AI義肢装具が拓く医療のフロンティア:オルトモスグループとインスタリムの提携が示す可能性

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オルトモスグループ、インスタリム株式会社への出資および義肢装具分野における基本合意書を締結

「医療・健康の力で、生命、生活、未来に光を灯す」をパーパスに掲げるオルトモスグループのオルトモスインベストメント株式会社は、AIおよび3D-CAD、3Dプリント技術を活用した義肢装具のデジタル製造ソリューションを展開するインスタリム株式会社が実施したJ-KISS型新株予約権による資金調達を引き受け、出資を行いました。また、同じくオルトモスグループのアルケア株式会社とインスタリムは、義肢装具分野におけるデジタル技術活用の可能性について基本合意書を締結しました。

義肢装具を取り巻く世界および日本の課題

WHOおよびユニセフの報告によると、義肢を含む支援機器を必要とする人は25億人以上いるとされ、そのうち10億人近くは機器を手に入れることができていません。特に低・中所得国においては、実際に機器を入手できている人は約3%に留まっているとされています※1。疾患や負傷による身体変化で義足を必要とする人々の多くが、依然として適切な支援を受けられていない現状があります。

義肢装具の課題としては、製造の多くが専門職による手作業であることによる生産能力の制約とコストの高さ、国・地域ごとの医療・サポート体制の不足が挙げられます。これにより、必要な人に適切な製品とサービスが十分に届かず、個々の身体変化に対応したフィット感の維持や継続使用を支える仕組みが不十分であると報告されています※2,3。日本国内においても、医療の高度化に伴う十分な供給体制の維持が課題となっています※4,5。

【注釈の参照元】

オルトモスインベストメントによるインスタリムへの出資の目的

オルトモスグループは、「医療・健康の力で、生命、生活、未来に光を灯す」をパーパスに掲げ、医療現場と在宅介護の隔たり、多職種連携における境界、医療・介護従事者と患者・生活者との距離といった、ケア提供における分断や各種規制の壁を解消することで、医療と健康の境界を越える挑戦を続けています。このパーパス実現に向けて、オルトモスインベストメントは、医療の効率化と、医療現場および日常生活で広く活用されるソリューションの創出を投資テーマの中核に据えています。

今回オルトモスインベストメントが出資を決定したインスタリムは、義肢装具分野においてAIおよび3D-CAD、3Dプリント技術を活用した製造工程のデジタル化を実現し、設計から製造、提供までを一貫して手がける企業です。同社の技術は、従来の専門職による手作業での製造プロセスを効率化し、生産性向上と従来の約10分の1以下という低コスト化の両立を可能にしています。現在、フィリピンやインドなどのグローバルサウスで事業を展開し実績を積み重ねており、この実績を背景に、新たな製造・提供モデルの世界的な確立が期待されています。

同社の技術力と、オルトモスグループの知見・ネットワークを組み合わせることで新たな価値創出が期待され、今回の出資が決定されました。オルトモスインベストメントは今後も、医療・ヘルスケア領域における課題解決に資する投資を通じて、持続可能な医療の実現に貢献していく方針です。

アルケアとインスタリムの基本合意書締結の目的

オルトモスインベストメントによるインスタリムへの出資を契機として、インスタリムとアルケアとの間で協議を重ねた結果、相互の強みを掛け合わせることで義肢装具分野における課題解決をさらに加速していくため、協業の可能性を検討する基本合意書を締結しました。

義肢装具分野においては、インスタリムが保有するAIおよび3D-CAD、3Dプリント技術のみならず、人体との接合部における義足ソケット(断端部と義足をつなぐ接続部)の適合性、柔軟な固定方法、皮膚・人体への負担軽減といった未解決課題や、同じ課題を持つ義肢・装具・福祉用具などへのデジタル技術の展開、さらに各国で異なる制度・流通を含めた事業基盤との統合が不可欠と考えられます。インスタリムの技術と、アルケアが長年培ってきた皮膚生理・人間工学などを基とした粘着・樹脂・製品開発に関する技術・ノウハウ、医療従事者とのつながりや事業基盤を組み合わせることで、従来の枠組みを超えた価値創出が可能になると判断し、次の3点について共同で検討を進めていきます。

  1. 調整可能な義足ソケットソリューションの共同検討
    難治性や対応が難しい症例に対して、インスタリムのAI・3D-CAD・3Dプリント技術を活用し、患者さんや医療従事者がフィット感を調整できる新しい義足ソケットソリューションについて共同検討します。

