InfiniCloud AIとは?国産プライベートAI基盤Ver2の進化と安全なデータ活用を徹底解説

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「InfiniCloud® AI」とは

「InfiniCloud® AI」は、巨大なパブリックAIでは扱いにくい機密情報や、企業固有の文脈、ローカルな業務課題を安全に解決するために設計された、国産プライベートAI基盤です。プライベートクラウドからオンプレミスでの完全隔離まで対応し、プロンプト、会話ログ、登録文書、参照データ、生成結果はユーザーが管理する環境内で完結して取り扱われます。これにより、情報は共用モデルの学習や利用者のプロファイリングなどの二次目的に一切利用されない構造となっています。

特に、以下のような組織や企業への導入が推奨されます。

  • 厳しいガバナンス・セキュリティ要件を持つ組織

    • 金融機関、医療機関、自治体・公共機関、防衛関連企業、大学・研究機関など、情報の外部持ち出しが法規制やインフラポリシーで制限されている組織。
  • 独自の知的資産を保護したい企業

    • 製造業の設計・開発部門や特許技術を扱う企業、公表前の経営情報を扱う企業など、AIに気兼ねなく社内データを投入して「所有」したい組織。
  • ITインフラ事業者・SIer

    • 自社SaaSや自社データセンター内にPrivate AIサービスを組み込み、OEMやパッケージとして顧客へ提供したい事業者。

主な特長

  • 完全隔離型(Air-Gap)によるデータ主権の確保
    インターネットに接続しない閉域環境での運用に対応し、プロンプトや社内ナレッジ、会話ログなどを外部のクラウドAIやサーバーへ一切送信しません。(※Webサーチエンジン機能や外部リモートLLMへのオフローディングを行う場合を除く。これらは管理者による設定が可能です。)

  • 「知識(RAG)」から「知恵(Fine-Tune)」への昇華
    マニュアルや規程類を基に回答する「RAG(検索拡張生成)」に留まらず、社内データから自動生成したQ&Aデータセットを用いてファインチューニング(LoRA)を行うことで、組織独自の思考パターンやトーンを内包した「業務特化型AI」を育成できます。このファインチューニングは、ユーザーが明示的に指定したデータを用いて、アクセス権のあるユーザーだけが使える知能ドメインにおいてAIの回答を改善する機能であり、InfiniCloudが第三者に提供する共用モデルの学習・改善、他社向けモデル、利用者プロファイリングに利用されることはありません。

  • 企業ユースに最適化された厳格な権限管理(RBAC/ACL)と内部統制
    「どの画面を開き、どの操作ができるか」を制御するロールベースアクセス制御(RBAC)と、「どの知能ドメインにどこまで触れるか」を制御するアクセス制御リスト(ACL)の2層構造を採用しています。さらに、「ステップアップ認証」や監査ログ機能を備え、厳しい内部統制・ガバナンスに対応します。

InfiniCloud® AI Ver2における主なアップデート内容

  1. 迷わず使える新UIへ刷新、チャット履歴の自動保存にも対応

    • さらに直感的になったUI設計
      ログイン画面、サイドバー、入力欄、設定画面、ダークモードなどの見た目と操作感が大きく改善され、誰もが迷わず使える洗練されたインターフェースになりました。

    • 会話履歴が消えない「サーバー保存」
      これまでのブラウザ一時保存からサーバー側での安全な自動保存に対応し、パソコンやスマホ、ブラウザを変えても過去の会話をいつでも引き継げます。保存される会話履歴はユーザー管理下の環境に保持され、利用するユーザーとの会話のみに使われ、第三者に共有されることはありません。

    • 「/」を入れるだけのコマンド補完
      入力欄に「/」を入れるだけで、利用できる業務自動化メニューや説明が表示され、チャットから直接スムーズに自動化プログラム(ワークフロー)を起動できます。

  2. AI自らが「証拠」を探して検証する高度な思考モードを搭載

    • 証拠駆動型思考(EDTMモード)
      複雑な質問や専門的なビジネス課題に対し、AI自身が自律的に関連する証拠を集め、内容を検証しながら回答を組み立てる、非常に賢い思考モードが利用可能になりました。

    • 探したい社内文書を逃さない検索強化
      意味合いで探す「ベクトル検索」とキーワードで探す「スパース検索」を組み合わせたハイブリッド検索を強化。「Agentic RAG(会話の文脈から検索ワードを自動補正する機能)」の搭載により、膨大な社内ドキュメントから目的の情報をより正確に引き出します。

  3. データの「真実」を厳格に守るSoT機能と、オフィス書類の高度な解析

    • ユーザー専用の安全なファイル置き場
      利用者ごとに安全な保存領域が追加され、チャットに添付した書類などの原本を安全にサーバー側で管理・確認できるようになりました。

    • データの正しさを守る「SoT(Source of Truth)管理」
      投入されたデータの正確性、版(バージョン)、承認状態、信頼度をシステム側で厳格に管理。AIが「古いマニュアルや間違った下書き」をベースに回答してしまうリスクを低減します。

    • 音声・画像の解析とOfficeファイルの読み込み精度向上
      音声ファイルの自動文字起こし機能や、スキャンされたPDF・画像に対する文字認識(VLM/OCR)が大幅に向上。さらにWordやExcel、PowerPoint内の図や表の構造を保ったまま、高精度に読み取ることが可能になりました。

  4. 複数サーバーでの負荷分散と、リソース不足を補う「リモート連携」

    • システムを止めない自動運用
      複数のAIサーバーへ処理を自動で振り分ける負荷分散や、システムを一切止めずにアップデートを行うローリング更新に対応しました。

