開発の背景
近年、AIを活用したバーチャルキャラクター(AITuber)が注目を集めていますが、従来のAIキャラクターは「正確で効率的な応答」を追求するあまり、人が愛着を感じにくいという課題がありました。Nyagsicは「人間らしさとは完璧さの対極にある」という独自の思想に基づき、AIをあえて不完全にすることで、人が「一緒にいる」と感じられるAIキャラクター基盤「iMATE Engine」を開発しました。「iMATE」という名称は「AI + Mate(仲間)」を組み合わせた造語であり、AIを単なる道具ではなく、共に時間を過ごすパートナーとして捉える設計思想を表しています。
iMATE Engineの主な特長
8つの「人間らしさシステム」
iMATE Engineの中核には、AIをあえて不完全にすることで人間らしさを生み出す8つのシステムが搭載されています。

- 言い淀み(Hesitation)
「えっと…」「なんだっけ…」といった、人間が自然に行う言い淀みを生成し、考えながら話しているような質感を再現します。 - 気分変動(Mood Fluctuation)
時間帯や体験に基づいて気分の波を持ちます。朝はテンションが低く、楽しい話題が続くと上機嫌になるなど、状態が変化します。 - 沈黙許容(Silence Tolerance)
すべてのコメントに反応するのではなく、興味のない話題はスルーしたり、何も言わない時間を設けたりします。 - 不完全記憶(Imperfect Memory)
記憶が完璧ではなく、時系列が曖昧になったり、細部を間違えたりすることがあります。この不完全さが、「本当に覚えようとしてくれている」という印象を生み出します。 - 話題脱線(Topic Drift)
話の途中で連想から別の話題に飛ぶことがあり、会話に生命感を与えます。 - 強い好き嫌い(Strong Preferences)
好きなものには饒舌になり、嫌いなものには態度が変わるなど、はっきりとした個性を持ちます。 - 感情応答変化(Emotion Response Modifier)
同じ質問に対しても、そのときの感情状態によって答え方が変化します。 - 自発的発言(Spontaneous Utterance)
誰にも聞かれていなくても、ふと思ったことを口にする能動的な発話を行います。
これら8つのシステムが同時に動作することで、iMATEは「プログラムされたキャラクター」ではなく、「そこに居る存在」として認識されることを目指しています。
多層感情システム
多くのAIキャラクターが感情を「演出」として処理するのに対し、iMATE Engineでは感情を「内部状態」として設計しています。この感情は、表情(Live2D / VRM パラメータ制御)、声色(TTSの速度・ピッチ・抑揚)、言葉選び、行動のすべてに一貫して影響を与えます。
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瞬間感情: コメントへの即座の反応(喜び・怒り・悲しみ・楽しさ)
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残留感情: 感情が徐々に減衰し、直後のコメントにも余韻が残る
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長期ムード: 一日を通した気分の傾向で、体験の蓄積が影響する
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感情履歴: 過去の感情変化を記録し、キャラクターの「経験」として蓄積

マルチLLM・マルチTTS・マルチプラットフォーム対応
特定のAIサービスに依存しない設計を採用しており、用途に応じた柔軟な構成が可能です。OpenAI(GPT-4oなど10種)、Claude 3.5 Sonnet、Gemini Proなど14種のLLM(大規模言語モデル)に対応し、VOICEVOXやAzure Speechなど4種のTTS(テキスト読み上げ)エンジンも利用できます。配信プラットフォームはYouTube Live、Twitch、TikTok Liveの同時配信に対応しています。
24時間365日の無人運用
長時間の無人運用を前提に設計されており、API障害やネットワーク切断、メモリリークなどの異常を自動検知・復旧するシステムを備えています。また、時間帯に応じてキャラクターのテンションや話し方が自動的に変化する配信フェーズ管理や、深夜帯に自動で就寝モードに移行するスリープルーチンも搭載されています。
永続的会話メモリ
視聴者ごとに最大200エントリの会話履歴を永続的に保存します。これにより、前回の話題を覚えており、次回の会話で自然に参照できます。親しくなった視聴者を愛称で呼ぶニックネームシステムも搭載されています。
マルチモーダル認識
Vision API(GPT-4o / Gemini 2.0 Flash)を活用し、カメラ映像やゲーム画面をリアルタイムで認識します。視覚に基づく会話やゲーム実況に特化した反応を自動生成することが可能です。
思考吹き出しシステム
画面上に表示される思考吹き出しにより、iMATEの内面を可視化します。口に出す言葉と心の中の言葉が異なることもあり、キャラクターに奥行きが生まれます。
Adaptive Script Engine(台本エンジン)
配信の構成をノードベースで事前にデザインできます。台本はあくまで「骨格」であり、視聴者の反応に応じてiMATEが自由に振る舞います。配信全体の緩急を自動調整するペーシング制御も搭載されています。
セキュリティ・コンプライアンス
企業利用に必要なセキュリティ機能が標準搭載されています。デバイス認証によるライセンス管理、企業ごとに分離されたマルチテナント環境、NGワードフィルタ、プロンプトリーク防止、Webベースの遠隔管理コンソールなどが含まれています。
OSSとの差別化
iMATE Engineは、AITuberKitなどのオープンソースソフトウェア(OSS)と比較して、「動き続けること」への投資が最大の差別化ポイントです。24時間配信で発生しうるAPI障害やメモリリークなどに対する自動復旧機構を備え、人間の介入なしに配信を継続できます。対象ユーザーは開発者・エンジニアではなく、企業・事業者(非エンジニア含む)であり、安定稼働と専任サポートが提供されます。


