川村インターナショナル、生成AI活用「翻訳支援システム」で特許取得 – 翻訳の品質と効率を両立

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川村インターナショナル、生成AI活用「翻訳支援システム」で特許取得 – 翻訳の品質と効率を両立

株式会社川村インターナショナルは、AIを活用した「翻訳支援システムおよび翻訳支援方法」に関する特許を取得したことを発表しました。この特許技術は、同社のAI翻訳ソリューション「XMAT®(トランスマット)」にも実装されており、翻訳業務の効率化と品質向上に貢献することが期待されています。

XMAT®(トランスマット)

生成AIによる自動ポストエディット支援

今回の特許技術の核となるのは、生成AI(大規模言語モデル:LLM)を活用した機械翻訳のポストエディット(機械翻訳された文章を人間が修正・校正する作業)の自動支援です。従来の翻訳支援システムでは、用語の不使用や転記ミスを通知する注意喚起が中心で、修正作業自体の効率化は十分ではありませんでした。特に、誤訳や訳抜け、タグの位置ずれといった修正に多くの時間を要し、翻訳者の負担となっていました。

本特許技術では、生成AIが翻訳文の修正を自動的に繰り返し、AIが修正を行うたびに訳文の品質を評価します。修正が不要と判断されるか、所定回数の試行を終えるまでこのプロセスを継続することで、人手による確認・修正の手間を最小限に抑え、翻訳業務全体の処理能力(スループット)を向上させます。

特許技術の主な特長

この特許技術には、以下の主な特長があります。

  1. 生成AIによる自動修正の繰り返し最適化:AIが段階的に訳文の修正を繰り返し、一定の品質基準に達するまで改善を継続します。
  2. 修正内容の自動説明機能:AIが行った修正箇所について、日本語など指定言語で説明を生成するため、翻訳者は変更内容を容易に理解できます。
  3. タグ情報・文構造の保持:構造化された文書の構造を保持したまま修正を行い、文書全体の整合性を維持します。
  4. サブセット処理による並列高速化:翻訳文を部分的に分割して同時に処理することで、全体の処理時間を短縮します。
  5. ポストエディットの効率化を実証:AIによる反復修正により、最終精度が約95%に到達することが示されています。

期待される効果と今後の展開

本技術の導入により、翻訳業務におけるコスト削減、納期短縮、そして品質の安定化が同時に実現されることが期待されます。特に、企業のグローバル展開において不可欠な「スピード」と「品質」の両立を支援することが可能です。翻訳者は、AIが提案する修正やその説明を参照しながら確認作業を行うだけで済むため、より高度な判断や創造的な翻訳作業に集中できるようになります。

川村インターナショナルは、この特許技術をすでに自社の機械翻訳活用プラットフォーム「XMAT®」に実装済みです。また、英国XTM International社が提供するTMS(Translation Management System:翻訳プロジェクトの管理を支援するシステム)である「XTM Cloud」への導入も可能であり、今後は他社翻訳システムとの連携やAPI提供も視野に入れ、業界全体の生産性向上を推進していく方針です。

AI Workstyle Lab編集部の視点

今回の特許取得は、生成AIが翻訳業界にもたらす大きな変革の一端を示しています。特に注目すべきは、AIが単に翻訳するだけでなく、その後の修正作業までを自動化し、さらに修正内容を人間が理解しやすい形で説明するという点です。これは、AIが人間の作業を「代替」するだけでなく、「支援」し、協業することで全体のパフォーマンスを最大化する理想的なAI活用の形と言えるでしょう。

翻訳者の皆様は、AIが提供する高度な支援を活用することで、ルーティンワークから解放され、より専門的で創造的な業務に時間を割くことが可能になります。このようなAIと人間の協調は、翻訳業界のみならず、あらゆる知識労働において今後のAI活用の方向性を示すものとなります。

AI翻訳ソリューション「XMAT®(トランスマット)」について

「XMAT®」は、「すべての人に機械翻訳を ~ファイル翻訳からカスタマイズまで~」をコンセプトに開発されたAI翻訳ソリューションです。

主な機能

  • 「Quick MTテキスト翻訳」:みんなの自動翻訳からOpenAIまで、多様なエンジンが使用できます。

  • 「Quick MTドキュメント翻訳」:Word、Excel、PowerPoint、PDFなど、10種類以上のファイルを簡単に機械翻訳できます。

  • 「Quick PE」:原文の編集から出力結果の編集まで、高機能エディタで作業効率を向上させます。

  • 言語資産作成や機械翻訳エンジンのカスタマイズを高速にセルフサービス化できます。

詳細情報

  • 詳細ページ:https://ldxlab.io/xmat

  • 価格:1ユーザー5,500円~(税込)/月(月間翻訳文字数制限なし)

  • 利用可能な機械翻訳エンジン:みんなの自動翻訳@KI(商用版)やOpenAIなど8種類以上

  • 利用可能な言語:100以上の言語の組み合わせを利用可能

  • 無償トライアル可能期間:2週間(カスタマイズ機能のトライアル期間は1か月)

  • 機械翻訳エンジンのカスタマイズをマンガで解説:https://ldxlab.io/xmat_lac

特許情報

  • 特許番号:特許第7764079号

  • 発明の名称:翻訳支援システム及び翻訳支援方法

  • 出願人:株式会社川村インターナショナル

  • 発明者:星井 智、森口 功造、森 秀樹

  • 出願日:2025年4月16日

  • 登録日:2025年10月27日

株式会社川村インターナショナル 会社概要

株式会社川村インターナショナル

  • ホームページ:https://www.k-intl.co.jp/

  • 本社所在地:東京都新宿区神楽坂6-42 神楽坂喜多川ビル6階

  • 設立年月日:1986年1月

  • 代表取締役:森口 功造

  • 事業内容:翻訳・機械翻訳・ポストエディットなどの翻訳ソリューション、通訳、制作、人材派遣・紹介

  • 資本金:50,000,000円

この記事の情報
記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

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