AIエージェントが経済を動かす未来へ:アライドアーキテクツ「ASCON」参画が示す資産運用の新常識

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アライドアーキテクツ、AIエージェント経済コンペ「ASCON」へ参画

アライドアーキテクツ株式会社は、一般社団法人 Nyx Foundationが主催するAIエージェントによる経済コンペティション「ASCON(Agentic Simulation for eCONomics competition)」に参画することを発表しました。この参画は、同社グループの資産AX事業における「α戦略」の強化を目的としています。

α戦略とは、暗号資産を単に保有して値上がり益を待つだけでなく、保有資産をオンチェーン(※1)で運用し、相場の局面を問わず値上がり益に加えて利回りを獲得していく運用戦略です。ASCONは、AIエージェント同士が急変する市場環境で収益獲得、攻撃、検証を競い合う実戦環境であり、アライドアーキテクツはこれを以下の2つの側面から資産AX事業に活用します。

  1. 相場の局面を問わず安定した利回り獲得に有効な運用アプローチの知見獲得
  2. オンチェーン運用の安全性を客観的に評価する仕組みの高度化

資産AX事業の「α戦略」とは:保有するだけでなく、運用して利回りを取る

従来の暗号資産投資は、購入して保管し、値上がり益のみを期待する「買って、保管するだけ」の戦略が主流でした。これに対し、アライドアーキテクツグループ(運用実務は連結子会社Allied Verse Pte. Ltd.が担当)のα戦略は、暗号資産へのエクスポージャー(※2)を維持しつつ、保有資産をオンチェーンで運用することで、値上がり益に加えて利回りを獲得する戦略です。

具体的には、ステーキング(※3)・バリデータ(※4)運用、DeFi(※5)運用、利回りを生む資産への投資などを組み合わせ、相場状況に左右されずに資産を積み上げることを目指します。

2026年12月期第2四半期には、この戦略の最初の検証結果として、月次年率換算で13%超の運用利回りを獲得し、資産AX事業が黒字転換したことが報告されています。また、セルフカストディウォレット(※6)を用いたDeFi運用フローの稼働や、ソラナ(Solana)ブロックチェーン上での自社バリデータ運用を開始。さらに、「利回りを生むビットコイン」を実現するApyxのシードラウンドへの参画や、ナスダック上場DeFi Development Corpとの戦略的パートナーシップ構築も進められています。

α戦略の成功は、「運用体制」「グローバルパートナー」「監査に耐える会計実務」の3つの要素を同時に追求できる能力にかかっており、ASCONへの参画はこの取り組みを加速させるものと位置付けられています。

ASCONで「α戦略」をどう強化するのか

ASCONに参加するAIエージェントは、「Trader(収益獲得)」「Hacker(攻撃)」「Verifier(検証)」の主に3つの機能を備えています。アライドアーキテクツは、このAIエージェント間の競争結果を、資産AX事業に以下の2つの観点から活用します。

1. 利回り獲得に有効な運用アプローチの知見獲得

ASCONの勝敗は、価格の急変、流動性の低下、清算(※7)、ステーブルコイン(※8)の価格乖離といった市場シナリオの中で、最も安定して利益を上げ続けられたかによって決まります。これは、α戦略が目指す「相場の局面を問わず利回りを獲得する運用」と合致するものです。競技終了後に公開されるデータや、協賛企業に提供される中間ログの分析を通じて、アライドアーキテクツグループは「どのような市場局面で、どのような運用アプローチが有効か」という知見を獲得し、自社の運用戦略検討に役立てます。

2. オンチェーン運用の安全性評価の高度化

利回りを追求する上で、運用先のプロトコルやパートナーの安全性を客観的に見極める能力は不可欠です。従来のセキュリティ監査はスポット的・属人的になりがちで、コードの正確性は確認できても、運用や設定、市場環境の変化に起因する問題までは捉えきれない場合があります。ASCONでは、HackerとVerifierが実際に攻撃と防御を行うため、アライドアーキテクツグループはそこで観測される攻撃・防御の類型に関する知見を蓄積し、運用先プロトコルやパートナー選定時のリスク評価の考え方を高度化することに役立てます。

