IOWN APNとは?NTTドコモビジネスが提供する全国広域分散GPU実証環境「GPU over APN Testbed」を徹底解説

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背景

生成AI、データ利活用、画像処理などの分野でGPUクラスタの重要性が高まる一方で、従来の単一データセンターでは、生成AIのモデルサイズ増大による処理量の変動やリソース確保の制約、データセンターごとのキャパシティや電力供給の制限に応じた運用など、さまざまな課題がありました。これらの課題に対し、データセンターの分散化が注目されており、各地に点在する大量データの高速な同期および転送が必要とされています。

NTTドコモビジネスは、従来の単一データセンター構成の課題に対する新たな取り組みとして、IOWN(R) APNを活用し、地理的に離れた場所に配置されたGPUを遅延なく一体的に利用するGPUクラスタの実証実験を進めてきました。

「GPU over APN Testbed」の主な特長

本実証環境は、広域ネットワーク環境下における分散GPU活用の実用性を検証するためのものです。IOWN(R) APNによる低遅延・大容量通信を活用することで、地理的に離れた拠点間でもGPUが一体的に利用可能となり、分散型のAI学習や推論、離れた拠点間でのデータ処理に関する検証を実際の環境で行うことができます。提供開始に先行して、複数の企業と連携し、実際のユースケースに基づいた検証も進められています。

主な特長は以下の通りです。

  1. IOWN(R) APNを活用した全国広域接続
    IOWN(R) APNによる100Gbps級の低遅延・大容量通信を活用し、全国に分散したGPUを1つのように連携させることが可能です。これにより、従来、距離やネットワークの遅延が制約となっていたGPU間の連携において、地理的な距離を意識することなくGPUを活用できる環境を実現しています。

  2. 広域かつ柔軟なGPU利用環境
    本実証環境では、地理的に離れた札幌、金沢、福岡、大阪、首都圏4ヶ所の計8拠点においてGPUを分散配置し、全国広域にまたがるGPU利用環境を実現しています。特定拠点へのリソース集中を避けながら、地域性や設置環境の違いを踏まえた分散GPU活用の有効性を検証できます。また、GPUは仮想マシン(1台の物理サーバー上にソフトウェアで複数の独立したコンピューター環境を作り出す仕組み)およびKubernetes(アプリケーションを複数のサーバー上に効率的に配置し、自動的に運用・管理するためのオープンソースソフトウェア)に対応し、マルチテナント(1つのシステムやサービスを複数の利用者が共用しつつ、データや設定を分離して安全に利用できる仕組み)で提供が可能なため、複数の企業やユーザーが1つのハードウェアを効率的に利用できる点も特長です。

  3. AIワークロードの技術検証
    NTTドコモビジネスがこれまで取り組んできた実証テーマである、分散AI学習、分散AI推論、RDMAを活用した拠点間の大容量データ転送などの技術検証についても、実際のネットワークやGPU環境で検証可能です。また、実際の運用を想定した環境構成を用意することで、分散型のAI基盤における性能の確認にとどまらず、システム運用面や構成設計上の課題についても検証を行うことができます。これにより、顧客のシステム環境への将来的な展開を見据え、実践的な分散型のAIワークロード検証の場を提供します。

GPU over APN testbedのイメージ図

今後の展開と「AI-Centric ICTプラットフォーム(R)」構想

本実証環境の提供を通じて得られた知見や技術的成果を活かし、今後はGPUサービスへの展開を進めていく方針です。また、顧客やパートナー企業とも連携しながら、本実証環境を活用したユースケースの創出を継続的に推進します。これにより、分散AI基盤の社会実装に向けた課題整理と知見の蓄積を進めるとともに、「AI-Centric ICTプラットフォーム(R)」構想の実現に向けて活用していきます。加えて、NTTグループにおけるAIネイティブインフラ「AIOWN」の展開を推進していくとのことです。

NTT docomo Businessロゴ

関連情報

AI Workstyle Lab編集部コメント

今回の「GPU over APN Testbed」の提供は、AIが社会の基盤となる未来に向けた重要な一歩と言えるでしょう。地理的な制約を超えてGPUリソースを一体的に活用できる環境は、大規模AIモデルの開発や推論の効率化に大きく貢献すると期待されます。しかし、この分散環境を最大限に活かすためには、データセキュリティの確保、異なる拠点間でのデータ整合性の維持、そして多様なAIワークロードに柔軟に対応できる運用体制の構築が課題として挙げられます。今後は、この実証環境から生まれる具体的なユースケースや、それが新たなビジネスモデルにどう結びつくかに注目が集まります。AI技術の進化と社会実装を加速させる上で、このようなインフラ整備は不可欠な要素です。

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記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

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