QuantumCore、7,530億パラメータのフロンティア級LLM「GRZ」をオンプレミスで提供開始
株式会社QuantumCoreは、総パラメータ数7,530億(753B)のフロンティア級LLM(大規模言語モデル)「GRZ(ジー・アール・ズィー)」を搭載したオンプレミス生成AI「GRZ スターターパック」の受注を2026年7月27日より開始しました。NVIDIA DGX Spark(128GB・約1.2kg)1台に導入済みの状態で出荷され、コンセントに挿すだけで設置が完了します。プロンプトや文書、現場データなど、機密性の高い情報を社外に一切送信することなく利用できる点が特徴です。
また、エッジAI異常検知システム「VADQore Sense」との連携により、設備の監視からレポート作成、チューニングまでを構内で完結させることが可能です。

導入のポイント
「GRZ スターターパック」は、以下のような課題を持つ企業や機関のために開発されました。
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機密データや顧客情報、研究データなどを外部クラウドの生成AIに投入できない。
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従量課金制のクラウド型生成AIでは、全社展開の予算が立てにくい。
本製品は、生成AIの全処理を構内で完結させるため、これまで利用対象外だった機微なデータにも安心して活用できます。
届いたその日から使える3つの機能
- 社内ナレッジQA: 規程、仕様書、過去のトラブル報告、マニュアルなどを取り込み、根拠文書付きで回答するナレッジAIとして機能します。部門ごとの権限管理と監査ログを備え、暗黙知の継承にも貢献します。
- 文書ドラフトと対話: 報告書、提案書、翻訳、要約、コード作成など、フロンティア級の対話AIとして日常業務を支援します。入力内容が学習や外部送信に使われることはなく、65,536トークンの長文コンテキストに対応し、分厚い資料も一度に扱えます。
- 現場コパイロット(VADQore Sense連携): 「昨夜、3号機で何が起きた?」といった問いに対し、GRZが監視記録を解析して日本語で回答します。詳細は後述の「VADQore Sense」連携の項目で紹介します。

導入と運用:「置く・挿す・使う」
本体はNVIDIA DGX Spark 1台(約1.2kg)と手のひらサイズで、GRZと業務アプリケーションが導入済みの状態で出荷されます。開梱後、コンセント(AC100V)に挿し、社内ネットワークに接続するだけで当日から利用可能です。サーバルームや電源工事は不要で、執務室や現場事務所への設置が想定されています。
電気代は、フル稼働でも月5千円台と試算されています。最大消費電力240Wは家庭用ドライヤーの約4分の1程度で、24時間365日の連続稼働を前提に設計されています。モデル全体をメモリに常駐させる方式のため、負荷が増えても処理速度が急激に低下したり停止したりするリスクが低く、通信障害の影響も受けません。
運用は月額サービスに含まれており、モデル・アプリケーションのアップデート(インターネット非接続環境向けの閉域配信にも対応)、保守サポート、毎月のAI設備診断レポートが提供されます。
「VADQore Sense」連携による工場まるごとローカルAI
GRZ スターターパックには、設備に後付け可能な電池駆動のエッジAIセンサー「VADQore Sense」3台と、監視ダッシュボード「VADQore Studio」が同梱されます。Senseは振動や音を常時監視し、約10秒の正常データからその場で学習して異常を検知します。GRZはStudioを通じて監視・解析からしきい値チューニング、再学習の指示までを直接実行できます。

この連携により、毎朝、夜間の設備状況をまとめたブリーフィングが自動で届くようになります。異常スコアは「読める診断レポートと推奨対応」に変換され、しきい値の変更や再学習の指示も担当者との対話で完了します。検知したデータや生成されたレポートは社外に出ることはありません。

独自の技術
GRZは、公開されている大規模言語モデル(GLM系・Qwen系)を基盤に、QuantumCoreが独自開発した圧縮技術で最適化されたモデルです。通常、この規模のモデルを動かすには数百GBのGPUメモリを備えたデータセンター級のサーバーが必要ですが、同社はリザバーコンピューティングを推論を支える補助機構として組み込むことで、限られたメモリの中でも大きなモデルを動かすことを可能にしました。
これは、2018年の創業以来、256KB SRAM級のマイコンでAIを動かしてきた「制約の中で知能を動かす」という8年間の技術蓄積によるものです。GRZは生成AIの全処理が構内で完結するため、データが社外へ送信される経路は構造上存在しません。同社の圧縮技術と支援機構はモデルに依存しないため、国産LLMを含む任意の公開モデルへ適用できるとのことです。

