ソフトバンクとエリクソン、5G商用ネットワークで「AI in RAN」を実証
ソフトバンク株式会社とエリクソン・ジャパン株式会社は、ソフトバンクの5G(第5世代移動通信システム)商用ネットワークにおいて、エリクソンの「AI in RAN」ソフトウエアの機能である、AIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラーの有効性を日本で初めて実証しました。
この実証では、RAN(無線アクセスネットワーク)の内部にAI(人工知能)を直接適用し、リアルタイムで動作させました。その結果、従来の技術と比較してスペクトル効率が最大約25%、下りユーザースループットが最大約50%向上したことが確認されています。全ての評価エリアにおいて、スペクトル効率と下りユーザースループットが共に平均約10%改善し、一貫して性能を向上できることが示されました。この成果は、AIネイティブなモバイルネットワークの進化に向けた重要な一歩と位置づけられています。
スペクトル効率とは、与えられた周波数帯域幅でどれだけ多くのトラフィックを伝送できるかを示す指標です。
AI活用が求められる背景とRANへのAI適用
近年、生成AIなどの普及により、AIアシスタントや自律型エージェント、没入型アプリケーションなどの利用シーンが拡大しています。これに伴い、モバイルネットワークにはトラフィック増加だけでなく、新たなトラフィックパターンやより高度な接続ニーズへの対応が求められています。こうした需要に対して、ネットワーク容量の増強だけでは十分に対応しきれないケースも出てきています。
そこで、RANにAIを直接適用することで、無線環境やトラフィックの変化に柔軟に対応し、ネットワークの性能と効率を最適化するとともに、既存のリソースを有効活用することが可能になります。今回の実証では、エリクソンの「AI in RAN」の機能の一つであるAIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラーを5G商用ネットワークで検証し、AIネイティブ技術が既存ネットワークの性能を高め、次世代のAIサービスを支える高性能な通信基盤の構築に貢献できることが確認されました。

リアルタイムで5Gの性能を最適化するAI
従来のリンクアダプテーション(電波状況に応じて変調方式や符号化率をリアルタイムに調整し、データレートを最適化する技術)の最適化手法は、主にオフラインでの分析や静的なパラメーター設定に基づくルールベースのアルゴリズムに依存していました。これに対し、エリクソンのAIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラーは、通信基地局のベースバンド装置上にあるAIのリアルタイムな判断に基づいて実行されます。
AIモデルが複雑かつ刻々と変化する無線環境への対応を学習し、推論することで、以下の事柄が実現可能になります。
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セル境界や電波干渉が大きいエリア内のユーザーに対するリンクパラメーター設定の最適化
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セル境界や混雑したエリアなどの厳しい無線環境下におけるユーザースループットの安定化
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スペクトル効率の向上による、既存周波数帯域でのトラフィック収容能力の拡大
今回の実証は、5G Advancedや将来の6G(第6世代移動通信システム)に向けた連携を通して、AIが高性能かつセキュアで柔軟なネットワークの実現に貢献できることを示しました。
AIネイティブなRANに向けた技術協力
今回の実証は、ソフトバンクとエリクソンのAIネイティブなRAN実現に向けた協業の一環として実施されました。各社の役割は以下の通りです。
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ソフトバンク: トラフィック特性を踏まえた評価エリアの要件定義
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エリクソン: 実際のネットワークデータを用いたAIネイティブ・リンクアダプテーション用スケジューラーモデルの学習、学習済みモデルを使用したチャネル容量予測および最適な下り伝送レートのリアルタイム選択の実装・チューニング
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両社: パラメーター設計から評価までを継続的に連携して実施
今後両社は、ソフトバンクのネットワークから得られた知見と、エリクソンの「AI in RAN」に関する専門知識を組み合わせることで、ソフトバンクの運用環境に即したネットワーク性能のさらなる向上と、AIネイティブなRANソフトウエアの継続的な進化を目指していく方針です。
ソフトバンクの常務執行役員 兼 CNOの大矢晃之氏は、AIの社会実装が進む中でモバイルネットワークに求められる大容量かつ変動性の高いトラフィックへの対応の重要性を強調し、今回の成果が将来のAI時代を支えるネットワーク実現に向けた大きな一歩であると述べています。
エリクソンのネットワーク戦略・製品管理部門責任者のマーテン・ラーナー氏は、テレコムグレードのAIをRANに適用し、リアルタイム最適化を通じて5G商用ネットワークの性能と効率を向上させた今回の実証の重要性を語っています。また、エリクソン・ジャパンの代表取締役社長のジャワッド・マンスール氏は、RANへのAI直接適用による大幅な性能向上を確認し、AIネイティブ技術を通じてネットワーク性能と効率を高め、将来のAIトラフィック需要に対応するネットワーク基盤の実現に貢献していく意向を示しました。
関連情報
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Ericsson AI in RAN: https://www.ericsson.com/en/portfolio/networks/ericsson-radio-system/radio-system-software/ericsson-ai-ran/ericsson-ai-in-ran (英語)
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AI RAN ― Smarter connectivity: https://www.ericsson.com/en/ai/ran (英語)
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よりスマートなRANへ―エリクソン、AIを最適な場所に組み込む新ソフトウェアを発表: https://www.ericsson.com/ja/news/2026/6/the-ran-gets-smarter-ericsson-puts-ai-where-it-matters
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エリクソンについて: http://www.ericsson.com/
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エリクソンニュースルーム: https://www.ericsson.com/en/newsroom
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エリクソン・ジャパンについて: https://www.ericsson.com/ja/about-us/company-facts/ericsson-worldwide/japan
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回の実証は、5Gネットワークの性能を飛躍的に向上させる「AI in RAN」技術の具体的な有効性を示しました。従来のルールベースの最適化では難しかった、刻々と変化する無線環境へのリアルタイムな適応をAIが担うことで、スペクトル効率やユーザースループットが大幅に改善されています。これは、5G Advancedや6Gといった次世代通信技術において、AIがネットワークの基盤として不可欠な要素となることを明確に示唆しており、将来のAIサービスを支える高性能な通信インフラの構築に大きく貢献するでしょう。AIとネットワークの融合は、今後さらに加速していくと予測されます。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

