LINEヤフーの「AX(AI Transformation)」とは?「Tech-Verse 2026」で語られたAI駆動開発の全貌

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組織のAI変革「AX」への挑戦

カンファレンスの冒頭で行われたKeynote(基調講演)には、LINEヤフーの上級執行役員 CTO(Chief Technology Officer)である朴 イビン氏と、AI CBUリードの並木良太氏が登壇しました。両氏は、開発環境や組織そのものをAI前提へと変革する「AX(AI Transformation)」の取り組みなど、LINEヤフーがものづくりの未来を切り拓くための技術戦略について解説しました。

ステージ上で2人の人物がプレゼンテーションを行っている様子です。両者とも黒いTシャツとヘッドセットを着用し、背景のスクリーンには関連するテキストが表示されています。

生成AIブランド「Agent i」とそれを支える技術基盤

Keynoteではまず、2026年4月に発表された生成AIブランド「Agent i」が紹介されました。「毎日のそばに、だれでも使えるAIを。」をコンセプトに、Agent iは「お買い物」「おでかけ」「レシピ」など、日常生活をサポートする累計22領域のAIエージェントを展開しています。

開発者は、多数のAIエージェントを連携させ、ユーザーの意図をより深く理解することで、AI体験を「探す前に必要なことが出てくる」ステージへと進化させ、日々のあらゆる瞬間に便利さを届けたいと考えています。この思いは、具体的な機能紹介とともに語られました。

Agent iなどのプロダクト開発を支える技術基盤についても説明がありました。多数のAIエージェントを短期間で開発するためには、開発の民主化が不可欠であるという考えのもと、AI専門のエンジニアでなくても1日でAIエージェントを立ち上げられるツール「Agent Builder」を開発。AIエージェントを簡単に社内データやAPIに接続でき、さらに誰が何に接続しているのか追跡できるツールなども併せて開発することで、「速さと安全・ガバナンス」の両立を実現しています。

また、AIエージェントによる高精度なパーソナライズされた回答を実現するための挑戦として、ユーザーとの対話履歴を取捨選択し、適切に長期保存する「Long-term Memory」や、Agent iの会話とLINEやYahoo! JAPANサービスの利用データを都度連携し、プロンプトなしでも瞬時に最適な回答ができるようにする「Memory Aggregator」といった構想が紹介されました。

AI駆動開発による組織全体の生産性向上

Agent iをはじめとしたさまざまなプロダクトを開発する組織も、AI前提へと進化(AX)することが求められています。30年以上の歴史と100以上のサービスを展開するLINEヤフーにとって、AXは大きな挑戦であり、5段階にわたる計画を立て、戦略的かつ段階的に進められていることが紹介されました。

社内の「システム・データ」そして「人」をAXする段階を経て、次に核となる概念が「AI駆動開発」です。AIを補助ツールに留めず開発の各工程に組み込むAI駆動開発では、コーディング以上に企画・設計段階のAXが重要視されています。社内のドキュメントをAIが理解できる形に構造化したり、サービス間の関係を可視化したりすることで、企画・設計段階のAXを推進しています。これらの取り組みの結果、長期間にわたり運用されてきた大規模なシステム群においても、AIが書くコードの量は過去1年間で全体の20%に達しました。2026年は、個人レベルの生産性向上から、組織・サービスレベルの生産性向上へと、AXを一層加速させていく方針です。

LINEヤフーは、「WOW Our Users!」をミッションに掲げ、ユーザーに想像を超える体験を届けるサービスづくりを推進しています。今後もAI領域におけるプロダクト開発と人材育成を加速し、インターネットの力を通じて、より豊かで便利な暮らしの実現に貢献していくとしています。

AI Workstyle Lab編集部コメント

LINEヤフーが提唱する「AX(AI Transformation)」は、単なるAIツールの導入に留まらず、組織構造や開発プロセスそのものをAI前提に再構築する点で、多くの企業にとって示唆に富んでいます。特に「AI駆動開発」は、AIを補助ツールではなく、企画・設計段階から深く組み込むことで、開発効率と品質を同時に向上させる可能性を秘めています。これにより、企業はこれまで以上に迅速に、そして少ないリソースで新しいサービスやプロダクトを生み出すことができるでしょう。今後、AIを活用した組織変革は、企業の競争力を決定づける重要な要素となり、新たな収益機会の創出や既存業務の劇的な効率化に繋がると考えられます。中小企業においても、この考え方を参考に、段階的なAI導入と組織改革を進めることが、持続的な成長への鍵となるはずです。

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AI Workstyle Lab 編集部

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