価格と提供形態
| 名称 | GRZ スターターパック(製造現場向け) |
|---|---|
| 標準価格 | 初期 298万円(税別)〜 + 月額 15万円(税別)〜 ※従量課金なし |
| 同梱内容 | NVIDIA DGX Spark(128GB)本体(GRZ導入済み) / 対話AI・社内ナレッジQA(RAG) / VADQore Sense 3台 / VADQore Studio / 導入セットアップ・現地教育 |
| 月額に含まれるもの | モデル・アプリのアップデート(閉域配信対応) / 保守サポート / 月次AI設備診断レポート |
| 受注・出荷 | 受注:本日より / 出荷:2026年11月より順次(初回導入枠:2台) |
| 販売経路 | 同社直販および販売パートナー経由 |
導入形態の比較(同社試算)
| クラウド型生成AI(100名) | 自社GPUサーバ構築 | 本パック | |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円〜 | 数千万円規模〜 | 298万円 |
| 年間費用 | 約1,200万円 | 保守・電力で数百万円 | 180万円 |
| データの所在 | 社外(国外の場合も) | 社内 | 社内 |
| 設置・電源 | ― | サーバルーム・専用電源 | 執務室・コンセント1本 |
| 専任運用者 | 不要 | 不要 | 不要 |
このほか、GRZ単体の導入(手持ちのDGX Spark・GPUサーバー向け)、VADQore Senseの増設、任意のオープンウェイトモデル×指定ハードウェアへの圧縮変換サービスも個別見積もりで提供されます。
今後の展開
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専門特化GRZ: IT・製造・医療・大学/研究機関向けに、専門用語・文書体系へ追加最適化した業種特化モデルを2026年秋以降、順次提供予定です(月額プラン内でのアップデートを予定)。
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会議AI: 議事録・決定事項の自動ドラフト機能を2026年内にアップデートで追加予定です。
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拡張構成: DGX Spark 2台連結による処理能力の向上、NVIDIA Jetson Thorなどへの対応を進める予定です。
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パートナー募集: 販売・技術・事業共創パートナーを募集しており、初期パートナー枠は2026年8月末まで優先受付されています。

主な仕様(GRZ)
| 製品名 | GRZ(ジー・アール・ズィー) |
|---|---|
| ベースモデル | 公開されている大規模言語モデル(GLM系・Qwen系)を同社が最適化 |
| 規模 | 総パラメータ 7,530億(753B)/ MoE構造(トークンあたり約400億が活性) |
| 搭載方式 | 同社独自の圧縮技術と、リザバーコンピューティングによるTransformer支援機構により、全パラメータを128GBメモリに常駐(プレインストール出荷) |
| コンテキスト長 | 65,536トークン |
| ハードウェア | NVIDIA DGX Spark(GB10 Grace Blackwell、128GB統合メモリ、約1.2kg) |
| 消費電力 | 最大240W(システム電源仕様)・AC100V |
| ネットワーク | 完全オフライン動作(閉域アップデート対応) |
AI Workstyle Lab編集部コメント
今回のQuantumCoreの発表は、企業が直面するAI導入の大きな壁、すなわちデータセキュリティと運用コストという課題に対し、現実的な解決策を提示しています。オンプレミスでのフロンティア級LLM利用は、機密情報を扱う企業にとって革新的な一歩となるでしょう。NVIDIA DGX Spark 1台というコンパクトさで7,530億パラメータのモデルを動かせる技術は、エッジAI分野における同社の長年の経験が結実したものです。今後は、さらに多様な業種特化モデルの登場や、既存システムとの連携が深まることで、より広範なビジネスシーンでのAI活用が加速すると期待されます。一方で、モデルの継続的な最適化や、企業内でのAI人材育成など、導入後の運用を成功させるための課題も存在します。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