    • 「リモートLLMプール」によるハイブリッド運用
      社内のGPUリソースが限られている小規模環境でも、外部の安全なAI環境を組み合わせてひとつの頭脳として束ね、協調して動かすことが可能になりました。これにより、一部の処理をオフロードすることが可能になっています。
      リモートLLMの例として、入力情報を原則として保存せず、AIの学習等にも使用しないことを明記している「さくらのAI Engine」など、お客様にてLAN内に汎用LLM基盤を用意している場合が挙げられます。

    • サイバー攻撃対策と秘密情報の隔離
      リモート連携時、システム内部を狙った不正なアクセス(SSRF攻撃)を遮断する防御機能を実装。また、接続に必要なAPIキーなどの重要な秘密情報は、基幹データベース内のみに厳重に隔離され、外部や周辺プロセスに流出しない安全設計が徹底されています。

  5. 事務作業を劇的に効率化するAI Agent機能「スキル/ワークフロー」の拡充

    • ワークフロー:ファイル単位、フォルダ内単位、会話単位の自動機能
      指定したファイル、フォルダ内のファイル、会話などを読み取り、AIによって処理(スキル)した結果を指定フォルダなどにファイル保存する機能を搭載しました。
      入力形式はテキスト、HTML、Markdown、Word、Excel、PowerPoint、PDF、画像(png、jpegなど)、音声ファイル(mp3、m4aなど)、json、csvなどに対応。
      出力形式はテキスト、HTML、Markdown、WordやExcelファイル形式に対応。

    • スキル:読み込んだものをAIによって自動的に処理する機能
      ワークフローにより指定した処理を、AIによって定型処理することが可能です。様々なファイルを、AIのスキルによってまとめたり、変換したりできます。

    • オフィスワークに特化型ツールの標準実装
      複数のファイル(PDFやWordなど)を参考にAIに集計させ、サマリーや記録、文書などを出力することが可能です。2つのファイルを比較し、新旧の規程比較差分表を自動作成するスキル、音声ファイルやメモからWord形式の議事録を作成するなど、日々の事務作業をサポートする自動化のためのテンプレートファイルがあらかじめ内蔵されています。

    • 独自のスキル/ワークフローの定義可能
      利用企業独自のワークフローとスキルの定義が可能です。企業機密のデータファイルからAIを用いて総合判断し、Wordレポートを作成するなどの応用が期待されます。
      例えば、オンプレミス環境やプライベートクラウド環境で運用することで、日々の業務日報から定型レポート作成、機器の測定データ(csv/json)の集計・整形・レポート化、個人情報を含む申請書類や社内文書からの必要項目の抽出など、外部AIに投入しづらい原本データを扱う業務にもAIスキル/ワークフローを適用できます。
      処理対象、参照範囲、出力先は管理者が許可した範囲に限定され、ユーザー管理下で、権限管理及び監査ログの対象となります。

  6. 管理画面の強化と、システム連携時の「繋がらない」をゼロにするテスト機能

    • 管理業務の効率化
      画面上から社内メンバーの招待(一括招待にも対応)が容易になり、サインアップの可否ポリシーの切り替えや、各種通知メールのテンプレート編集が管理画面から手軽に行えます。

    • 開発者を迷わせないAPI接続テスト
      社内システムや自社SaaSとAIを連携させるための「OpenAI互換API」を強化。その場で1クリック疎通テスト(正常に接続できるかの確認)ができるボタンを配備しました。開発時によくある「URLが分からない」「原因不明で繋がらない」といったトラブルをAPIの発行画面上で即座に解決できます。

本製品に関する導入のご相談

「InfiniCloud® AI」は、システムインテグレーター(SIer)やOEMパートナーを通じた「ハードウェア+ソフトウェア」の一体提供、またはソフトウェア単体の「ソフトウェアサブスクリプション」で提供されています。詳細なキャパシティプランニングやPoC(概念実証)の実施については、InfiniCloud株式会社のWebサイトよりお問い合わせください。

InfiniCloud株式会社について

InfiniCloud株式会社は、「ストレージ」「サーバー」「ネットワーク」それぞれの技術をソフトウェアの力で柔軟に組み合わせ、「日本品質」にこだわり、ミッションクリティカルで安定したコストパフォーマンスの高いクラウドサービスを提供しています。

  • 所在地:静岡県静岡市葵区呉服町2-1-5 五風来館5F

  • 代表者:代表取締役CEO 瀧 康史

  • 設立:2001年11月

  • 事業:クラウドインフラ賃貸事業、ホスティング事業、クラウドソフトウェア開発事業、ネットワーク、サーバーインフラの構築、保守管理業務

  • URL:https://infinicloud.com/

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AI Workstyle Lab編集部コメント

InfiniCloud AI Ver2のリリースは、特に厳しい情報ガバナンスが求められる企業にとって画期的な一歩となるでしょう。機密情報を外部に漏らすリスクなく、社内データに基づいたAI活用が可能になることで、金融機関や医療機関、公共機関といった領域でのAI導入が加速する可能性を秘めています。また、「証拠駆動型思考モード」や「SoT管理」は、AIの回答の信頼性を高め、ハルシネーション(AIの誤情報生成)のリスクを低減する上で非常に重要です。これにより、これまでAI活用に躊躇していた企業も、より安心して業務にAIを組み込み、収益向上や効率化に繋げられると期待されます。AI Agent機能の拡充も、定型業務の自動化を大きく推進し、従業員がより創造的なコア業務に集中できる環境を創出するはずです。

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記事の著者
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