大企業が外部エンジニアに求める「汎用的な能力」：2025年調査から読み解くAI時代の新潮流

外部委託エンジニアの獲得意欲が大幅に増加
求められるエンジニア像とスキルの変化
AI活用推進と人材不足の課題
まとめと考察
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外部委託エンジニアの獲得意欲が大幅に増加

調査によると、大企業の70.9%が外部委託エンジニアの獲得に意欲的であることが明らかになりました。これは昨年の調査結果と比較して14.3ポイントの大幅な増加です。

募集したい人数については、「31人以上」と回答した企業が31.4%を占め、昨年の3.3%から28.1ポイントも増加しています。これに伴い、一人当たりの月額報酬も「80万円以上」を提示する企業が68.5%に達し、昨年から39.5ポイント増加しました。

求められるエンジニア像とスキルの変化

外部委託エンジニアに求める最適な年齢層は「30代」が50.9%で最多を維持しています。経験年数では「5年以上」を求める企業が63.2%に上り、実務経験を重視する傾向が昨年と同様に続いています。

スキル面では、「システム開発」が71.2%で最も多く、次いで「インフラ開発」が48.7%でした。注目すべきは「コンサルティング/PM」が40.3%となり、昨年から13.9ポイント増加している点です。これは、単なる開発スキルだけでなく、プロジェクトを牽引し課題解決に導く能力へのニーズが高まっていることを示唆しています。

契約形態については、「派遣/準委任のどちらでも可」が48.7%と最も多く、柔軟な働き方が求められていることが分かります。

外部委託エンジニアに求めることとしては、「即戦力として活躍できる実務経験」が66.4%でトップでした。これに「チームや顧客と円滑に連携するコミュニケーション能力」（46.5%）、「論理的に状況を整理し判断する力」（42.0%）が続きます。技術スキルだけでなく、汎用的なビジネススキルも重視されていることが明らかになりました。

AI活用推進と人材不足の課題

大企業の約9割（86.5%）がAI活用に注力する姿勢を示しており、そのうち50.1%はすでに注力していると回答しています。

具体的な取り組みとしては、「ChatGPTなど生成AIツールの業務利用推進」（45.8%）や「AI活用のリテラシー向上のための社内研修」（45.5%）が上位に挙げられました。

AI活用を推進する人材に求める要素としても、「即戦力として活躍できる実務経験」が58.7%で最も高く、次に「複雑な問題を分析し解決する能力」（48.6%）、「論理的に状況を整理し判断する力」（45.7%）が続きます。ここでも、特定の技術スキルだけでなく、応用力や問題解決能力といった汎用的な能力が重視されていることが分かります。

まとめと考察

今回の調査結果は、大企業が外部人材への投資意欲を強めていることを明確に示しています。募集規模の拡大と報酬水準の上昇に加え、即戦力となる実務経験と、コンサルタントやプロジェクトマネージャー（PM）クラスの汎用的な能力が強く求められていることが特徴です。特にAI技術のビジネス実装が加速する中で、社内人材の育成だけでは対応しきれない場面が増加していると見られます。大企業の成長を維持・加速させるためには、専門性の高い外部エンジニアを戦略的に活用することが、今後ますます重要になるでしょう。