  2. デジタル技術による装具・福祉用具開発の共同検討
    高齢化や慢性疾患による身体変形に対応するため、長期的に使用できる装具・福祉用具の開発を目指します。この分野においてインスタリムのデジタル技術を活用し、製品開発と製造プロセスの両面から革新を目指します。

  3. 日本市場での事業展開の共同検討
    日本市場において、デジタル技術を活用した義肢装具の事業化を共同で検討します。

今後も両社は、義肢装具分野の課題解決に向けて連携し、新たな提供モデルの構築に共同で取り組んでいく方針です。

インスタリム株式会社について

「必要とするすべての人が、質の高い義肢装具を手に入れられる世界」というビジョンのもと、2017年に創業した日本発のディープテック・スタートアップです。世界で初めて3Dプリント義足の実用化に成功した企業として、独自開発の3Dプリンタ・3Dモデリングソフトウェア・AI技術により、従来アナログだった義足製造工程をフルデジタル化し、義肢装具士一人あたりの製造能力を10倍以上に引き上げる「3D義足製造ソリューション」を確立しました。現在、フィリピン・インドにおける自社クリニック事業と、世界各国の義足・装具製作所へのライセンス事業の二軸で事業展開し、世界の医療格差の解消に取り組んでいます。

  • 社名 :インスタリム株式会社

  • 所在地 :東京都墨田区横川1-16-3

  • 代表者 :代表取締役CEO 徳島 泰

  • 設立 :2017年3月

  • 資本金 :1億円

  • 事業内容:AIおよび3D技術を活用した義肢装具と製造ソリューションの開発・製造・販売・ライセンス

  • URLhttps://www.instalimb.com/

オルトモスインベストメント株式会社について

オルトモスホールディングス株式会社の完全子会社として2025年10月に設立された、医療・健康領域を主な対象とした投資事業会社です。投資事業を新たな価値を社会に実装するための「共創の起点」と位置づけ、次世代の「医療」と「健康」を支えるソリューションを生み出そうとする企業に長期的な視点で伴走し、オルトモスグループが持つ知識やネットワークと掛け合わせることで、新たな事業群や価値の創出を目指しています。

  • 社名:オルトモスインベストメント株式会社

  • 所在地:東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル19階

  • 代表者:代表取締役社長 貝賀 貴光

  • 設立:2025年10月

  • 資本金:3,000万円

  • 事業内容:医療・健康にかかわる産業領域の企業に対する投資業務、共創支援

  • URLhttps://www.altomos.co.jp/altomosinvestment.html

アルケア株式会社について

1953年に国産初の石膏ギプス包帯「スピードギプス」の開発・製造に成功し、1955年に創業した、オルトモスグループの医療用製品事業会社です。ケアをする人・ケアを受ける人の双方にとって「親切な製品をつくる」という創業当時の想いを受け継ぎ、褥瘡・創傷領域、看護領域、ストーマ領域、整形外科領域の4つの専門領域で、現場ニーズを製品・情報・サービスへと具現化し、価値を創出しています。予防から社会復帰に至るまでの医療のケアプロセスを看護から支えるインフラ企業として社会とつながり、「人に寄り添う” かんご “を、世界のスタンダードに。」することを目指して挑戦し続けています。

  • 社名 :アルケア株式会社

  • 所在地:東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル19階

  • 代表者:代表取締役社長 伊藤 克己

  • 創業:1955年7月

  • 設立 :1973年5月

  • 資本金:9,000万円

  • 事業内容 :医療機器、医療用消耗材料の開発、製造、販売および輸出入

  • URLhttps://www.alcare.co.jp/

【新規投資に関するお問い合わせ先】
オルトモスホールディングス株式会社/オルトモスインベストメント株式会社へのお問い合わせは、下記フォームにて承ります。
https://www.altomos.co.jp/inquiry/company/index.html


AI Workstyle Lab編集部コメント

オルトモスグループとインスタリムの協業は、AIと3Dプリント技術が医療分野、特に義肢装具の製造と供給に革新をもたらす可能性を示しています。インスタリムの技術は、従来の製造プロセスのボトルネックを解消し、生産性向上と大幅なコスト削減を実現するため、グローバルサウスでの事業展開において大きな競争優位性を持つでしょう。このアプローチは、他の医療機器や福祉用具のデジタル化にも応用可能であり、医療機器メーカーやスタートアップにとって、新たな市場開拓や効率的な製品開発のヒントとなるはずです。将来的には、パーソナライズされた医療ソリューションがより手軽に提供される未来が期待されます。

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