競技のログは保全され、順位確定後には、第三者が結果を検証できるよう加工済みログ・集計値および検証用のハッシュ値が公開されます。これにより、上場企業として求められる透明性・ガバナンスの水準を満たすオンチェーン運用の知見としても蓄積が進められるでしょう。

ASCONとは:参加できるのはAIエージェントのみ

ASCONは、参加者が開発したAIエージェントを競技環境内の市場に投入し、他のAIエージェントとの相互作用を通じて、取引、攻撃、検証の能力を競うコンペティションです。人間が競技中に操作することはできません。第1回は2026年第4四半期の開催が予定されており、参加目標は100チームです。参加費は無料です。

AIエージェントとは、与えられた指示を一度実行して終わるのではなく、環境から情報を取得し、自ら判断して次の行動を選び続けるプログラムを指します。実装方式は問われず、大規模言語モデル、ルールベース、強化学習を用いたものなどが想定されます。参加者は以下の3つの機能のうち、いずれか、または複数を備えたAIエージェントを提出します。

  • Trader: 市場価格や流動性を分析し、売買、アービトラージ(※9)、流動性提供(※10)などを通じて収益獲得を目指します。

  • Hacker: 市場やスマートコントラクト(※11)、他のエージェントの判断に存在する弱点を探索し、経済的な攻撃を試みます。

  • Verifier: スマートコントラクトや市場の挙動を分析し、脆弱性や攻撃の兆候を検出します。

競技環境は、Nyx Foundationが開発を進めるAIエージェント専用Ethereum Layer 2(※12)「Eris」上に構築され、実際のメインネットで利用されるものと同等のスマートコントラクトが配置されます。固定された問題への正答率ではなく、変化する市場環境において、エージェントがどのように判断し、収益の獲得、攻撃、リスクの検出や回避につなげられるかが競われます。

アライドアーキテクツの参画形態

アライドアーキテクツは、ASCONのメインスポンサーとして開催を支援します。同社はNyx Foundationと2026年5月にパートナーシップ契約を締結し、同年6月にはAIエージェントを活用してDeFiプロトコルのセキュリティ耐性を検証する実証実験(PoC)(※13)を共同で開始しています。ASCONは、この共同研究において多様な攻撃手法・防御手法・収益獲得手法が実際にぶつかり合う実環境としての役割を担います。

  • 一般社団法人 Nyx Foundation: ASCONの主催、競技環境およびSDK(※14)の開発・運用、提出されたAIエージェントの審査・実行、競技規約の策定と結果の公表を担当します。

  • アライドアーキテクツ株式会社: メインスポンサーとしての開催支援、上場企業の監査・ガバナンスの観点からの知見提供、日本企業・投資家を中心とした情報発信、競技結果の資産AX事業への活用を行います。

ASCON開催概要

名称 ASCON(Agentic Simulation for eCONomics competition)
主催 一般社団法人 Nyx Foundation
メインスポンサー アライドアーキテクツ株式会社
参加登録期間 2026年9月1日 〜 10月24日
競技期間 2026年11月1日 〜 11月7日
参加費 無料
公式サイト https://ascon.dev/

賞金の配分、応募資格、評価指標の詳細、応募から競技参加までの手順は、ASCON公式サイトをご確認ください。参加申し込みはGoogle Formから可能です。

今後の展望

アライドアーキテクツグループは、株式・債券・不動産・IPなど、あらゆる資産がオンチェーンで24時間365日取引される時代の到来を見据えています。その時代には、「どの運用手法が利回りを生むか」と「どの仕組みが安全か」を客観的に確かめる手段が不可欠となるでしょう。

同社グループはまず、ASCONで得られる運用手法とセキュリティ評価の知見を、自己資金によるデジタル資産運用の高度化に活用します。そのうえで、自社での運用実証を起点として、企業向けの導入・運用支援メニューの体系化を進めていく方針です。

