AIスタートアップの登竜門:Transpose Platform主催ハッカソン「c0mpiled」が日本とY Combinatorを繋ぐ意義

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AIハッカソン「c0mpiled – San Fransokyo」が開催

Transpose Platform Inc.は、東京大学100%出資の投資事業会社である東大IPCとの共催、および森ビル株式会社の協賛のもと、2026年3月8日に虎ノ門ヒルズ森タワーにてAIハッカソン「c0mpiled – San Fransokyo」を開催しました。

Y Combinator(YC)が各バッチごとに公開する「投資したい領域」のリスト「Request for Startups(RFS)Spring 2026」の7テーマを題材に、参加者は当日結成したメンバー同士で4時間かけてAIプロダクトを構想・開発・プレゼンしました。応募者272名の中から当日155名が参加し、YC卒業生5名を含む11名の審査員がプロジェクトを評価しました。

上位3チームには賞金総額USD 8,000(約120万円)に加え、YCパートナーJon Xuとの個別オフィスアワーが授与されました。また、YC卒業企業を含む6社のスポンサーからは、参加者全員に1人あたりUSD 2,600以上(約39万円)、総額USD 403,000以上(約6,045万円)相当のツールクレジットが提供されています。

多様なバックグラウンドを持つ参加者たち

会場に足を運んだ155名の参加者のうち、98名がチーム結成を希望し、43名がソロ参加希望でした。ソロ参加者も含め、ほぼ全員が当日チームを組んで開発に臨みました。各チームは以下の7つのYC公表開発テーマ「RFS」から1つを選択し、4時間でプロダクトを開発しました。

イベント会場で集合写真を撮る参加者たち

YC公表の開発テーマ「RFS」

  • Cursor for Product Managers

  • AI-Native Hedge Funds

  • AI-Native Agencies

  • Stablecoin Financial Services

  • AI for Government

  • Modern Metal Mills

  • AI Guidance for Physical Work

参加者の顔ぶれは多様で、東京大学や有名私立大学のCS専攻学生、スタートアップをエグジット経験のあるシリアルアントレプレナー、AIエージェント開発を手掛けるスタートアップ法務弁護士、Big Tech出身のエンジニア、現役VCアナリストなど、キャリアの段階、国籍、専門領域を問わず、普段は交流することのない人材が一堂に会しました。

ARグラスのデモを体験する参加者

作戦会議中のチーム

4時間で生まれた革新的なプロダクト

受賞チームの集合写真

🥇 1st Place:Engram – Networking Memory Copilot

  • RFSテーマ:AI Guidance for Physical Work

  • 賞金:USD 5,000(75万円)

  • 特典:Jon Xu Office Hours + VoiceOS 1年無料

会議やイベントでの会話メモを、人物中心のナレッジグラフ(Neo4j + Graphiti)に変換するAI記憶アシスタントです。人物・トピック・関心・フォローアップアクションを自動抽出し、「誰と何を話したか」を永続的に記録します。審査員からは「まさに今日のネットワーキングの場で使いたい」と評価され、総合スコアで最高点を獲得しました。

🥈 2nd Place:Noob — AI Design Assistant

  • RFSテーマ:Cursor for Product Managers

  • 賞金:USD 2,000(30万円)

  • 特典:Jon Xu Office Hours

Figma・Slack・Linearに直接組み込まれる埋め込み型AIデザインアシスタントです。Head of Designのように思考・行動するAIがデザインレビューを自動化します。「like Greptile for design」と評されました。

🥉 3rd Place:YAOROZU — AI Guidance for Physical Work

  • RFSテーマ:AI Guidance for Physical Work

  • 賞金:USD 1,000(15万円)

  • 特典:Jon Xu Office Hours

「八百万の神が万物に宿るように」AIエージェントが全現場を監視し、リアルタイムで作業指示を発行します。日本の神道的世界観をAIアーキテクチャに落とし込んだ独自のコンセプトが高評価を得ました。

YC卒業生を含む11名の審査員

シリコンバレーから来日した審査員を含む11名が受賞プロジェクトを評価しました。Nintendo社外取締役、Chelsea FC元CTO、ユーザー4億人企業の共同創業者、YC卒業7ヶ月でARR $4M達成の起業家など、通常では接点を得ることが難しい方々が審査員として参加しました。

審査員一覧
| 氏名 | プロフィール |
| :————– | :————————————————————– |
| Kai Brokering | VoiceOS CEO(YC X25)。東京出身、渡米後7年の音声AI開発経験 |
| Henry Ndubuaku | Cactus CEO(YC S25)。15歳で大学入学・AI修士。スマホ上LLM低遅延動作を実現 |
| 野島 大嗣 | Canopi(YC S21)。Yale CS卒・元Facebook・Blur.io創業メンバー |
| Abhilash Chowdhary | CrustData CEO(YC F24)。YC卒業7ヶ月でARR $4M。Garry Tanが「F24最強」と評価 |
| Vignesh Subbiah | Unbound CTO(YC S24)。元Adobe。AI漏洩防止7,000件超 |
| Jia Shen | Shisa AI。元RockYou共同創業(ユーザー4億人・調達$140M)。日本語LLM開発中 |
| Duncan Ross | soonami.io共同創業者。PhD(航空宇宙工学×暗号学)。Chelsea FC元CTO・Nintendo社外取締役 |
| Jian | Shisa AI |
| Nick | Blaxel |
| Skiet | Superset |
| Tejas | Morph |

