AI Workstyle Lab編集部です。デジタル技術の進化が企業活動に不可欠となる中、AIを活用した業務効率化は多くの企業にとって喫緊の課題となっています。今回は、電通総研とテックタッチがAGCの人事システムにAI型DAP「テックタッチ」を導入し、大規模な生産性向上を実現した事例をご紹介します。
AI型DAP「テックタッチ」がAGCの人事システムに導入
テクノロジーを通じて企業と社会の進化を支援する株式会社電通総研と、AI型次世代DAP(Digital Adoption Platform)を提供するテックタッチ株式会社は、AGC株式会社の統合HCMソリューション「POSITIVE(ポジティブ)」に「テックタッチ」を導入したことを発表しました。このシステムは、AGCの全従業員約8,000名を対象に、2025年2月より稼働しています。

DX推進と人的資本経営を背景に、人事システムの課題解決へ
AGCグループは、中期経営計画「AGC plus-2026」において「価値創造DXの推進」と「経営基盤の強化」を主要戦略に掲げており、経済産業省の「DX銘柄」に過去4回選定されるなど、デジタル変革を積極的に推進しています。また、人的資本経営を重要な柱とし、持続的な企業価値向上を目指しています。
一方で、人事システムの運用においては、年末調整や結婚・転居届といった年1回程度の infrequent な手続き(まれにしか行われない手続き)において、従業員の操作不慣れや専門用語への理解不足から入力ミスが頻発していました。これにより、人事部門への問い合わせや差戻し作業が増加し、業務負荷が高まっていました。
このような課題に対し、AGCは既存システムの大幅な改修を行うことなく、人事業務の効率化と従業員の利便性向上を両立できる方法を模索しました。その結果、「POSITIVE」に特化した豊富なテンプレートを提供する「テックタッチ」の導入を決定しました。さらに、ERPビジネスアプリケーション「Microsoft Dynamics 365」についても、同様の課題解決効果を期待し、同年に「テックタッチ」を採用しています。
リアルタイムナビゲーションと電通総研の支援が導入の鍵
「テックタッチ」の採用には、以下の点がポイントとなりました。
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リアルタイムナビゲーションによる操作サポート
「テックタッチ」は、システム画面上に操作ガイドをリアルタイムで表示し、専門用語の解説や入力ルールを適切なタイミングで案内することで、入力ミスを未然に防ぎます。また、自動転記機能により、同一情報の重複入力を削減し、申請プロセス全体の効率化を実現します。 -
電通総研による導入支援と専用テンプレートの提供
電通総研は長年にわたりAGCの人材マネジメント基盤として「POSITIVE」を提供してきました。今回の導入では、「POSITIVE」と「テックタッチ」の役割分担を明確にし、一貫した導入支援を実施しました。さらに、「テックタッチテンプレート for POSITIVE」の提供により、導入プロセスの効率化と早期立ち上げが実現しました。
これらの取り組みにより、AGCでは「テックタッチ」のガイド機能の利用によって、2025年3月から6月の4か月間で約1,000時間の生産性改善効果が確認されました。ユーザーアンケートでは、約65%が「操作がしやすくなった」と回答し、約68%が「今後の取り組みに期待」と回答しています。「申請項目を探す手間が省け、楽に利用できた」という声も寄せられており、業務システムの利用体験の改善と、業務効率およびユーザー満足度の両面で効果が実証されています。
今後の展開と「POSITIVE」の役割
電通総研とテックタッチ社は、今後も「テックタッチテンプレート for POSITIVE」の機能強化やデータ分析、導入工程の効率化などを通じて、「POSITIVE」の利活用促進に貢献していく方針です。今回の導入効果を踏まえ、両社は他の基幹システムへの適用拡大も視野に入れ、より幅広い業務領域でのデジタル活用支援に取り組む予定です。
「AI型DAP」とは?
DAP(Digital Adoption Platform)とは、ユーザーがデジタルツールやソフトウェアを効果的に使用できるよう支援するテクノロジーのことです。AI型DAPは、このDAPにAI技術を組み合わせることで、よりパーソナライズされた、予測的なサポートを提供し、ユーザーのシステム利用体験を向上させます。
統合HCMソリューション「POSITIVE」について
「POSITIVE」は、高度なグループ人材管理を実現する統合HCMソリューションです。人事・給与・就業管理といった基幹人事システムの主要機能に加え、タレントマネジメントやモバイル対応など広範な機能を網羅しています。大手・中堅企業向けパッケージとして、人事シェアードサービスの基盤システムにも多く採用されており、電通総研のHCMソリューションの中核として、3,000社以上の導入実績があります。
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「テックタッチ」について
テックタッチ株式会社が提供するAI型デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」は、国内シェアNo.1の実績を誇ります。800万人以上に利用され、大手企業や官公庁などにも多数導入されています。また、定性データを高精度で分析する「AI Central Voice」も提供を開始しており、ユーザーのシステムやAI活用支援を通じて、企業のポテンシャルを最大限に引き出すことを目指しています。
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電通総研について
電通総研は、「HUMANOLOGY for the future~人とテクノロジーで、その先をつくる。~」という企業ビジョンの下、「システムインテグレーション」「コンサルティング」「シンクタンク」の3つの機能連携により、社会全体の課題解決と進化を支援しています。「X Innovation(クロスイノベーション)」を推進し、人とテクノロジーの力で未来を切り拓き、新しい価値を創出し続けることを目指しています。
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