ミラティブが示すAI協働の新時代:「with AI」を行動指針に加えた真意と組織変革の全貌

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AI協働を宣言する背景

ミラティブは、2023年3月には全社員のChatGPT Plus利用料を全額補助し、同年4月には業務時間の20%をAI活用研究に充てる「AI自由研究制度」を導入するなど、早期からAI活用への投資を積極的に行ってきました。最近のClaude Codeの進化とClaude Coworkの登場により、AIは「便利なツール」の段階から、「基礎装備の有無で生産性が劇的に変化する」実用フェーズへ移行したと判断。この認識に基づき、個人の活用に留まらず、業務フロー全体をAI前提で再設計する段階に入ったことから、AIとの協働を行動指針として明確に位置づけました。

新たな行動指針「with AI」

ミラティブは、既存の4つの行動指針の最上位に「with AI—私たちは、あらゆる活動を、AIとともに行うことをまず志向します—」を追加しました。AIを単なる「代替」ではなく「共に働く仲間」と位置づけ、全ての業務においてAI協働をデフォルトとします。この行動指針への追加は、今後の評価制度にも反映される予定です。

行動理念と行動指針の図

Claudeの全社導入と「AI祭り」の実施

「Claude」の全社導入と並行して、全社プロジェクト「AI祭り」を実施しました。このプロジェクトでは、「AI利用ルール」の再整備に加え、「職種別チュートリアルミッション」やチーム対抗で業務改善施策を発表する「改善王」などを実施。これにより、エンジニア・非エンジニアを問わず、全社員がAIに触れる機会と環境が整備されました。

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「AI祭り」の具体的な成果

「AI祭り」の開始直後から、社内ではAI活用報告が活発に行われ、AI活用提案や業務改善のアイデアが毎週十数件のペースで増加しました。最終的には、1ヶ月間で100件以上の業務改善施策が発表されています。この取り組みでは、AIに全てを委ねるのではなく、「人が担うべきこと」との線引きを意識しながら活用が推進されました。人が行うことに価値がある領域は引き続き重要視し、AIとは「代替」ではなく「協働」する姿勢を持つことで、単なる効率化に留まらない組織変革へと繋がっています。

具体的な改善事例

HR AI活用プロジェクト

HRBP部(採用・組織開発)では、求人票作成から面接準備、採用データの可視化まで、採用プロセス全体にAIを活用しています。AIを「人の意思決定を支援するツール」と位置づけ、情報整理や可視化、定型業務の効率化に活用することで、担当者が候補者一人ひとりと向き合う時間の創出に貢献しています。採用における合否判断や候補者評価は人が行い、AIが自動的に判断することはありません。また、候補者の個人情報も社内規程に基づき適切に管理されています。

Mirrativ HR AI活用プロジェクト

AI活用ポイント

  • 求人票の自動生成では、ポジション要件を入力するだけで自社トーンに沿ったドラフトが生成され、1件あたりの作成時間を84%削減しました。面接準備では、質問項目やアイスブレイク案を自動生成し、ベテラン面接官の知見を活用できる仕組みを構築しています。

  • 採用ダッシュボードを構築し、ファネル分析や面接官分析など6機能を搭載。採用KPIのリアルタイム可視化を実現したほか、採用広報やパルスサーベイ領域でもAI活用を推進しています。

ashura ドキュメント プロジェクト

分析チームでは、データ分析の民主化を目指し、社内の分析基盤に関する知識を体系化したドキュメントプロジェクト「ashura」を開発しました。従来、データ分析にはテーブル構造やSQLの知識が不可欠で、分析業務が一部のメンバーに集中していましたが、「ashura」とAIエージェントを組み合わせることで、自然言語(日本語)で話しかけるだけで全社員がデータ分析・クエリ作成を実行できる環境を実現しています。AIが生成したクエリは必ず人が確認する運用とし、ユーザー報酬や社外発表に関わる重要な分析については分析チームのレビューが必須です。

ashura ドキュメント プロジェクト

AI活用ポイント

  • SQL未経験者でも分析可能な直感的ワークフローを設計。社内の主要な分析テーブル情報とミラティブ固有の用語定義を保持し、ユーザーの問いに最適なクエリを自動生成します。

  • 独立したAIエージェントによるクエリレビュー・数値検証機能を搭載し、反証的検証を徹底。コストレポート機能によるコスト高クエリの改善提案や、テーブル破壊操作・高額クエリの自動防止により、安全性・信頼性・コスト効率を実現しています。

今後の展望

ミラティブは、ChatGPT Plusの全社員補助やAI自由研究制度を経て、今回「Claude」の全社導入と行動指針の追加を実施しました。今後は、個別業務の効率化に留まらず、業務プロセスそのものをAI前提で再設計し、配信者支援のさらなる進化に繋げていく方針です。

代表取締役CEO 赤川隼一氏のコメント

株式会社ミラティブ 代表取締役CEO 赤川隼一氏

赤川隼一氏は、「AI祭りを通じて、非エンジニアを含む全社員がAIで業務改善を行える組織になりました。しかし私たちが目指すのは、個別業務の効率化にとどまらず、AIとの協働を前提にあらゆる業務のあり方を再設計し、企業OSそのものを書き換えていくことです。そのためにはツール導入やガイドラインの整備だけでは足りず、組織の行動原則そのものに踏み込む必要がありました。」と述べています。そして、「『with AI—私たちは、あらゆる活動を、AIとともに行うことをまず志向します—』この指針のもと、ミラティブはここから組織の進化を加速させ、AIカンパニーとしての進化を続けていきます。」とコメントしています。

Mirrativとは

Mirrativ アプリ画面

Mirrativは、スマートフォン一つで誰でも簡単にゲーム配信ができる、スマホ画面共有型ゲーム配信プラットフォームです。570万人以上の配信者を抱え、日本最大級のスマホゲーム配信プラットフォームに成長しています。アクティブユーザーに占める配信者の比率が約30%と高く、ユーザー同士がお互いの配信を行き来する双方向性の高いコミュニティが形成されています。

株式会社ミラティブ概要

  • 会社名:株式会社ミラティブ

  • 所在地:東京都目黒区目黒2丁目10−11 目黒山手プレイス 8階

  • 代表取締役:赤川隼一

  • 設立:2018年2月9日

  • 事業内容:ゲーム配信プラットフォーム「Mirrativ(ミラティブ)」の開発・企画、ミラティブ広告事業、ライブゲーミング事業

  • 東京証券取引所グロース市場上場(証券コード:472A)

  • URL:

AI Workstyle Lab編集部コメント

ミラティブの「with AI」への行動指針変更は、AIが単なる効率化ツールに留まらず、企業文化と業務プロセスの中核を担う時代への明確な移行を示しています。特に、採用やデータ分析といった広範な業務領域でのAI協働は、他の企業にとっても具体的なビジネス変革のヒントとなるでしょう。AIを「代替」ではなく「協働」のパートナーと捉えることで、生産性向上だけでなく、従業員がより創造的な業務に集中できる環境が生まれる可能性を秘めています。これは、AIを仕事で活用する上での重要な視点です。

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この記事の情報
記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

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