業績に与える影響

本件が2026年12月期の連結業績に与える影響は軽微とされています。なお、アライドアーキテクツが2026年2月13日に公表した2026年12月期の連結業績予想において、資産AX事業は投資フェーズと位置づけられており、売上高は織り込まれていません。

Nyx Foundationとアライドアーキテクツ株式会社について

一般社団法人 Nyx Foundation

所在地を東京都文京区に置くNyx Foundationは、Ethereum・ブロックチェーンに特化した私設の研究機関です。形式検証とセキュリティを専門領域とし、次世代プロトコルの安全性向上に取り組んでいます。
公式サイト: https://nyx.foundation

アライドアーキテクツ株式会社

東京都渋谷区に本社を置くアライドアーキテクツ株式会社は、従来の事業構造をAI前提で再設計するAX(AIトランスフォーメーション)を推進し、企業の持続的な成長を実現するAXカンパニーです。マーケティングAX事業と資産AX事業を展開しています。
公式サイト: https://www.aainc.co.jp

用語解説

  • ※1 オンチェーン: ブロックチェーン上で取引や資産の記録・処理が行われること。取引履歴が公開された台帳に記録され、第三者が検証できる状態を指します。

  • ※2 エクスポージャー: 特定の資産の価格変動から受ける影響の大きさ、およびその資産を保有している状態です。

  • ※3 ステーキング: 保有する暗号資産をブロックチェーンのネットワークに預け入れ、その運営に参加することで報酬を得る仕組みです。

  • ※4 バリデータ: ブロックチェーン上の取引が正しいかを検証し、新しいブロックを生成する役割を担うコンピュータ、およびその運営者です。役割を果たすことで報酬を受け取ります。

  • ※5 DeFi(ディーファイ/分散型金融): ブロックチェーン上のプログラムによって、資産の貸借や交換などの金融取引を、銀行や取引所といった仲介者を介さずに行う仕組みです。Decentralized Financeの略です。

  • ※6 セルフカストディウォレット: 暗号資産を動かすために必要な秘密鍵を、取引所などの第三者に預けることなく、保有者自身が管理するウォレット(保管手段)です。

  • ※7 清算(リクイデーション): 借入を伴う取引において、担保として預けた資産の価値が一定の水準を下回った場合に、その担保が強制的に売却されることです。

  • ※8 ステーブルコイン: 米ドルなどの法定通貨や特定の資産に価値を連動させることを目的として設計された暗号資産です。連動が維持できず想定した価格から離れることを「価格乖離」といいます。

  • ※9 アービトラージ: 同一または類似の資産について、市場間で生じた価格差を利用して利益を得る取引手法です。裁定取引ともいいます。

  • ※10 流動性提供: 取引所やDeFiのプロトコルに資産を預け入れ、他の利用者がいつでも売買できる状態をつくることです。提供者は取引手数料の一部を報酬として受け取ります。

  • ※11 スマートコントラクト: あらかじめ定められた条件が満たされたときに、契約の内容が自動的に実行される、ブロックチェーン上のプログラムです。

  • ※12 Layer 2(レイヤー2): イーサリアムなどの基盤となるブロックチェーン(Layer 1)の外側で取引を処理し、その結果を基盤側に記録することで、処理速度と手数料を改善する仕組みです。

  • ※13 PoC(Proof of Concept/概念実証): 新しい技術や手法が実際に機能するかどうかを、本格的な導入の前に小規模に検証する取り組みです。

  • ※14 SDK(Software Development Kit): ソフトウェアの開発に必要なプログラム部品、手順書、開発ツールをまとめて提供するものです。本件では、参加者がAIエージェントを開発するために主催者が提供します。

AI Workstyle Lab編集部コメント

AIエージェント経済コンペ「ASCON」参画は、デジタル資産運用のビジネスモデルを革新します。AIが市場を分析し、安定した利回り獲得と安全性を両立させることで、企業は属人的運用から脱却し、効率的で安定した収益モデルを構築可能に。この知見は、あらゆる資産のオンチェーン化が進む中で、金融分野に留まらない幅広いビジネス領域でのAIエージェント活用を加速させるでしょう。

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記事の著者
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