AIがカスタマーサポートを変革する未来:パナソニックとRightTouchの協業が示す、顧客体験と業務効率化の新たな可能性

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RightTouchがパナソニックのカスタマーサポート再設計を支援

データとAIでカスタマーサポートを変革する株式会社RightTouchは、テレビ・オーディオ・カメラなどの製造、販売を手掛けるパナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社(以下、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション)において、AIオペレーター「QANT スピーク」の導入に加え、対話型AIエージェント「QANT Webエージェント」およびAI×VoCソリューション「QANT VoC」を新たに導入したことを発表しました。

この導入により、電話問い合わせの一部がAIオペレーター化され、24時間365日の顧客サポート体制が強化されました。結果として、営業時間外に累計5,000件以上の自己解決が実現しています。また、年間約50万件にのぼる商品相談窓口の有人対応を11%抑制し、顧客を極力待たせることのないサポートによる顧客体験の向上に貢献しています。

今回新たに導入された「QANT Webエージェント」と「QANT VoC」を活用することで、電話・Web・チャットといった複数のお客様接点から得られる顧客の声を横断的に捉え、顧客接点改善を継続的に進めるための基盤が構築されていきます。

本取り組みの詳細については、CS企画部の建部 峰志氏、川上 浩介氏のインタビュー記事も公開されています。

導入の背景と課題

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションでは、これまで幅広い製品を通じて顧客に価値を提供してきました。CS部門は、購入前から購入後、さらには買い替えに至るまで、顧客とのあらゆる接点をマネジメントする重要な役割を担っています。

同社のコンタクトセンターには年間約50万件の問い合わせが寄せられており、その多くが電話チャネルに集中していました。問い合わせ内容も製品の基本的な使用方法に関するものが中心で、混雑時には電話がつながりにくくなるなど、顧客体験の観点での課題が顕在化していた状況です。

こうした状況を受け、同社は電話という単一チャネルへの依存から脱却し、顧客が状況に応じて適切な接点を選択できる体験へと転換する必要性を認識しました。その第一歩として、電話起点の一次応対をAIで担う「QANT スピーク」を導入し、問い合わせ内容に応じて自己解決や有人対応へと適切につなぐ仕組みづくりに着手しました。

さらに、電話対応を起点としながらも、Web上での自己解決を支援する対話型AIエージェント「QANT Webエージェント」や、各チャネルで日々蓄積される応対ログを活用するためのAI×VoCソリューション「QANT VoC」など、顧客接点全体を見据えた取り組みが段階的に進められています。

活用の取り組みと効果

1. 既存FAQを活用し、短期間での本番リリースを実現

「QANT スピーク」は、聞き取った品番やお困りごとをもとに、AIが自動的に最適なFAQを提示する仕組みです。個別のシナリオフローを作り込む必要がないため、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションがこれまでに蓄積してきたFAQデータをそのまま活用し、わずか2ヶ月という短期間での本番リリースを実現しました。

2. 運用開始後のデータ分析による継続的な改善

導入後は、RightTouchの伴走支援のもと、実際の会話ログやレポート機能を用いて顧客がつまずいているポイントを特定し、約5ヶ月間で120回以上の改善が実施されました。現在は、FAQの内容をQANT スピーク上で回答するRAG(Retrieval-Augmented Generation)の検証も進められています。RAGは、大規模言語モデル(LLM)が回答を生成する際に、外部データベースから関連情報を検索・取得して組み込むことで、回答の精度と信頼性を高めるAI技術です。

3. 有人対応の抑制と営業時間外のサポート実現

現在、全入電の約18%の顧客がQANT スピークを利用しており、その結果として約11%の有人対応の抑制に成功しました。また、これまで対応できなかった営業時間外においても、リリースから2025年11月末までの累計で5,000件以上の自己解決を実現し、顧客の利便性向上に貢献しています。

4. WebエージェントやVoC活用でお客様接点全体の高度化に着手

Web上での自己解決を支援する対話型AIエージェント「QANT Webエージェント」を導入し、サポートサイトの一部で運用を開始しています。これにより、電話・Webといった複数のチャネルを横断しながら、顧客が状況に応じて適切な接点を選択できる環境の整備が進められています。
また、QANT スピークやQANT Webエージェント、有人対応を通じて蓄積される応対ログをQANT VoCで横断的に分析し、顧客のつまずきや情報不足のポイントを把握しています。得られた示唆をFAQや自己解決導線の改善に反映し、顧客接点全体の品質向上につなげる取り組みが進められています。

