生成AI利用率が54.3%に急増、半年で12.4pt増加
株式会社パーソル総合研究所は、「AI環境における人材とマネジメントに関する定量調査」の結果を発表しました。この調査により、正規雇用者の生成AI業務利用率は2025年10月の41.9%から2026年5月には54.3%へと、半年間で12.4ポイント増加したことが明らかになりました。特に週4日以上のヘビーユーザーが15.6%から21.1%に、週1〜3日のミドルユーザーも16.1%から20.7%に増加しており、生成AIの活用は普及段階から定着段階へと移行しつつあることが示されています。

性年代別では低利用層ほど利用率の伸びが大きく、利用格差が縮小傾向にあることが見て取れます。役職別では管理職層が軒並み10〜17ポイント増加している一方、専門職・エキスパート職の伸びは0.5ポイントとほぼ横ばいであり、伸び悩みが目立っています。

AI活用が進むほど顕在化する業務・組織課題
AI活用が広がる一方で、業務上および組織上の課題も顕在化していることが示されました。業務課題としては、「欲しい回答を得るために指示を何度も出し直すことがある」(49.7%)や「業務の前提や背景を生成AIに入力するのが負担である」(38.0%)が上位を占めています。

組織課題では、「AIの教育・サポートが正式な業務や評価に位置づけられていない」(35.0%)、「データが部署ごとに分断され横断利用しづらい」(32.5%)、「手順が人ごとに異なり例外が多い」(31.9%)が3割を超えていました。

特にAI活用が進むほど、これらの業務課題と組織課題の両方が全体的に大きくなる傾向が見られます。例えば、業務課題では指示の出し直しや社内ルールによる使いにくさ、組織課題では旧システムとの連携困難や推進チームの情報が現場に落ちにくいといった点が顕著です。

また、AIヘビーユーザーの約3割が「人よりAIに話すほうが気楽」と感じており、AI活用が進むほど上司よりもAIに相談する割合が高まるなど、職場における相談行動にも変化が見られました。


AI環境で成果を生み出す「メタ・スキル」の重要性
本調査の分析では、AI環境において業務の成果を大きく左右する要因の一つが、AIの活用量そのものではなく、情報収集や優先順位づけ、実地検証といった「メタ・スキル」であることが判明しました。
「メタ・スキル」とは、AI活用において成果につながる「集める(構造的整理)」「決める(優先順位づけ)」「確かめる(実地検証)」「壊す(レジリエンス)」「蓄える(組織知の更新)」といった能力の総称です。
同じAIヘビーユーザーであっても、このメタ・スキルの高低によって業務成果に最大3.6倍の差が見られました。具体的には、メタ・スキルが高い層は、仕事のやり方の見直し、成果水準向上、業務スピード向上などの点で、低い層と比較して3.3〜3.6倍の成果を創出していることが示されています。

AI環境のハイパフォーマーは、「閃く(アニマル・スピリット)」(「やってみたい!」を行動に移す衝動)と「練る(立体思考)」(物事を二分法で考えず複数の視点と長い時間軸で考える)という思考・マインドをベースに、「集める」「決める」「確かめる」「壊す」「蓄える」という上流・下流工程のメタ・スキルが高い傾向にあります。これは、AIと協働して成果を生み出し、その知見を次の業務へ生かす「AIとの価値共創ループ」を回す人材が成果を上げていることを示唆しています。


AI時代のマネジメントと人材育成
AI環境では、上司の役割も変化が求められています。成果物を管理する「成果物管理者」から、人とAIがそれぞれの強みを生かして成果を高める環境を支える「チューナー役(協働を支える調整役)」への移行が必要です。AIヘビー利用職場では、「仕事の枠を示す」「裁量範囲を示す」「学びへの接続」といったマネジメント行動がパフォーマンス向上と関連していました。

人材育成においては、「手触り経験(現場で身体感覚を伴う経験)」「踏み出し経験(所属組織を超えた経験)」「見渡し経験(複数の立場や時間軸から俯瞰する経験)」が重要であることが示されました。これらの経験は、AI環境で求められる「閃く(アニマル・スピリット)」や「練る(立体思考)」といった思考・マインドと関連しており、AI活用だけでは育ちにくい思考・マインドを育むためには、これらの経験を意図的に設計することが重要です。

一方で、AI継続利用者は「AIの使い方・活用に関する学習」をはじめとするインプット型学習が増加する傾向にあり、実践型の学習(資格取得、副業・兼業など)は減少していました。また、AIを使い続けてもアニマル・スピリットの上昇はほとんど見られないことも明らかになっています。


AI環境において人の思考・マインドを育てるためには、リアルとの接点と実践を重視する「冒険探索型」と思索を深め前提を相対化する「認知拡張型」の学びの双方が必要であると示唆されています。

AI「と」先に進む組織への提言
本調査は、AI環境において実際に成果を出している個人・マネジャー・組織それぞれの特徴を定量的に描き出しました。個人のパフォーマンスは「アニマル・スピリットと立体思考」というマインド、そして上流・下流工程のメタ・スキルによって左右されることが示唆されています。AIによってタスク実行工数が圧縮される中で、AIとの価値共創ループを回すメタ・タスクの質が重要になっています。
この結果から、AIは単なる「仕事の効率化ツール」ではなく、人材ポリシーと組織デザインを書き換えるトリガーとなるべきであるという提言がなされています。AI「を」一歩先に進めるフェーズから、AI「と」先に進むフェーズへ移行することが、今後の企業競争力を左右する鍵となるでしょう。

本調査結果の詳細については、以下のURLからご覧いただけます。
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/ai-management/

AI Workstyle Lab編集部コメント
今回のパーソル総合研究所の調査は、AIがビジネスに与える影響の深さを改めて認識させます。特に「メタ・スキル」が業務成果に最大3.6倍もの差を生むという点は、企業や個人事業主にとって極めて重要な示唆です。AIを単なるツールとして使うのではなく、情報整理、優先順位づけ、実地検証といった高次な思考プロセスと組み合わせることで、真の価値が生まれることが明らかになりました。今後、AIは創造的な意思決定や戦略立案の領域でさらに活用が広がり、これらのメタ・スキルを従業員が習得できるような人材育成プログラムや、AIとの協働を促すマネジメントが、企業の収益性向上と効率化に直結すると考えられます。
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本記事は、各社の公式発表および公開情報を基に、AI Workstyle Lab編集部が 事実確認・再構成を行い作成しています。一次情報の内容は編集部にて確認し、 CoWriter(AI自動生成システム)で速報性を高めつつ、最終的な編集プロセスを経て公開しています。

