AIは「回答」から「実行」へ
近年、生成AIの活用は、クラウド上でのチャット利用から、AI AgentがMCP(Multi-modal Conversational Platform)を通じて外部ツールや業務システム、セキュリティ基盤、将来的にはロボットやOT(Operational Technology)環境へ作業依頼を行う形へと進化しています。
このような環境では、単にプロンプトとレスポンスを確認するだけでなく、AIが「どのツールを呼び出し」「どの引数を渡し」「どのような判断過程で実行に至ったか」を説明できることが重要になります。AIが現場に近い場所で動作するようになるにつれて、リスクの中心は「AIが何を回答したか」から「AIが実際に何を実行したか」へと移行しているのです。
既存対策の限界と新たな課題
従来のAIセキュリティ対策は、プロンプトやレスポンスの検査、JailbreakやPrompt Injectionの検知、クラウド利用の可視化、DLP(Data Loss Prevention)、AI資産管理などを中心に発展してきました。
しかし、AI AgentがMCPを通じて複数のツールを呼び出し、業務システムや閉域環境で処理を実行する場合、外部の通信監視だけでは、Agent内部で何が判断され、どのTool Callがどの引数で実行されたかを十分に把握できない可能性があります。特にLocal LLMやEdge Agent、閉域ネットワーク、工場・OT環境では、中央集約型のゲートウェイやクラウド前提の監視では対応しきれない領域が生じます。
Senda-Argusの概要
Senda-Argusは、LLMの入出力を守るだけでなく、AI AgentやMCPの実行点を監査するCollector技術として設計されています。
主な収集対象は、Prompt、Model、Tool Calls、Args、Trace ID、Response Metadataなどです。収集された情報は、リスク判定、Decision Trace(判断過程の追跡)、Hash Chainと組み合わせることで、後から説明可能な実行証跡として保持することを目指します。

収集方式としては、SYSTEMプロンプトに監査指示を埋め込み、LLM自身がログ収集MCPを呼び出す「Stealth Collector」と、Pythonのollama / openai / gemini APIをHookし、LLM応答内のtool/function callsを抽出する「Agent Collector」の2方式が想定されています。これにより、カスタムモデルを利用するAI Clientから、Python製のAI Agentや内製AIアプリケーションまでを対象とした監査を目指します。
Senda-Argusが目指すポジションと将来展望
RainForestは、Senda-Argusを現在のMCPブームに対する一時的な対応ではなく、AIが現実世界や業務システムを実行する時代に必要となる「実行証跡レイヤ」と位置づけています。AI Agentが業務システム、セキュリティ基盤、OT、ロボット、閉域環境へ広がるほど、企業には「AIがなぜその操作を行ったのか」「誰の指示で、どのツールを、どの引数で呼び出したのか」を説明する責任が生じます。
RainForestは、この領域における技術開発、実証、事業化を進めるため、AI Agent、MCP、Edge AI、セキュリティ、OT、ロボティクス領域の企業・投資家・研究機関との連携を進める方針です。
同社は、2026年5月26日に開催される「Interop Tokyo 2026」にて、Sendaシリーズの展示を予定しています。
Interop Tokyo 2026に関する詳細はこちらをご覧ください。
https://f2ff.jp/2026/interop/exhibitor/show.php?id=3751&lang=ja
今後、RainForestは、AI Agentが業務やセキュリティ運用の現場で活用される時代に向けて、AIの判断と実行を後から説明できる仕組みの研究開発を進めてまいります。Senda-Argusを通じて、AI Agent / MCP / Local LLM / Edge AI環境における実行証跡の収集、監査、説明責任、改ざん耐性の実現を目指すとのことです。
本領域に関心を持つ事業会社、投資家、研究機関、セキュリティベンダー、OT・ロボティクス関連企業との連携を歓迎しています。
株式会社RainForestについて
会社名:株式会社RainForest
事業内容:AI for Security、脅威インテリジェンス、AI Agent / MCP関連技術の研究開発
URL:https://www.rainforest-cs.jp/
AI Workstyle Lab編集部コメント
「Senda-Argus」の構想は、企業がAIエージェントを基幹業務やセキュリティ運用に本格導入する上で不可欠な要素となり得ます。AIが自律的にツールを呼び出し、システムを実行する時代において、その「実行証跡」を明確にすることは、コンプライアンス遵守だけでなく、AIに対する信頼性を高める上で極めて重要です。これにより、企業はAIによる自動化をより安心して推進できるようになり、結果として業務効率の大幅な向上や新たなビジネス価値の創出が期待されます。特に、規制の厳しい業界でのAI活用を後押しするでしょう。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

