事業環境とIT担当者の変化
業績が好調な企業は41%に達し、IT予算を増額する企業も35.6%とコロナ禍以降で最大レベルに回復しました。IT担当者が一人で全ての業務を担う「ワンオペ情シス」の割合は22.4%と、調査開始以来最も低い数値となっています。
IT担当者の勤務時間に関しては、PC運用などの従来業務は「変わらない」と回答する企業が多かった一方で、生成AI開発や情報戦略策定、IT人材管理といった「攻めのIT」領域で勤務時間が増加していることが明らかになりました。

IT投資額と組織の変化
年間IT投資額は全体的に微減傾向にあるものの、サーバ、ストレージ、バックアップといったインフラ投資は軒並み2桁増加しています。IT担当者の業務割合では、既存環境の運用業務にかかる時間が前年度比で5.1%減少しており、AI活用を含む情報戦略策定やシステム開発・導入が増加しました。


IT基盤の保守運用については、46%の企業が外部委託しており、サーバやネットワーク基盤の運用・管理を純粋に外部委託する企業は23%を占めています。
インフラ投資の動向とWindows 11移行
メモリやSSD価格の高騰がある中で、PC刷新は「予定通り」が44.0%、「前倒し」が22.4%となり、約66%の企業が継続または加速する姿勢を見せています。一方で、高額なサーバ刷新については3割以上が保留しており、慎重な姿勢がうかがえます。

Windows 11への移行は7割弱の企業で完了しているものの、約3割は「一部のみ/これから」と回答しており、旧OSを長期利用している層が残存しています。PCの更新サイクルが「5年以上」の企業が過半数(52.8%)を占め、性能不足やセキュリティリスクの長期化が懸念されます。

インフラ基盤としては「オンプレミス中心」が51.8%、「ハイブリッド」が23.6%と依然として多数派です。Broadcom社の動向などを背景に、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)から3Tier(スリーティア)への移行など、「脱VM(仮想環境)」の動きが加速しています。

サイバーセキュリティとデータ保護
直近半年間で約6社に1社(16.2%)が何らかのセキュリティ事故を経験しており、被害内容としてはフィッシング詐欺(33.7%)、ランサムウェア(24.1%)、不正ログイン(23.5%)が上位を占めています。


ランサムウェアの被害からの復旧期間は1か月以内が中心で、調査・復旧費用は100万円未満が過半数を占めています。メール、Web、VPNを入り口としたランサムウェア侵入が大きなリスクとなっています。

ランサムウェア対策として「バックアップ」が最も重視されています(61.2%)。しかし、データ復旧に自信がある企業は約4割にとどまっており、実際の「備え」と「確実な復旧」の間にはギャップが存在している状況です。


多層防御や具体的な導入計画は、特に中小企業において大きく不足している傾向が見られます。セキュリティ運用の課題としては、昨年と比較して「どこまで実施できているか分からない」「最新の脅威情報の収集先がない」「パッチ適用・脆弱性対応が追いつかない」といった、運用・可視化・継続改善に関する課題が目立つようになっています。


SASE/ZTNAやIAMといったゼロトラスト関連技術を導入している企業でも被害が必ずしも減少しているわけではなく、ツールの導入だけでなく運用プロセスの構築や従業員教育が成否を分けていることが示唆されています。

クラウド・SaaS活用とITアウトソーシング
IaaSの普及率は約39%で頭打ちの傾向が見られますが、オンラインストレージは半数以上が本格利用段階に達しています。

IaaSの利用用途としては、グループウェアやファイル管理、バックオフィス業務を中心にクラウド利用が進む一方で、受発注、生産、在庫などの基幹系システムのクラウド移行は限定的です。利用サービスでは、AWSとMicrosoft Azureが突出しており、事実上2大選択肢となっています。

オンラインストレージは「半数超が本格利用」の段階に到達し、合計で52.8%を占めます。一方で、約2割は利用しておらず、導入済み企業と未導入企業の二極化が浮き彫りになりました。

クラウドバックアップの利用は「まだ3割強」にとどまり、未利用が4割を超えています。バックアップ自体は広く実施されているものの、クラウドを活用したオフサイトバックアップや災害対策まで踏み込んでいる企業はまだ少数派です。

グループウェアとAIの相関では、グループウェアと同一ベンダーのAI(CopilotやGeminiなど)が第一候補になる傾向がありますが、複数のAIサービスを併用するユーザーも多数派となっています。

デジタル化・生成AIの投資と実装状況
DX推進体制については、約9割の企業でIT部門が中心となっており、人材確保の軸は「自社育成+外部連携」のハイブリッド型です。

DXの取り組みはワークフロー電子化など「電子化・見える化」が主戦場であり、約半数の企業がDXの進捗を「進んでいない・遅れている」と自己評価しています。

AI/生成AIへの投資は本格化しており、100万円以上を投資予定の企業は68.1%に達し、投資項目として初めてトップとなりました。AI PCの活用はまだ限定的ですが、2026年は「実験フェーズ」から「用途が明確な業種での本格活用」へ移行する過渡期であり、AI投資の増加に伴いAI PCのニーズも拡大傾向にあると見られます。


モダンインフラの胎動
ワークロード構成は、全体では「物理中心」が約6割を占めていますが、従業員500名以上の企業では仮想・コンテナなどの「非物理中心」が約6割に達しています。

データセンター利用企業の約6割が何らかの課題を抱えており、特に従業員規模が大きい企業ほど「運用コスト」と「人材・スキル不足」が顕在化しています。

GPUサーバの導入は全体で1割未満と少数派ですが、導入企業では推論、学習、VDI/可視化など用途が分化しており、AI PCやモジュラーDCと組み合わせたハイブリッド構成を志向する動きが見られました。

調査結果の総括
今回の調査結果は、中堅中小企業のIT投資がAI投資の標準化、モダンインフラへの回帰、セキュリティ・BCPの高度化といった大きな転換期を迎えていることを示しています。メモリ・SSD高騰下でもPC刷新は選別して加速させる一方、旧環境を抱える企業は投資を先送りする傾向が見られます。経営主導のITロードマップ策定が、今後の成長における重要な要素となるでしょう。
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回の調査結果は、中堅中小企業がAIを単なる先進技術ではなく、事業成長のための必須投資と捉え始めていることを明確に示しています。特にAI/生成AIへの積極的な投資意欲は、業務効率化、新規サービス開発、顧客体験向上など、多岐にわたるビジネス領域での活用が期待されます。一方で、モダンインフラへの回帰やセキュリティ対策の強化は、AI活用を支える基盤の重要性を浮き彫りにしています。企業は、AI投資と合わせて、その基盤となるITインフラやセキュリティ対策にもバランス良く注力することで、持続的な成長と競争力強化を実現できるでしょう。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。
