも課題を抱えています。その結果、社内ガバナンスやインフラ調達の壁に阻まれ、AIがもたらす開発速度の恩恵を十分に社会実装できない現状があります。hanamiiは、この課題を根本から解決します。Git連携から数秒で国内データセンターへ公開できる『世界標準の開発者体験』と、物理的なデータ保管場所を国内に限定しAPPI(個人情報保護法)に完全準拠する『日本のデータ主権』を両立させた、新しいクラウドプラットフォームです。私たちは、hanamiiを単なるホスティングサービスで終わらせるつもりはありません。インフラの専門知識がなくても、AIが生成した無数のアプリケーションを即座に、かつ安全に本番環境へデプロイできる環境を提供することで、日本のAI開発を加速させます。今回調達した資金は、基盤となるインフラストラクチャの強化、セキュリティ水準のさらなる向上、そして共に『AI社会ネイティブなデジタル基盤』を創り上げるエンジニアの採用に投資いたします。私たちは日本の美意識が宿る、誠実で信頼できるデプロイ体験を通じて、挑戦するすべての人を支え、やがては世界のデジタル社会を根底から支えるインフラストラクチャとなるべく邁進してまいります。」

今後の展望

HANAMII株式会社は、調達した資金をもとに以下の取り組みを加速させていく方針です。

  • エンタープライズ・公共領域向け機能の拡充(セキュリティ、監査ログ、コンプライアンス機能など)

  • 生成AI連携のさらなる強化(AIが生成したコード・プロダクトをより自然にデプロイできる体験の追求)

  • 開発・カスタマーサクセス体制の拡充

「hanamii」という名前には、桜が咲き誇るように、日本のアプリケーションが日本の空に花開いてほしいという想いが込められているとのことです。Calm. Fast. Trusted. を大切にしながら、国内のソフトウェア開発・デプロイ体験のアップデートに取り組んでいくとしています。

会社概要

  • 会社名: HANAMII株式会社

  • 所在地: 沖縄県名護市宮里 1004番地 nagonova

  • 代表取締役会長: 兼城 駿一郎

  • 代表取締役社長: 柴田 啓祐

  • 事業内容: 国産PaaS「hanamii」の企画・開発・提供

  • 設立: 2025年11月

  • 設立母体:

  • URL: https://hanamii.jp/

本件に関するお問い合わせ先

HANAMII株式会社
お問い合わせフォーム: https://hanamii.jp/contact

AI Workstyle Lab編集部コメント

今回のHANAMII株式会社による資金調達は、特に国内の企業や公共機関にとって大きな意味を持つでしょう。PaaS「hanamii」が提供する国内データ管理と高速デプロイは、データ主権やコンプライアンスを重視する業種でのAI活用を加速させます。非エンジニアでも生成AIで作成したアプリケーションを容易に公開できる点は、多くのビジネスパーソンにとって新たな事業創出や業務効率化のチャンスとなります。これにより、開発サイクルが短縮され、市場投入までの時間が大幅に短縮されることで、企業の競争力向上に貢献する可能性を秘めていると考えられます。国産クラウド基盤の強化は、日本のデジタル経済を「消費」から「生産」へと転換させる重要なビジネスインフラとなることが期待されます。

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記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

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