ELEMENTSが経済産業省・NEDO推進の「GENIAC」に採択
株式会社ELEMENTSは、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/データエコシステムの構築等に関する研究開発(GENIAC)」に採択されたことを発表しました。このプロジェクトは、日本の生成AI開発力強化と社会実装を目的とした大規模な取り組みです。

「熟練工の暗黙知」を国産AIの基盤資産へ
本事業では、日本の製造業における「熟練工の暗黙知」に焦点を当て、AIが学習可能なデータセットの構築を目指します。このデータセットは、経済産業省・NEDOが別途推進する「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」との連携も視野に入れています。
背景:学習データ枯渇と独自データの重要性
これまでの生成AIは、インターネット上の大量のテキストデータを学習することで性能を向上させてきました。しかし、Web上のオープンな学習データは枯渇が目前に迫っており、今後は企業や組織が保有する「独自データ」の活用がより一層重要になると考えられています。
製造業においては、Web上の公開データが限られているため、企業内の「独自データ」をAIの基盤モデルが扱える形式へと変換・標準化することが不可欠です。現在、多くの企業で設計書、仕様書、品質トラブル報告書、不具合履歴といったデータは、非構造化・非標準化のまま社内に分散している状況です。
ELEMENTSは、これまでに培った技術と知見を活かし、企業が持つ「独自データ」からAIが可読・学習可能な「構造化データセット」を作成します。さらに、人間のアクションなどの物理情報から「マルチモーダルデータセット」を作成することも計画されています。同社は、本人確認サービスで培った高セキュリティかつ大規模学習・高速推論の基盤と運用ノウハウを、このAIモデルの評価や領域特化型AI事業に応用していく方針です。
具体的な取り組み内容:2種類のデータセット構築
本事業では、「熟練工の暗黙知」を中心に、以下の2種類のデータセットを構築します。これらのデータセットは、「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」との連携を推進していく予定です。
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設計データや製造データを統合した構造化データセット
品質トラブル報告書、設計仕様書、検査記録、図面といった社内ドキュメントを、構造解析、OCR、意味抽出によってデジタル化します。この際、固有名の仮名化やマスキング化、機密情報のフィルタリングを行った上で、AIの基盤モデルが扱える形式へと変換・標準化します。 -
熟練工の作業を捉えたマルチモーダル人間動作データセット
熟練技術者の手元動作や全身動作を、一人称カメラ(撮影者自身の「目」の位置から記録する手法)と三人称カメラ(第三者の視点から全体を映し出す手法)で撮影します。さらに、判断の勘所を捉えた解説音声をあわせて記録し、「なぜその行動を取るのか」という暗黙知の意味付けを行います。これにより、動作・視覚・意図を結びつけた独自のデータ資産を構築します。

今後の展開:データエコシステムの構築とGXへの貢献
ELEMENTSは、本事業において製造業大手複数社からなるデータホルダーと連携し、日本の製造現場に蓄積された「暗黙知」をAIが学習可能なマルチモーダルデータセットへと形式化します。
これらのデータセットは、データ提供者、AI開発者、製造現場を結ぶ「データエコシステム」の中核として、要件を満たす国内事業者へ公平に提供される予定です。海外企業に依存しない、経済安全保障に資する国産データ基盤として運営し、経済産業省・NEDOが推進するフィジカルAI関連事業との連携も視野に入れています。
また、本事業はCO2排出削減と経済成長の同時実現を目指す「GX枠」として採択されました。ELEMENTSは、不良品削減と設計最適化による省エネ性能向上を通じて、製造業全体の生産性向上と環境負荷低減への貢献を目指しています。今後も、日本の製造現場に眠る知見を国産AIの基盤資産へと転換する取り組みを推進していくとしています。
ELEMENTS CLOUDについて
ELEMENTSグループが10年以上のAIサービス開発・提供で培ってきたセキュリティ、大規模学習、高速推論環境を構築するためのソフトウェア群によるクラウド環境構築およびデータセンター運営を行うサービスです。
詳細はこちら:
https://lp.elements-cloud.jp/
株式会社ELEMENTSについて
「BEYOND SCIENCE FICTION」をグループミッションに掲げ、個人認証、個人情報管理、個人最適化の3つのソリューションを展開する会社です。金融犯罪や大量生産・大量廃棄などがもたらす社会課題の解決を目指しています。現在の主力サービスであるオンライン本人確認サービスは、金融や通信など幅広い業界で700社以上に導入されています。
詳細はこちら:
https://elementsinc.jp/
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回のELEMENTSによる「GENIAC」採択は、日本の製造業におけるAI活用の新たな扉を開く重要な一歩と言えるでしょう。熟練工の「暗黙知」という、これまでデジタル化が困難とされてきた貴重な知見をAIデータとして形式化する試みは、企業にとって計り知れないビジネス価値を生み出す可能性を秘めています。これにより、技術継承の課題解決や生産性向上、品質安定化といった多岐にわたる領域での活用が期待されます。特に、製造ラインの最適化や新製品開発の効率化において、AIがより実践的な役割を担うことで、収益性の向上や競争力強化に直結すると考えられます。この取り組みが、日本の基幹産業である製造業のDXを加速させる起爆剤となることに注目しています。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。