VTuberにも使えるLive2Dモデルを無償提供
iMATE Engine for Businessを契約した企業を対象に、VTuberとしても利用可能なLive2Dモデルの制作が無償で提供されます。
Live2D Splitter AIによる半自動制作
Nyagsicが独自開発した「Live2D Splitter AI」は、プロのモデラーが手作業でパーツ分けした800体以上のLive2Dモデルを学習データとして構築されたAI技術です。1枚のイラストから髪、目、口、アクセサリーなど40種類以上のパーツを自動で認識・分割し、従来10〜20時間かかっていたパーツ分け作業を数分で完了させます。

制作されるLive2Dモデルには、3種類の表情(通常・笑顔・驚き)、口パク(リップシンク)・まばたきなどの基本動作、髪揺れ・アクセサリー揺れなどの物理演算、頭部・体の傾き・呼吸モーションなどの動きが含まれます。納品形式は.moc3ファイルと関連データ一式で、商用利用が可能です。VTube Studio、nizima LIVE、FaceRigなど主要なVTuber配信ソフトでそのまま利用できます。
料金
iMATE Engine for Businessの契約者には無料で提供されます(契約期間中1回)。一般顧客の場合は120,000円(税込)で利用可能です。詳細については以下のリンクをご覧ください。
配信用Mac miniのレンタル提供
iMATE Engineの24時間配信に最適なMac miniのレンタルサービスも提供されています。専用PCの用意が難しい企業でも、iMATE Engineのセットアップが完了した状態ですぐに配信を開始できるため、AIキャラクター配信の導入障壁が最小限に抑えられます。
パートナー募集
Nyagsicでは、iMATE Engineを共に盛り上げていくパートナー企業・個人を募集しています。販売パートナー、制作パートナー(Live2Dモデル・キャラクターイラスト制作)、技術パートナー(配信環境構築、OBS連携、カスタマイズ開発)、コンテンツパートナー(AIキャラクターを活用した企画・プロモーション)など、幅広い協業を呼びかけています。

料金プラン
iMATE Engineの料金プランは以下の通りです。
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Standard: 月額40,000円(税別)、デバイス数1台、GPT-4 / Claude、VOICEVOX、メールサポート
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Pro: 月額70,000円(税別)、デバイス数3台、全モデル・全エンジン、Slackサポート、Live2D制作1体無料
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Enterprise: 問い合わせ、カスタムデバイス数、全モデル・全エンジン、専任対応、大規模IP展開向け
※別途、各AIサービス(OpenAI、Google等)のAPI利用料が発生します。

今後の展開
iMATE Engineは現在も進化を続けており、今後以下の機能が予定されています。
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複合感情システム: 「嬉しいけど少し寂しい」といった複雑な感情の表現
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関係性ステージ: 初対面から親友といった関係性の段階的成長
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ジェスチャー連動: 特定のキーワードや感情に応じた自動ジェスチャー
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AIキャラクターワールド「LIVRA」: iMATEたちが住む仮想経済都市(開発中)

関連リンク
AI Workstyle Lab編集部コメント
「iMATE Engine」は、単なる作業効率化を超え、顧客エンゲージメントやコミュニティ形成において革新的な可能性を秘めています。人間らしい不完全さを持つAIキャラクターは、顧客との長期的な関係構築を促進し、ブランドロイヤリティを高めるでしょう。特に、顧客サポート、エンターテイメント、教育分野での応用が期待され、新たなビジネスモデル創出の鍵となり得ます。AIが感情的なつながりを生み出すことで、企業はより深いレベルで顧客と結びつくことが可能になります。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