今後の展望

今後、サポートサイトの一部ですでに実装が進められている対話型AIエージェント「QANT Webエージェント」の全製品サイトへの展開を目指します。さらに将来的には、「QANT VoC」を活用してQANT スピークや有人対応のログを含む全てのVoC(お客様の声)を分析し、不足している情報を特定・整備することで、自己解決ツールの精度が自動的に向上していく循環を構築していく計画です。「全従業員がお客様の声を活用する」というビジョンの実現に向け、顧客が困ることのない製品・サービスづくりへと引き続き貢献していくとのことです。

本取り組みについては、CS企画部の建部 峰志氏、川上 浩介氏のインタビュー記事も公開されています。

「QANT」の提供価値

「QANT」は、カスタマーサポートの各業務・顧客接点でのAI実装を多面的に支援しつつ、業務全体をつなぎ、最適化することを可能にします。課題分析や企画案の作成、ナレッジ作成など、工数のかかる業務はAIで自動化し、内容の確認や意思決定、対人コミュニケーションなど人が必要となる領域に人が集中できるようにすることで、業務負荷を下げ、より良い顧客体験の創出に注力できるようになります。
また、この循環型のサイクルによる継続的なカスタマーサポートデータの蓄積をもとに、AIの精度を高める理想的なPDCAサイクルが生まれていきます。

HumanとAIの連携サイクルを示すQANTシステム図

QANT スピークについて

  • QANT スピーク製品ページ
    QANTスピークは、利用するほど賢くなり、応対範囲を拡張できる自己改善型のAIオペレーターです。AIオペレーター/有人応対のログを蓄積・活用し、応対→分析→ナレッジ改善のループを回し続けることで、精度と対応範囲を継続的に高めていく仕組みを備えています。

QANT VoCについて

  • QANT VoC製品ページ
    電話・チャット・メールなどを通じてコンタクトセンターに蓄積される顧客の声を、生成AIを用いた独自モデルで分析します。問い合わせデータの加工・分析から改善提案まで、ワンストップで自動化するVoC活用プロダクトです。VoCをあらゆる部門に届け、顧客中心の事業経営を支える基盤となります。

QANT Webエージェント(β)について

  • QANT Webエージェント製品ページ
    顧客との人間的な対話を通して困りごとを理解し適切な問題解決に導くことができる、”わかってくれる”対話型AIエージェントです。QANTプラットフォームに蓄積される顧客のWeb行動データやナレッジデータ、VoCデータと生成AIを組み合わせて活用することで、顧客一人ひとりに寄り添えるAgenticなサポート体験を提供します。

株式会社RightTouchについて

「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」をミッションに掲げ、人とAIの協働でPDCAを持続的に回せる循環型モデル「カスタマーサポートオートメーション」を推進する基盤「QANT(クアント)」を開発・提供しています。
VoC分析やWebサポート、コンタクトセンターオペレーション向けなど複数のプロダクトを通じて、工数削減とともに、CX/EXの飛躍的な向上を実現し、金融・インフラ・小売などさまざまな業界のエンタープライズ企業のカスタマーサポート(CS)変革を支援しています。株式会社プレイド(東証グロース 4165)からカーブアウトしたスタートアップです。


AI Workstyle Lab編集部コメント
今回のRightTouchとパナソニックの事例は、AIがカスタマーサポート領域において単なるコスト削減ツールに留まらない可能性を示唆しています。AIオペレーターが一次応対を担い、有人対応を効率化するだけでなく、営業時間外の自己解決を促進することで、顧客満足度向上に直結する新たな価値を創出しています。特に「QANT Webエージェント」や「QANT VoC」による顧客の声の横断的分析は、製品開発やサービス改善にも寄与し、企業の競争力強化に貢献するでしょう。あらゆる業界で、顧客接点のAI化がビジネス成長の鍵となる時代が到来していると言えます。

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この記事の情報
記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

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