Duncan Ross (soonami.io, former Chelsea FC CTO)

Abhilash Chowdhary (CrustData, YC F24)

Jia Shen and his brother Jian

Kai Brokering (VoiceOS, YC X25)

スポンサー提供ツール・クレジット

参加者全員に、YC卒業企業を含むスポンサー6社から1人あたりUSD 2,600以上(約39万円)のツールクレジットが提供されました。155名の参加者全員に配布されたため、スポンサークレジットの総額はUSD 403,000以上(約6,045万円)に達しています。

スポンサー提供内容
| スポンサー | 提供内容 |
| :—————– | :————— |
| CrustData(YC F24) | USD 2,000分 API |
| Blaxel | USD 500分 |
| Morph | USD 50分 |
| Shisa AI | LLM + Speech API無制限 |
| Unbound(YC S24) | 無料クレジット |
| VoiceOS(YC X25) | 3ヶ月無料 |

開催背景:日本とY Combinatorの接点強化

Y Combinatorは2005年の創業以来、Airbnb・Stripe・DoorDashなど5,000社超に投資し、累計時価総額は約120兆円に達する世界有数のアクセラレーターです。しかし、これまでの日本との接点は薄く、20年間で採択された日本人創業者はわずか7名でした。

しかし、2025年以降、わずか1年で4名の日本人がYCに採択されており、これは過去の約10倍のペースで、日本のスタートアップエコシステムが長年越えられなかった壁に初めて亀裂が入った瞬間を示しています。TransposeはYCへの主要LP(Significant Investor)として、この流れをさらに加速させるために本ハッカソンを企画しました。

Transpose Platformの日本市場担当・全体統括である戸上 恭丞氏は、今回のハッカソンが日本からYCへと繋がる接点として認知されてきていることに言及し、「ハッカソンはあくまで入り口であり、賞を取ることだけがゴールではありません。ここで出会った人、作ったプロダクト、悔しかった経験など、そのどれかが、いつかYCへの挑戦を決意する瞬間に繋がってくれればと思っています」とコメントしています。

イベント概要

イベント名 c0mpiled – San Fransokyo
開催日 2026年3月8日(日)10:00〜19:00
会場 虎ノ門ヒルズ森タワー 4階
主催 Transpose Platform
共催 東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)
協賛 森ビル株式会社
言語 英語
テーマ YC RFS Spring 2026 × AI(7カテゴリ)

共催・協賛について

東大IPC(東京大学協創プラットフォーム開発株式会社)
東京大学100%出資の投資事業会社で、総額600億円に迫る複数ファンドを運用しています。国内最大級のアカデミア横断型創業支援「1stRound」を展開し、22大学・5研究機関と連携しています。

森ビル株式会社
六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズ等を手掛ける日本を代表する都市開発デベロッパーです。会場となった虎ノ門ヒルズは総床面積約80万㎡、就業者約3万人を抱える国際的ビジネスハブであり、Goldman Sachsが日本拠点を移転した場所でもあります。

今後の展開

上位3チームには、YCパートナーJon Xuとの個別Office Hoursが提供されます。Transposeは年間10〜15回のハッカソンやウェビナーを開催予定で、YC Alumniとの接点の提供を通じて、日本のスタートアップエコシステムのグローバル化を推進していく計画です。

Transpose Platform 会社概要

会社名 Transpose Platform
所在地 米国カリフォルニア州サンフランシスコ
事業内容 Y Combinator LP投資家として、日本市場におけるスタートアップエコシステム成長支援。
URL https://transposeplatform.vc

AI Workstyle Lab編集部コメント

今回のAIハッカソン「c0mpiled – San Fransokyo」は、日本のスタートアップエコシステムが世界レベルのイノベーションに繋がる可能性を示しました。短期間でプロトタイプを開発し、市場ニーズを検証するハッカソンは、AI技術のビジネス応用を加速させる有効な手段です。特に「Engram」のような記憶アシスタントや「Noob」のようなデザインアシスタントは、会議の効率化やデザインプロセスの自動化に直結し、企業や個人事業主の生産性向上に大きく貢献するでしょう。このような実践的なイベントを通じて、AIを仕事で活用する具体的なヒントが得られる点も重要な意義を持つと考えられます。

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この記事の情報
記事の著者
AI Workstyle Lab 編集部

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